放射線治療品質管理推進室では、がん診療連携拠点病院や臨床試験参加施設等を対象として、以下の支援プログラムを実施しています。
・ 第三者評価として、正しい線量が出力されていることを確認します。
・ 異常があった場合には、施設の修正作業を支援します。
・ これらを通して、物理技術担当者の技能向上を図り、安全管理体制の確立を支援します。
| (1)郵送測定: | スクリーニングとして、放射線治療施設は最低3年に1回、測定を受けることを推奨します。 出力測定支援プログラムの概要および申し込み方法へ |
| (2)訪問測定: | 都道府県がん診療連携拠点病院等を訪問し、線量測定に関する地域研修会を開催したり、臨床試験参加施設等に対して、高精度放射線治療に必要な項目についての測定・確認等を行っています。 また、郵送測定で異常が疑われた施設に対しては、原因究明の支援を行っています。 問い合わせ先へ |
このような郵送測定による第三者評価プログラムは、国際原子力機関(IAEA)、世界保健機構(WHO)を始め世界各国で実施されており、医療事故防止にも有効であることが言われています。
IAEAとWHOでは120カ国約1600施設、欧州品質保証研究所(EQUAL)/欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)では主として欧州共同体(EU)の450施設、放射線物理センター(RPC)/M.D.アンダーソンがんセンター(MDACC)では主として米国とカナダの1500施設に対して第三者評価プログラムが実施されています。その他にもEORTC, RTOG, MRCといった臨床試験グループ、あるいは国単位(ベルギー、オランダ、スウェーデン、ドイツ、ニュージーランド、英国など)の枠組みにより、全世界の約60%の施設が郵送測定による第三者評価プログラムに参加しています。
IAEA/WHOで発展途上国を対象とした結果では、5%以上の線量の誤差が当初17%の施設に認められましたが、修正により7%にまで減少・改善しています(右図)。
2007年11月より、わが国においてもこのような第三者評価プログラムが始まりました。
がん診療連携拠点病院および臨床試験参加施設等には、継続的に放射線治療品質管理推進室の出力測定支援プログラムに参加されることを推奨します。
出力測定支援プログラムの概要および申し込み方法
放射線治療品質管理推進室の出力測定支援プログラムでは、医用原子力技術研究振興財団の「治療用照射装置(X 線)の出力線量測定(以下、郵送測定)」サービスを利用しています。
郵送測定の手順、料金等の詳細へ(医用原子力技術研究振興財団のページへ)
放射線治療品質管理推進室は、がん診療連携拠点病院が郵送測定を受ける際の申込窓口となり、施設における品質管理体制および測定結果を経時的に把握するとともに、測定結果に異常があった場合には修正作業の支援等を行います。
申し込みおよびフロー概略:
1)「申込用紙」を下記よりダウンロードし、
申込書ファイル:
PDF:118KB、
Excel:64KB
記入要領ファイル:
PDF:1.32MB
に必要事項を記入の上、下記まで郵送、Eメール、ファクスのいずれかでお送りください。
申込用紙送付先:
〒104−0045 東京都中央区築地5−1−1
国立がん研究センターがん対策情報センター
放射線治療品質管理推進室 担当 峯村、宮岸
E-Mail:qcsupport @ ml.res.ncc.go.jp
FAX:03−3547−5013
2)申し込み受け付け後、医用原子力技術研究振興財団担当者より測定実施日時に関する連絡があります。
3)郵送測定セットが届きましたら、手順に従って測定セットに照射を行い、医用原子力技術研究振興財団宛てに測定セットを返送願います。測定結果により医用原子力技術研究振興財団担当者より問い合わせがあることや、訪問測定(別途有償)を勧められることがあります。
訪問測定の際には、放射線治療品質管理推進室スタッフも施設に伺います。
4)施設への郵送測定結果報告書は、放射線治療品質管理推進室より送付いたします。
5)測定が完了しましたら、医用原子力技術研究振興財団へ所定の費用をお支払いください。
| ・ | 放射線治療の計画における一連のプロセスが確実に行われていることを確認します。 |
| ・ | 問題がある場合には、施設の修正作業を支援します。 |
| ・ | これらの活動を通して、治療法の標準化、均てん化、放射線治療専門医の技能向上を図ります。 |
| ・ | 臨床試験においては、実施計画書の規定が遵守されているかを確認します。これにより質の高い、科学的に信頼できる結果を得ることが可能となり、新たな標準治療を確立することができます。 |
近年の情報技術の革新により、放射線治療もコンピューターを使用したより高度な3次元・4次元治療計画が可能となりましたが、治療計画技術の標準化は進んでおらず、研修体制も整っていません。
欧米では、米国放射線腫瘍研究グループ(RTOG)/先進技術品質保証コンソーシアム(ATC)、 欧州がん治療研究機構(EORTC)などで実施された臨床試験における品質管理・品質保証プログラムを通して、治療計画技術の標準化が進められてきました。これによりプログラム導入前にあった大きな施設間較差が、導入後数年間で劇的に減少・改善したと報告されています。またこのプログラムは、臨床試験のみならず、一般診療の質の向上、標準化にも効果的に適応できることが言われています。
日本の臨床試験においては、プロトコール違反が60%にも及ぶ臨床試験があることが判明し、2002年より日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の臨床試験で品質管理・品質保証プログラムが導入されました。導入後1年間はなお24%の違反が見られましたが、現在では5%未満まで減少し、治療計画技術の標準化が図られています(右図)。
また、従来はX線検査や治療記録をフィルムや紙にコピーして評価に用いてきました。 しかしながら、コンピューターを用いた最近の3次元治療計画においては、より詳細な項目について治療計画内容の評価が必要となっています。それに伴い必要な情報量が膨大となり、電子化情報を用いた評価システムが必要となっています。
国立がん研究センターがん対策情報センター がん医療支援研究部
放射線治療品質管理推進室 担当:峯村 俊行、深田 恭平
電話:03−3542−2511 (内線:2457) FAX:03−3547−5013
E-mail:qcsupport @ ml.res.ncc.go.jp