TOP  > 療養生活のためのヒント  > 休養と睡眠のヒント

休養と睡眠のヒント

治療や療養生活の時期には、疲れやすい、心の不安などで落ち着かない、ぐっすり眠れないといった悩みを抱えることもあります。

日常生活の中で休息、睡眠をバランスよく

がんの有無にかかわらず、休息と睡眠をしっかり取って、心身の疲れを取り体調を整えることは大切です。診断された直後、治療中、治療が一段落した後でも、「今までより疲れやすくなった」「休養を十分取ったはずなのに体がだるい」「よく眠れない、眠りが浅い」といった悩みを持つ人は少なくありません。その時々の体調に合わせて日常生活と休息、睡眠のバランスを取っていきましょう。

快適と感じる睡眠時間や睡眠パターンは人それぞれです。睡眠の質は睡眠時間だけで決まるものではありません。「よく眠れた」「疲れが回復した」と、自分が満足を感じられれば、時間の長さは問題ありません。不規則な生活は疲れや不眠につながります。起床、食事、就寝の時刻をできるだけ規則的にします。また適度な活動は体に心地よい疲労となり、睡眠の質をよくすることができます。無理のない範囲で体を動かすように心がけましょう。

また、規則的に昼寝をすると疲れにも気分的にもよいことがあります。昼寝をする場合、1時間以内を目安にするようにしましょう。長い時間昼寝をすると、夜眠れなくなり、かえって睡眠時間が少なくなることがあります。

治療や療養のために休養が必要だと感じているのに、仕事や育児、介護などのために思うように休めないときがあるかもしれません。しかし、相談してみれば解決できる場合もあります。家族や周りの人に話してみましょう。またがん相談支援センターでは、社会福祉に詳しいスタッフが、無理を続けないで生活していけるように一緒に考えます。相談してみましょう。療養中は、適度に活動しながら疲労をため込まないことが大切です。

心と体のリラックスのために

心をリラックスさせ、体がほぐれると心地よい休養や睡眠が取れるといわれています。いろいろと試して自分に合った方法を見つけていきましょう。

ぬるめのお風呂や足浴

お風呂のお湯は少しぬるめがリラックスできる温度です。また足だけお湯につける足浴はお風呂より少し高めの温度が気持ちよいと感じるといわれています。

軽い読書

気分転換程度に気楽に読めるものを選ぶとよいでしょう。

ストレッチや散歩

体をほぐすことで心の緊張も緩みます。また散歩などで体を動かすと、適度な疲れを感じ、眠りにつきやすくなります。

音楽

好きな音楽や、リラックス効果のある音楽を低めの音量で流すとよいでしょう。

香り(アロマセラピー)

好きな香りはリラックス効果をもたらします。そのようなリラックス効果のある香りのあるオイル(エッセンシャルオイル)を用います。

その他のリラックス法

腹式呼吸法(横隔膜呼吸法)や筋弛緩(きんしかん)法、自律訓練法などもリラックス効果があるといわれています。担当医や看護師、カウンセラーなどに相談してみましょう。

睡眠を助けるための工夫

効果に個人差がありますが、睡眠を助けるための工夫には、次のようなものがあります。

夕食後には、カフェインの多いのみ物や食べ物を控える

カフェインを多く含むコーヒーや紅茶、濃いお茶などののみ物やチョコレートなどは、なるべく避けましょう。

深酒はしない

食事のときの適量のアルコールは心身をリラックスさせますが、寝酒や深酒は緊張作用をもたらして、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなることがあるので、ほどほどを心がけましょう。睡眠導入剤をのんでいるときにはアルコールはとらないようにしましょう。

ぬるめのお風呂と軽いストレッチ運動

熱いお風呂や激しい運動は、自律神経を刺激して眠りにくくなることがあります。ぬるめのお風呂や、みぞおちから下だけをお湯につける半身浴を試してみましょう。痛みや傷口のためにお湯につかることが難しいときには、シャワーや蒸しタオルで体や顔をふくのもおすすめです。軽いストレッチ運動を組み合わせるのもよいでしょう。

眠る時間は早すぎず、遅すぎず

あまり早い時間に床に入ると寝付くまでに時間がかかり、眠りが浅くなることがあります。

適度な暗さ(明るさ)に調節する

一般的には暗い方が、眠りにつきやすいといわれていますが、自分が心地よいと思える暗さ(明るさ)に調節しましょう。

入院中の工夫

入院しているときには、同室の人や病院スタッフ、装置の動きや音が気になって眠れないという人もいます。アイマスクや耳栓を利用すると快適に眠れることもあります。

寝具などを整える

枕、シーツなどを清潔なしわのない心地よいものにしたり、ゆったりした寝間着を選ぶのもよいでしょう。

眠れないときには、原因に応じて対処法を見つけていきます

「眠れない」といっても、寝付けない、夜中に何度も起きる、熟睡感がない、朝早く目覚めてしまうなど、その内容はさまざまです。また、原因も病気によるショックや不安、症状による心身の苦痛など、身体的な要因や精神的な要因によるものなどがあり(表1)、複数の原因が重なっていることもあります。

ひとりで抱え込まないで、担当医や看護師、がん相談支援センターに相談し、原因に応じた対処法を見つけていきましょう。

表1:不眠の原因の主なもの
身体的なこと
痛み、だるさ、かゆみ、咳(せき)や痰(たん)、腹痛、頻尿、冷え、下痢、寝汗など
精神的なこと 病気に対する不安、経済的な不安、家族への心配、思うように活動できないことへの不満、気持ちを十分に伝えられないことへのいらだちなど
生活環境のこと 寝具や衣服が合わない、騒音、照明、室温、湿度、生活習慣の変化など


医療者に助けを求めてみましょう

不安や不眠に対しては、担当医だけでなく、心療内科や精神科の医師、がん相談支援センターのスタッフが手助けをしてくれます。不安な気持ちを話したり、体の症状に対する適切な治療を行ったり、療養環境を整えることによって症状をある程度和らげることができます。必要に応じて安定剤や睡眠導入剤が処方されることもあります。精神安定剤や睡眠導入剤に対しては「習慣になってしまうのではないか、やめられなくなるのではないか」という不安があるかもしれませんが、専門家の指示を守っていれば、習慣になってしまうといった心配はありません。上手に使うことで「眠れない」「眠りが浅い」というつらさを和らげることができます。
睡眠導入剤の上手な利用法
  • 不眠の症状をできるだけ詳しく担当医に伝え、症状に合う薬を処方してもらう。
  • 薬は、量や時間について、指示されたとおりにのむ。
  • アルコールと併用しない。
  • 眠りの様子を担当医に伝えて、薬の使い方を相談する。
  • 薬について心配なことは、担当医や薬剤師に相談する。
だるさや疲労への対処法
多くの患者さんの持つ症状の1つに「だるさ」があります。だるさは、がんそのものによるものや、貧血や栄養不良、腎臓や肝臓の障害、むくみ、発熱の影響など身体的な要因のほか、不安やうつ的状態などの精神的な要因、薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療など治療による影響でも起こります。また不眠のために、疲労から回復せず、だるさが残ります。

だるさに対しては有効な対処法がないのが実情ですが、ステロイド剤や抗うつ剤などの薬剤を使うことで、症状が軽くなることがあります。つらいときには我慢しないで、担当医や看護師に相談しましょう。
関連情報
アンケートにご協力ください
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
簡単な7問ほどのアンケートですので、ぜひ、ご協力ください。
アンケートページへ
前のページへ次のページへ
用語集
このページの先頭へ