食道がん 治療の選択:[国立がん研究センター がん情報サービス]
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食道がん(しょくどうがん)

更新日:2016年02月10日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1996年11月25日
更新履歴
2016年02月10日 「3.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2014年10月03日 「3.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2012年12月21日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年11月29日 内容を更新しました。

1.臨床病期と治療

各種検査の結果を総合的に評価して、がんの進行度と全身状態から治療法を決めます。食道がんの治療には、大きく分けて4つの治療法があります。それは、内視鏡治療、手術、放射線治療抗がん剤の治療です。ある程度進行したがんでは、外科治療、放射線治療、化学療法を組み合わせて、それぞれの特徴を生かしながら相乗効果を出すための集学的治療が行われます。

次に示すものは、食道がんの病期と治療方法の関係を表す図です。より詳しく知りたい方は、日本食道学会の「食道癌診断・治療ガイドライン」(参照:「がん情報サービスレファレンスリスト 食道がん」)もご参照ください。担当医と治療方針について話し合う参考にしてください。

治療法は、患者さんの希望や年齢、合併症などを考慮しながら決めます。
図3 食道がんの臨床病期と治療
図3 食道がんの臨床病期と治療
日本食道学会編「食道癌診断・治療ガイドライン 2012年4月版」(金原出版)より一部改変
なお、欧米では胃がん検診などでの内視鏡検査は一般的ではないため、症状のない早期の食道がんが発見されることはまれです。このため、早期がんが対象となる内視鏡治療も、ほとんど行われていません。進行したがんでは手術の効果も少ないため、手術治療の成績も日本に比べると劣っています。欧米における治療法やその成績を参考とするときには、注意が必要です。

2.病期(ステージ)別治療

治療は主に病期により決定されます。同じ病期でも、病気の進行具合、全身状態、心臓・肺の状態などによって治療が異なる場合があります。
【0期の治療】
次の治療が選択されます。

・「食道がん 治療 内視鏡的粘膜切除術

粘膜にとどまるがんでは、食道を温存できる内視鏡的粘膜切除術が標準治療です。病変の範囲が広く、内視鏡切除後に食道が狭窄(きょうさく)する可能性が高い場合は、放射線治療などが行われます。
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【I期の治療】
次の治療のいずれかが選択されます。

・外科治療(手術)
・化学放射線療法(放射線治療と化学療法の併用療法)

I期の食道がんでは、手術が標準治療です。がんが粘膜下層までにとどまりリンパ節転移がない場合、化学放射線療法で臓器を温存しながら手術と同等の治癒率が得られるという報告もあります。現在、このステージの患者さんは、ご自身の考えで治療を選ぶことが可能です。おのおのの治療の長所と短所を担当の先生から十分に説明を受け、納得した上で治療を受けましょう。

化学放射線療法では、放射線治療の効果を高め再発転移を予防するための化学療法は、放射線治療と同時に行います。しかし、化学放射線療法では、副作用は放射線治療のみに比べると強くなるので、体力が十分でない場合は、放射線治療のみが望ましい場合もあります。
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【II期 III期の治療】
次の治療のいずれかが選択されます。

・手術(外科治療)
・手術(外科治療)と化学療法または化学放射線療法の併用療法
・化学放射線療法(放射線治療と化学療法の併用療法)

外科治療が標準治療です。治療前の検討で、手術によって完全にがん病巣を取り除くことができると判断され、体力(心臓や肺の機能、あるいは重い合併症の有無など)も手術に耐えうると判断された場合には、外科手術が選択されます。また、多くの場合、再発・転移の防止のために、手術前後に化学療法または化学放射線療法を行います。手術前に化学療法を行う方が手術単独より優れているとの報告から、全身状態をみながら、可能な場合には術前化学療法を行うことが推奨されています。

一方、治療前の検討で、体力が手術に耐えられないと判断された場合には、放射線治療が選択されていました。その後、化学放射線療法の方が放射線治療単独より治療効果が高いことが証明されました。手術に適さない場合や手術を希望されない場合には、化学放射線療法により根治を目指した治療が行われます。
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【IV期の治療】
次の治療のいずれかが選択されます。

・化学療法(抗がん剤治療)
・化学放射線療法(放射線治療と化学療法の併用療法)
・放射線治療
・痛みやほかの苦痛に対する症状緩和を目的とした治療

通常、IV期では手術を行うことはなく、抗がん剤による化学療法が行われます。明らかながんの縮小を認めることもありますが、全てのがんを消失させることは困難です。かなりの副作用があるため、全身状態が不良な場合には化学療法ができないことがあります。また、がんによる食道の狭窄により食物の通過障害があるときなど、症状に応じて放射線治療も行われます。

IV期では、がんによる症状を認めることが多く、痛みや呼吸困難などの症状を緩和するための治療が重要になります。症状緩和の治療技術はかなり進歩してきており、多くの症状を軽減することが可能となっています。
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3.治療成績

がんの治療成績を示す指標の1つとして、生存率があります。生存率は、通常がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによって、こうしたほかの要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。

以下に、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が公表している院内がん登録から算出された5年相対生存率のデータを示します。このデータは、およそ10年前のがんの診断、治療に基づくものです。従って、診断や治療の進歩により、現在は下記の数字より治療成績は向上していると考えられます。

データは平均的、かつ確率として推測されるものであるため、全ての患者さんに当てはまる値ではないことをご理解ください。
【食道がんの生存率について、さらに詳しく】
このデータは、2005年から2007年の間に、食道がんの診断や治療を受けた患者さんが対象となっています。治療については、外科治療だけではなく、放射線治療、化学療法、その他の何らかの治療を受けた患者さんが対象となっています。そのため、各施設で公表している、外科治療だけを受けた患者さんを対象とした生存率と、異なる場合があります。

臨床病期については「食道がん 検査・診断-2.病期(ステージ)」をご参照ください。
表3 食道がんの病期別生存率
病期 症例数(件) 5年相対生存率(%)
I 1,163 86.0
II 968 51.9
III 1,429 26.4
IV 1,172 12.2
全症例 4,827 42.7
外部サイトへのリンク全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査 KapWeb(2016年2月集計)による

なお、こちらの表の臨床病期はUICC(Union Internationale Contrele Cancer:国際対がん連合)TNM分類を用いています。
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4.自分に合った治療法を考える

治療方法は、全て担当医に任せたいという患者さんがいます。一方、自分の希望を伝えた上で、一緒に治療方法を選びたいという患者さんも増えています。どちらが正しいというわけではなく、患者さん自身が満足できる方法がいちばんです。

まずは、病状を詳しく把握しましょう。あなたの体をいちばんよく知っているのは担当医です。わからないことは、何でも質問してみましょう。診断を聞くときには、病期(ステージ)を確認しましょう。治療法は、病期によって異なります。医療者とよくコミュニケーションをとりながら、自分に合った治療法であることを確認してください。

診断や治療法を十分に納得した上で、治療を始めましょう。最初にかかった担当医に何でも相談でき、治療方針に納得できればいうことはありません。

担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くこともできます。そのときは、担当医に話してみましょう。多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料をつくってくれるはずです。
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