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子宮頸がん検診

更新日:2010年04月01日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2010年04月01日 掲載しました。
子宮頸部擦過細胞診(従来法・液状検体法)
子宮頸がん死亡率減少効果を示す相応な証拠があるので、対策型検診・任意型検診として、細胞診(従来法・液状検体法)による子宮頸がん検診を実施することを推奨します。

HPV検査を含む方法(HPV検査単独・HPV検査と細胞診の同時併用法・HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法)
子宮頸がん死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、集団を対象とした対策型検診としての実施は勧められません。個人を対象とした任意型検診(人間ドックなど)として実施する場合には、子宮頸がん死亡率減少効果が不明であることと、過剰診断などの不利益についても適切に説明する必要があります。

1.各種検査法の評価結果

1)子宮頸部擦過細胞診(従来法)

子宮頸部擦過細胞診(従来法)による子宮頸がん死亡率減少効果を示した無作為化比較対照試験はありません。しかし、世界中で行われた多くの観察研究により、子宮頸部擦過細胞診(従来法)を定期的に受診すると、子宮頸がん死亡率と浸潤がん罹患率が減少することがわかりました。定期的に検診を受けることによって、子宮頸がん死亡率を最大80%まで減少させることができます。

わが国では10年間の観察において、検診を受けた人が40%以上の高実施地区では、子宮頸がん死亡率が63.5%減少したのに対して、検診を受けた人が10%台の地区では、子宮頸がん死亡率減少は33.3%にとどまっていることが報告されています。

子宮頸部擦過細胞診(従来法)の感度は、わが国における報告では、細胞診で疑陽性以上(日母分類でのクラスIII以上)の人を精密検査の対象とすると、上皮内がんとがんの94.7%を発見できるとされています。またこの時、がんや上皮内がんでないと判定できる特異度は98.9%と報告されています。その診断能力には地域差が大きいものの、中等度異形成以上を検出する能力は、おおむね感度50〜80%台、特異度70〜90%台と報告されています。

2)子宮頸部擦過細胞診(液状検体法)

液状検体法を用いた子宮頸部擦過細胞診による子宮頸がん死亡率減少効果・罹患率減少効果についての報告は、現在までありません。しかしながら、従来法と液状検体法はほぼ同様の方法であり、その感度・特異度はいずれの病変に対してもほぼ同等なので、細胞診(従来法)と同様に子宮頸がん死亡率減少効果を示す相応な証拠があると判断できます。

3)HPV検査を含む方法(HPV検査単独・HPV検査と細胞診の同時併用法・HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法)

精度については、HPV検査単独の場合、中等度異形成以上あるいは高度異形成以上の病変の検出の感度は、いずれも細胞診(従来法)よりHPV検査の方が良好ですが、特異度ではHPV検査の方が劣ります。HPV検査と細胞診の同時併用法、HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法でも同様の結果です。ただし、HPV検査陽性者への細胞診トリアージ法では、細胞診に比べ感度は高いままで、単独法や併用法に比べ、陽性反応適中度を改善することができます。HPV検査により、子宮頸がんの死亡率が減少したとする無作為化比較対照試験の結果が、平成21年(2009)にインドから報告されました。しかし、この研究結果からだけでは、HPV検査により子宮頸がん死亡率減少効果を確実と判断することはできません。今後、HPV検査を含む同様の研究の成果を待って判断すべきであると考えられます。

2.子宮頸がん検診の不利益

子宮頸部擦過細胞診(従来法・液状検体法)では、細胞採取で出血する場合もありますが、大きなリスクや苦痛はほとんどありません。しかし、検診で発見された軽度および中等度異形成については、自然に治ってしまうものを見つけ出してしまう過剰診断に相当する可能性があります。
精密検査として、コルポスコープという拡大鏡で子宮頸部の組織を採って調べる検査が行われますが、組織を採っても若干の出血がある程度です。ただし、精密検査で高度異形成や上皮内がんが見つかった場合には、子宮頸部円錐切除術という手術を行って、進行がんが存在しないかどうかを調べます。円錐切除による流・早産率については、影響あり・なしの両方の報告があり、妊娠に対するその不利益の可能性についての報告は一定していません。

国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部「科学的根拠に基づくがん検診推進のページ」 有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン
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