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悪性骨腫瘍(あくせいこつしゅよう)

更新日:2008年01月31日    掲載日:2007年12月28日

1.悪性骨腫瘍の種類と解説

骨に生じる悪性の腫瘍を悪性骨腫瘍といい、これは大きく2種類に分けられます。一方は骨自体から発生した原発性(げんぱつせい)悪性骨腫瘍、もう一方は体のほかの部分に生じた悪性腫瘍が骨に転移した続発性(ぞくはつせい)悪性骨腫瘍(転移性骨腫瘍)です。 全身の骨格

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1)原発性悪性骨腫瘍

原発性悪性骨腫瘍とは、手足や脊椎(せきつい:背骨)、骨盤など、骨そのものから発生した悪性腫瘍のことです。上皮組織である胃や肺などから発生した悪性腫瘍“がん”に対して、間葉系組織(かんようけいそしき)である骨から発生した悪性腫瘍という意味で、“骨の肉腫(にくしゅ)”といわれることもあります。“肉腫”は“がん”に比べてまれな疾患で、原発性悪性骨腫瘍は、人口100万人に対して年間約4人の発生頻度と推定されています。原発性悪性骨腫瘍には、以下のようなさまざまな種類があります。

(1)骨肉腫(こつにくしゅ)

骨肉腫とは、腫瘍細胞自体が骨をつくる原発性悪性骨腫瘍です。原発性悪性骨腫瘍の中では骨肉腫にかかる人が最も多く、日本では人口100万人に対して約2人、全国で年間200人前後の人が新たにかかると推定されています。年齢では10歳代が最も多く、女性に比べて男性に多い傾向があります。発生部位は膝関節周囲(大腿骨遠位部(だいたいこつえんいぶ)と脛骨近位部(けいこつきんいぶ))、上腕骨(じょうわんこつ)近位部などに多くみられます。近年、化学療法や手術方法の進歩により予後は劇的に改善されています。

(2)軟骨肉腫

骨肉腫に次いで頻度の高い原発性悪性骨腫瘍です。30歳以上の中・高年に多く発生します。良性骨腫瘍である骨軟骨腫や内軟骨腫などから二次的に生じることもあります。発生部位は大腿骨や上腕骨などの四肢近位部や骨盤、肋骨などの体幹(たいかん:胴体)の骨によく発生します。骨肉腫ほどは転移を起こさず、ゆっくり大きくなることが多く、手術が治療の主体となります。

(3)ユーイング肉腫

原発性悪性骨腫瘍の中では3番目に多く、10歳前から20歳代に多くみられます。手足の根元近くの骨や骨盤、肋骨(ろっこつ)など体幹の骨に発生することが多く、発熱など全身の症状を伴うこともあります。悪性度が高く急速に進行しますが、化学療法や放射線治療の効果は高く、これらと手術を組み合わせて治療します。

(4)その他

原発性悪性骨腫瘍としては、そのほかにも悪性線維性組織球腫(あくせいせんいせいそしききゅうしゅ:MFH)、線維肉腫、血管肉腫、脊索腫(せきさくしゅ)、アダマンチノーマなどの病気があります。
それぞれの病気で症状、治療方法、予後が大きく異なるため、治療にあたっては、正確な診断に基づいて適切な治療方法を選択することが大切です。さまざまな病気を含む原発性悪性骨腫瘍を正確に診断、治療するためには、専門的な知識が必要です。原発性悪性骨腫瘍が疑われる場合には、ぜひ、専門の施設を受診してください。

2)続発性悪性骨腫瘍(転移性骨腫瘍、骨転移)

続発性悪性骨腫瘍とは、内臓の“がん”やほかの部位の“肉腫”など、体のほかの部分に生じた悪性腫瘍が骨に転移したものをいいます。原発性悪性骨腫瘍が非常にまれな病気であるのに比べて、続発性悪性骨腫瘍は多くの進行した“がん”や“肉腫”で生じるため、頻度が非常に高い疾患です。どのような悪性腫瘍も骨に転移する可能性はありますが、中でも乳がん、前立腺がん、肺がん、腎がん、甲状腺がんなどは高い頻度で骨に転移します。続発性悪性骨腫瘍についてはそれぞれの“がん”の解説と重複しますので、以下、本稿では主に原発性悪性骨腫瘍について説明します。

2.症状

悪性骨腫瘍が発生した部位の痛みや腫れ、運動障害が主な症状です。最初の症状は歩いたり走ったりしたときの痛み(運動時痛)が主ですが、病気が進行すると次第に安静時の痛みや夜間寝ているときの痛みも出てきます。急速に大きくなる腫瘍では発熱や貧血などの全身症状を伴うこともありますが、多くの原発性悪性骨腫瘍では全身症状はみられません。

軟骨肉腫のようにゆっくりと大きくなるものでは、痛みなどの症状がほとんどなく、硬い腫瘤(しゅりゅう:かたまり)としてのみ気づくものもあります。また、骨盤など体の深い部分に生じる腫瘍では、かなり大きくなるまで症状が全くないことも珍しくありません。

腫瘍そのものの症状が出現する前に、腫瘍によって弱くなった骨が軽い外傷で骨折したり(このような骨折を病的骨折といいます)、脊椎に生じた腫瘍が脊髄神経を圧迫して起こる手足のしびれや麻痺で発見されることもあります。

3.診断

原発性悪性骨腫瘍の診断は、次のような手順で行われます。

1)診察

診察は、これまでにどのような病気にかかったことがあるか、いつからどのような症状が出現したか、症状の変化はどうか、など、通常の問診からはじまります。その後、実際に患部を見て(視診)、触れて(触診)、その大きさや形、硬さ、痛み、熱感、リンパ節の腫れなどを診察します。これで、病気の性格についてある程度の見通しを立てます。

2)画像検査

単純X線写真:骨の、どの部分にどのような変化が生じているのかを見ます。
胸部X線写真:肺転移の有無などを診断します。
コンピューター断層撮影(CT):X線を使って、体の輪切り像(横断像)を描き出す検査です。
核磁気共鳴検査(MRI):磁石の原理で体の輪切り像、前後や左右に縦割りにした縦断像などを描き出す検査です。

CTもMRIも、単純X線写真ではわかりにくい骨盤や脊椎など、体の深部に発生した腫瘍の位置や大きさ、石灰化の有無などの特徴をみるために重要な検査です。肺などの内臓への転移の有無の精査や、続発性悪性骨腫瘍の原発腫瘍を探すときなどにも役立ちます。腫瘍の骨内・外への広がりや内部の性状、血管、神経など重要な組織との関係をみることができます。

シンチグラフィー:放射性同位元素を使うスクリーニング検査です。最初の診断時と、全身の転移や再発の有無を探すときに行います。

3)血液検査

血算:貧血の有無や程度、炎症の程度などを調べます。
腫瘍マーカー:腫瘍が作り出す特殊な酵素や抗体などを、腫瘍マーカーと呼びますが、正常な状態で見られるものもあります。一般的な説明は、腫瘍マーカーをご覧ください。残念ながら、現在、原発性悪性骨腫瘍だけに特徴的な血液腫瘍マーカーはありません。骨が新しくつくられたり壊されたりするときに骨から血液中に出るアルカリフォスファターゼという酵素が上昇します。骨肉腫や各種続発性骨腫瘍など一部の悪性骨腫瘍では、この血液中アルカリフォスファターゼの値や、値の変化が診断に役立ちます。また続発性悪性骨腫瘍では、それぞれの本来のがんに特徴的な腫瘍マーカーの上昇をみることがあります。

4)病理検査

診察、画像検査、血液検査の情報を総合することにより、問題となっている病変がどのような性格のものなのか、ほぼ診断することができます(臨床診断)。しかし、これはあくまでも体の奥にある骨の病気を体の外から眺めたり、触れたりして予想した診断にすぎません。診断の確定は、病気そのものの組織や細胞を採取して顕微鏡で調べること(病理検査)によって行います。細胞を直接見てその種類を調べ、また腫瘍のある範囲を調べることによって、治療法を考えます。

生検:病理検査のために組織や細胞を採取することをいい、大きく分けて針生検と切開生検の2とおりの方法があります。針生検は腫瘍を専用の針で刺して細胞や小組織片を採取する方法で、局所麻酔で行うこともできる検査ですが、硬い骨や深部の病変からでは診断に十分な組織が得られないこともあります。切開生検は手術的に病変の一部を採取する方法で、手術や入院などの負担はありますが、針生検に比べて十分な組織を採取して検査することが可能です。どちらの方法もそれぞれ一長一短がありますので、患者さんの状態や病状に応じて選択します。

最近では、採取した組織から遺伝子やタンパク質を抽出して解析を行うことで、より迅速かつ正確な診断もできるようになってきました。正しい診断に基づいて治療を行うことは良い治療結果を得るためにとても大切ですので、重要な検査です。

4.病期(ステージ)

原発性悪性骨腫瘍は、細胞の形や増殖速度の速さなどから判断される組織学的悪性度の高さ、腫瘍の大きさ(骨内にとどまっているのか、骨外まで広がっているのか)、肺、リンパ節、ほかの骨などへの転移の有無(遠隔転移)などによって進行度(病期、または英語のままステージとよびます)が分けられます。この病期をもとに、腫瘍の種類、患者さんの年齢や全身状態を考えて、最も有効な治療法を決定します。

現在、わが国で広く用いられている原発性悪性骨腫瘍の病期(ステージ)分類には、国際患肢温存学会による Surgical Staging System と、UICC によるTNM病期分類の2種類があります。両者の違いは、Surgical Staging System が原発巣の手術を行う際に役立つことを目的とした分類法で、TNM病期分類は腫瘍の予後を予測することに主眼をおいた分類法であるところです。それぞれの特徴を生かして、治療法の決定に役立てています。

Surgical Staging System

IA:組織学的に低悪性度の腫瘍が骨内に限局しているもの。転移はない。
IB:組織学的に低悪性度の腫瘍が局所の骨外まで広がったもの。転移はない。
IIA:組織学的に高悪性度の腫瘍が骨内に限局しているもの。転移はない。
IIB:組織学的に高悪性度の腫瘍が局所の骨外まで広がったもの。転移はない。
III:遠隔転移を認めるもの。

TNM分類

IA:腫瘍の最大径が8cm以下で、組織学的に低悪性度の腫瘍。転移はない。
IB:腫瘍の最大径が8cmより大きく、組織学的に低悪性度の腫瘍。転移はない。
IIA:腫瘍の最大径が8cm以下で、組織学的に高悪性度の腫瘍。転移はない。
IIB:腫瘍の最大径が8cmより大きく、組織学的に高悪性度の腫瘍。転移はない。
III:原発腫瘍と同じ骨の中に転移を認めるもの。
IVA:肺転移のあるもの。
IVB:リンパ節転移、あるいは肺以外の部位に転移を認めるもの。

治療法決定の前に、どの分類のどの病期なのかを、しっかり把握することが重要です。
一般に、組織学的に悪性度の低い悪性骨腫瘍が転移を生じる頻度は低く、悪性度の高い悪性骨腫瘍は高率に転移を生じます。骨腫瘍は、血液の流れに乗って転移することが多いため、肺への転移として見つかることが多いです。

5.治療法

悪性骨腫瘍の治療は、外科療法(手術)、放射線治療、化学療法が主体です。外科療法、放射線治療は局所の治療法で、化学療法は全身的な治療法です。原発性悪性骨腫瘍の治療で最も中心的な役割を果たすのは外科療法ですが、転移がある腫瘍や悪性度の高い腫瘍では、全身的な治療も必要になります。

1)外科療法(手術)

悪性骨腫瘍に対する外科治療の目的は、第一に腫瘍を完全に切除すること、第二に切除した骨や関節を再建して支持性と機能を回復させることです。

良性の骨腫瘍であれば、腫瘍をかき出すような手術(掻爬術(そうはじゅつ))を行っても、骨巨細胞腫などいくつかの腫瘍を除いては、再発する可能性はあまり高くありません。

しかし、悪性骨腫瘍に対してこのような手術を行うと高率に再発し、病気の生じた手足を残すことが難しくなるばかりか、転移(生命)の危険性も増すことが明らかになっています。このような悪性骨腫瘍を安全に再発なく切除するために、日本整形外科学会が中心となって悪性骨軟部腫瘍切除の基準が定められています。国立がん研究センターをはじめ、わが国で骨軟部腫瘍の診療を専門に行っている施設の多くは、この広範切除の基準に沿って手術をしています。広範切除とは、正常組織で腫瘍を包み込むように切除する方法です。この広範切除が計画どおりに行われた場合、原発性悪性骨腫瘍の局所再発率は10%以下であることが明らかにされています。

2)放射線治療

放射線治療は、放射線を腫瘍に照射して腫瘍細胞を殺す局所治療です。原発性悪性骨腫瘍に対する、通常の放射線治療の効果は一般的にあまり高くないため、限られた腫瘍以外には、放射線照射単独による局所治療はほとんど行われません。骨肉腫など多くの原発性悪性骨腫瘍に対する放射線治療は、腫瘍の大きさや生じた場所の問題から安全な広範切除が行えない患者さんに対して、手術前あるいは手術後の補助的な治療法として行われることが多いです。一方、上述の限られた腫瘍にあたるユーイング肉腫などいくつかの悪性骨腫瘍は、放射線治療の効果が高く、脊椎や骨盤など手術の難しいところに発生したこれらの腫瘍に対して、手術の代わりに放射線治療が局所治療法として選択されることもあります。

特殊な放射線治療として、重粒子(炭素)線による悪性骨軟部腫瘍の治療が試みられ、脊索腫(せきさくしゅ)など脊椎、骨盤に発生した悪性骨腫瘍に対して高い治療効果が示されています。また手術の際、腫瘍を切除した部分に細いチューブを多数留置して、術後そのチューブの中に放射線源を入れて放射線治療を行う方法(小線源療法)も、患者さんによっては有効であることが明らかになっています。

放射線治療については、「放射線治療」もご参照ください。
また、重粒子(炭素)線による治療については、「粒子線(荷電重粒子線)治療」もご参照ください。

3)化学療法(抗がん剤)

骨肉腫やユーイング肉腫には、抗がん剤による化学療法が有効です。化学療法の導入(1980年代以後)によって、これら原発性悪性骨腫瘍の治療成績は大幅に改善されてきました。現在、原発性悪性骨腫瘍に対して有効と考えられている薬剤は、アドリアマイシン(ADR)、イホマイド(IFO)、シスプラチン(CDDP)、メソトレキセート(MTX)、ビンクリスチン(VCR)、アクチノマイシンD(Act-D)、エンドキサン(CPM)、エトポシド(VP-16)などがあり、腫瘍の組織型に応じていくつかの薬剤を組み合わせて使用します。これらの抗がん剤の多くは、原則として静脈から点滴で投与されます。

原発性悪性骨腫瘍に対する化学療法の多くは、通常3週間程度の間隔をおいて抗がん剤を投与します。これは、1回の抗がん剤による副作用(悪心・嘔吐、骨髄抑制、内臓障害など)から体が回復するために3週間程度の時間を要するためです。従来、化学療法は副作用が強くつらい治療の1つでしたが、最近は副作用を軽減する新しい薬剤やいろいろな支援療法により、積極的に患者さんの苦痛が軽くなるように図られています。

現在、骨肉腫、ユーイング肉腫などの原発性悪性骨腫瘍と診断された患者さんの多くは、原発巣の外科療法を行う前に、抗がん剤による化学療法(術前化学療法)を数ヵ月間(数回)行います。この術前化学療法の目的は、(I)腫瘍を縮小させて、より安全に機能的な手足を残すこと、(II)目に見えない微小な転移巣を撲滅することです。約半数の患者さんでは、この術前化学療法によって腫瘍の大部分が壊死(えし:死んでしまうこと)におちいり、より安全に原発巣手術を行えるようになります。一方、残念ながら化学療法の効果が不十分で病気を縮小させられない、あるいはこの間に腫瘍が大きくなってしまう患者さんもあります。

原発巣の外科療法後、これら原発性悪性骨腫瘍の患者さんの多くは、さらに数ヵ月間(数回)の化学療法(術後化学療法)を行うことが一般的です。この術後化学療法は、目に見えない微小な転移巣を完全に撲滅させ、転移の出現を防ぐことを目的としています。

この術前化学療法—原発巣外科療法—術後化学療法という一連の治療をきちんと行うことにより、骨肉腫やユーイング肉腫の治療成績は格段に改善されてきました。一例をあげると、手足に発生した初診時転移のない骨肉腫(ステージII)の国立がんセンター(現国立がん研究センター)病院における治療成績は、1980年代はじめまでは5年生存率30%程度と不良でしたが、2000年以後は5年生存率70%以上にまで向上し、手足を残せる患者さんの割合も90%以上となっています。

一方、肺転移や再発など進行した原発性悪性骨腫瘍の患者さんに対する化学療法は、病巣を小さくしたり、病気の進行を遅らせたりすることを主目的として行います。この場合は患者さんの状態(年齢、全身状態など)や病気の状態(組織型、ステージ、大きさ、部位など)から、一概にその方法や回数を決めることはできませんが、治療の効果と危険性を見極めたうえで、それぞれの患者さんに最も適切と考えられる治療方法を選びます。

原発性悪性骨腫瘍のような極めてまれな腫瘍では、個々の病院が別々の方法で化学療法などを施行していたのでは、最も安全で効果がある治療法を科学的に明らかにして、実際の治療に役立てていくことは困難です。そのため、国内の主な病院が共同して共通の治療法で治療を行い、より優れた治療法を開発していく試み(臨床試験)が行われています。この臨床試験は、整形外科医に加えて、腫瘍内科医、小児科医、放射線科医等がそれぞれの専門分野で知恵を出し合って立案し、試験への参加が決して患者さんの不利益にならないよう厳密な計画・審査を経たうえで行われます。

化学療法については、「薬物療法(化学療法)」もご参照ください。

4)免疫療法その他

免疫療法は、患者さんの抗腫瘍免疫を賦活化(ふかつか)することによって腫瘍を治療する方法です。さまざまな免疫療法が試みられていますが、現在、原発性悪性骨腫瘍に対して有効性が実証された免疫療法はありません。

免疫療法については、「免疫療法」もご参照ください。

6.病期(ステージ)別治療法と治療成績

生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。
生存率の値そのものではなく、ある一定の幅(データによって異なりますが±5%とか10%等)を持たせて、大まかな目安としてお考えください。

原発性悪性骨腫瘍に対する治療は、腫瘍の病期と組織型、患者さんの状態によって決定されます。ここでは Surgical Staging System による病期分類を用いて説明します。

1)組織学的に低悪性度の腫瘍で遠隔転移のないもの(ステージIAまたはIB)

ここには、組織学的に悪性度の低い軟骨肉腫、線維肉腫の一部などが含まれます。これらの腫瘍は遠隔転移を生じる可能性が低いので、外科的に腫瘍を完全に切除する治療が中心になります。外科療法(5−1)で述べたような広範切除を行います。腫瘍が小さく、骨内に限局している場合(ステージIA)は、腫瘍の発生した骨の一部を含めて広範切除を行います。骨外に大きくなった低悪性骨腫瘍(ステージIB)では、周囲の軟部組織を含めて広範切除を行います。正確な画像診断に基づいて、骨内や軟部組織への進展の状況を十分に把握したうえで手術を行うことが重要です。

適切な広範切除が行われた場合、四肢発生例の局所再発率は10%以下、5年生存率は80%以上が期待されます。手術が困難な骨盤や脊椎発生例の局所再発率はこれよりも高く(40〜60%)、治療成績は劣ります。一方、いったん再発すると再手術は技術的にも難しくなり、再び再発する可能性も高くなります。また、これらの腫瘍に対しては化学療法などの効果もあまり期待できないため、治療は非常に困難になります。初回手術で十分な広範切除を行うことが、極めて大切です。

2)組織学的に高悪性度の腫瘍で遠隔転移のないもの(ステージIIAまたはIIB)

これには、大部分の骨肉腫、MFH、ユーイング肉腫などが含まれます。組織学的に悪性度の高い腫瘍は、診断されたときすでに発生した骨から周囲の軟部組織に進展していることが多く(ステージIIB)、骨内にとどまっている例(ステージIIA)はまれです。これらの腫瘍は再発、遠隔転移を生じる可能性が高いので、治療は原発巣の外科療法(5−1)とともに、化学療法(5−3)や放射線治療(5−2)を併用した集学的治療が行われます。骨肉腫やユーイング肉腫などでは、術前化学療法—原発巣外科療法—術後化学療法という約1年間に及ぶ治療が標準治療用語集アイコンです。現在、骨肉腫の治療成績は、四肢発生例では5年生存率約70%、脊椎・骨盤など体幹発生例では5年生存率約30%、全体での5年生存率は約60%です。ユーイング肉腫の5年生存率も約60%です。一方、強力な化学療法を行うことが困難な高齢者の治療成績は、5年生存率は不良で40%未満です。

3)遠隔転移のあるもの(ステージIII)

原発巣と転移巣(多くは肺転移)の両者に対する治療が必要です。ステージI、IIに比べて明らかに治療成績はよくありませんが、骨肉腫、ユーイング肉腫など化学療法が有効な腫瘍では、原発巣、転移巣のすべてを外科的に切除したうえで化学療法を行い、それによって治癒、長期生存する患者さんも少しずつ増えてきました。ただ残念ながら、現在の医療水準では完治することが難しい病状であることも確かです。患者さん、ご家族、医療従事者が十分に相談したうえで治療の方針を決めていくことが特に大切です。

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