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患者同士の支え合いの場を利用しよう

同じ経験を持つ患者さんの話を聞くことで、気持ちが軽くなったり、療養生活を快適に送る知恵を得られることがあります。
担当医や専門家の話とともに、うまく取り入れるとよいでしょう。

当事者の視点で話を聞いてもらえる患者同士の支え合いの場

がんの治療や療養生活においては、いろいろな悩みや不安が出てきます。がんと診断された直後や治療を始めたころは、家族や周りの人も本人の話に耳を傾けてくれることが多いのですが、治療の経過が安定してきたり療養生活が長くなると、何度も聞くのは疲れてきますし、本人自身も遠慮して話さなくなりがちです。

また、このころには、がんの病気そのものよりも、療養や社会復帰のこと、経済的なことなど、普段の生活についての個人的な心配事も気になることが多くなり、誰にどのように相談すればよいのかわからないと思い悩んで、孤独感が深まる原因になることもあります。がん相談支援センターでも、治療のこと以外の日常生活の心配事についても相談することができますが、このようなときに当事者の視点で話を聞き、支えになってくれるのが「患者同士の支え合い」です。

ほかの患者さんの話を聞くことによって、「悩んでいるのは自分ひとりではない」と感じられたり、「同じような問題を抱えている人がほかにもいる」ということがわかるだけでも、気持ちがずいぶん楽になるものです。

自分の体験がほかの患者さんを支援する力になることも

さらに、ほかの患者さんの経験を聞くことで、自分の悩みを解決する糸口を見つけたり、問題との付き合い方を学んだりすることもできます。特に、生活する上で不便に感じている治療の後遺症などへの対処や工夫について、実体験に基づくいろいろな解決方法やコツがとても参考になることがあります。

また、がんの体験を素直に話して相手に伝えることで、自分が病気のことを、どのように理解して受け止めていたのかがはっきりしてきて、治療や療養生活の中でこだわってきたものが見えてきたり、同じ体験をした人に話を聞いてもらうことによる安心感や連帯感が生まれてくるという利点もあります。

こうした体験に基づく知恵は、ほかの誰かにも貴重なヒントになるばかりでなく、今度は自分がほかの誰かの力になれるということを知り、自分自身に自信を取り戻すきっかけになるともいわれています。このように「患者同士が支え合うこと」には、さまざまなよい影響を及ぼすことがたくさんあります。

患者同士の支え合いの場にはどのようなものがある?

患者同士が出会える場、支え合いの場としては、患者会、患者サロン、ピアサポートなどがあります。

患者会

患者会とは、同じ病気や障害、症状など、何らかの共通する患者体験を持つ人たちが集まり、自主的に運営する会のことです。お互いの悩みや不安を共有したり、情報を交換したり、会によっては、患者のためにさまざまな支援プログラムを用意していたり、社会に対する働きかけを行う活動をしているところもあります。活動の内容は、それぞれの会によって違いますが、定例会による気持ちや情報の分かち合い、電話や電子メールなどによる悩みの相談、会報による情報提供などを行っていることが多いようです。また、特定のがんに限定している会もあれば、さまざまな種類のがんを対象に活動しているところもあります。

患者サロン

患者サロンとは、患者やその家族など、同じ立場の人が、がんのことを気軽に本音で語り合う交流の場のことで、最近、患者会の少ない地域でも広まってきています。最近は、患者や市民の要望を受けて、がん診療連携拠点病院など医療機関の中や公民館などに患者サロンを設置する病院や自治体もふえています。そのため、運営の仕組みはさまざまで、患者や家族が主体になっているところもあれば、医療者を中心に活動しているところもあります。また、両者が協力しながら運営しているサロンもあります。

ピアサポート

ピア(Peer)とは「仲間」という意味で、ピアサポートとは、同じような悩みあるいは経験を持つグループの中で、同じ仲間として対等な立場で行われる支援のことです。仲間から支えられていると感じられる場にいることによって、お互いに支え合ったり、悩みの解決につながったりすることが期待されています。がんにおけるピアサポートは、患者や家族の悩みや不安に対して、がん経験者が自分の経験を生かしながら相談や支援を行うといった形での取り組みです。このような活動が始まったのは、ここ数年のことで、医療機関内などで実施されています。

患者同士の支え合いの場を利用するには?

支え合いの場の探し方

患者会やその他の支え合いの場に関する基本的な情報(目的、設立年、代表者名、連絡先、対象となるがんの種類、主な活動内容、活動地域、会員数、年会費など)は、書籍や雑誌、インターネットで調べられます。また、住まいの近くのがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに問い合わせても、地域の患者会の情報を得られることがあります。

患者会がない地域に住んでいる人は、がん診療連携拠点病院の中に患者や家族が集える場があるか、がん相談支援センターに問い合わせてみるとよいでしょう。

利用するときの心構えと注意点

自分に合った患者会を探すためには、まず定例会などを見学してみましょう。ひとりで参加しにくい場合は、家族と一緒に行ってみるのもよいでしょう。定例会は、曜日や時間帯、会場によって参加する人が入れ替わることもあるので、気の合う人がいなくても、善しあしをすぐに決めてしまわないで、何回か続けて参加してみましょう。

患者会によって目的や活動内容に違いがあったり、運営している人や仕組みが異なっていますので、実際に足を運んでみると特色がわかってきます。実際に行ってみると、雰囲気などが期待していた印象と違う、ということもあります。

また、家族から患者会への参加を勧められることもあるかもしれません。そのような場合は無理にがんばらないで、自分自身の気持ちと相談して「参加してみたい」「一度見てみたい」という気持ちになれたら、資料を取り寄せてみる、電話して話を聞いてみる、足を運んでみるというように、少しずつつながりを広げていくとよいでしょう。

患者同士の支え合いの場では、診断されたときの不安や、治療や療養中の心配事や悩みなど、近い体験を持つ人だからこそわかる、いろいろな悩みを共有したり、体験に基づいた具体的な対処法を伝え合ったりする利点があります。しかし同じがんであっても、それぞれの人で治療内容や療養生活の状況は違います。ほかの人に合った治療法や対処法、療養生活の過ごし方が必ずしも自分にも合うとは限りません。また、医学的なことは、担当医に必ず相談するようにしましょう。
インターネットで参加できる支え合いの場
インターネットで参加できる支え合いの場インターネットのなかでも「患者コミュニティーサイト」(掲示板、メーリングリスト、チャット)を通して、患者同士の交流が盛んに行われるようになっています。

これまで患者数の少ないがんの場合、患者会を探しても該当するものがないなど、患者同士が知り合える機会はほとんどありませんでした。しかし、インターネットが登場したことにより、比較的容易に交流ができるようになりました。

患者コミュニティーサイトの中には、インターネット上で知り合った仲間と直接会う場を設けるところもあります。こうした場に参加することで、さらにほかの患者さんとよりよい関係を築いていけることでしょう。
「患者同士が支え合うこと」のよい面
  • 悩んでいるのは、自分ひとりではないことに気付き、気持ちが楽になる。
  • ほかの患者さんの経験談を聞くことで、悩みを解決するヒントを得たり、問題との付き合い方を学んだりできる。
  • 実際の患者体験に基づいた解決方法を伝え合える。
  • がんの体験を人に話すことにより、自分の気持ちが整理できる。
  • 自分の体験がほかの患者さんや家族を支援する力になることを知り、失った自信を取り戻せる。
利用するときに注意しておきたいこと
患者会の中には、ある特定の医療機関(医師)への受診を勧めたり、特定の治療方法を強く勧める、といった団体もまれにあります。電話やメールで資料や情報を取り寄せたり、インターネットでホームページを確認したりするなどして、その中身をよく吟味しましょう。気が進まない場合は、そのことをはっきりと伝えて断りましょう。特定の治療法や健康食品などを勧められた場合は、必ず担当医やがん相談支援センターに相談しましょう。
先輩患者さんの体験談からパワーをもらう
私は若年性乳がんと診断され、現在治療中です。治療や生活についての情報を集めるときには同じ立場の患者さんの声を聞きたいと思い、若年性乳がん患者の本を読んだり、乳がん患者会の集まりにも参加させていただいて先輩患者さんの体験談を聞くことができました。「いずれは結婚や出産も……」と夢見ていた私にとって、がんの告知はこれまでにないほどのショックでしたが、この患者会でパワーをもらうことができました。

気持ちを整理するのに時間がかかりましたが、家族や友人の支えもあって通院先の病院でボランティア活動にも参加できるほど元気を取り戻しました。休職して治療に専念している私には、このボランティア活動がとても支えになり、今はこれからの治療のことも生き方も受け入れられるようになりました。
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