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肝細胞がん(かんさいぼうがん)

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更新日:2015年03月02日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1996年05月23日
更新履歴
2015年03月02日 「1.検査」「2.病期(ステージ)・障害度分類」を更新しました。
2012年10月25日 更新履歴を追加しました。
2012年10月04日 タブ形式に変更しました。
2011年12月05日 内容を更新しました。

1.検査

肝がんの検査としては、超音波検査やCT、MRIなどの画像検査と腫瘍マーカー検査を組み合わせて行います。必要があれば針生検用語集アイコンなどの検査を追加して行います。

1)超音波(エコー)検査

体の表面にあてた器具から超音波を出し、臓器で反射した超音波の様子を画像にして観察する検査です。患者さんの負担が少なく簡便に行える検査です。がんの大きさや個数、がんと血管の位置、がんの広がり、肝臓の形や状態、腹水の有無などを調べます。ペルフルブタン(ソナゾイド)という造影剤を使用することもあります。この造影剤は炭酸ガスからできているため、後述するCTやMRIの造影剤と異なり、アレルギーや腎障害などの副作用はまずありません。患者さんの状態や部位によっては見えにくい場合もあります。血管から造影剤を注射して検査を行う(造影超音波検査)ことで、より詳しく腫瘍用語集アイコンの性質を調べることができます。

2)CT、MRI検査

図2 CT検査の様子
図2 CT検査の様子
CTは、X線を使って体の内部を描き出し、治療前にがんの性質や分布、転移や周囲の臓器への広がりを調べます(図2)。病変を詳しくみるため、通常ヨード造影剤を使いながら撮影します。造影剤を入れてから何回かタイミングをずらして撮影することで、がんの性質や状態を調べます。そのためヘリカルCT、MDCTなど高速撮影のできる装置が使われます。MRIは磁気を使った検査です。必要に応じてCTと組み合わせて、あるいは単独で行われます。MRIでもガドリニウムやガドキセト酸ナトリウム(EOB・プリモビスト)といった造影剤を使用することがあります。CTやMRIで造影剤を使用する場合、腎臓に負担がかかる恐れや、アレルギーが起こる可能性がありますので、腎臓が悪いと言われたことがある人、以前に造影剤のアレルギーを起こした経験のある人は、医師に申し出てください。血液検査で腎機能が低下していると判断される場合には、通常造影剤を使用することはできません。また、CT造影剤と併用できない糖尿病薬がありますので、内服薬の確認も必ず医師にしてもらってください。

3)腫瘍マーカー

腫瘍マーカーは血液の検査で、体のどこかにがんが潜んでいるかどうかの目安になります。肝がんでは、AFP(アルファ・フェトプロテイン)やPIVKA-II(ピブカ・ツー)、AFP-L3分画(AFPレクチン分画)と呼ばれるマーカーが保険適用となっています。小肝細胞がん(ここではおおむね5㎝以下程度のものを指す)の診断においては、2種類以上の腫瘍マーカーを測定することが推奨されています。ただし、肝がんでもこれらのマーカーがいずれも陰性のことがありますし、がんのない肝炎・肝硬変、あるいは他のがんでも陽性になることもあるので、画像診断も同時に行うことが一般的です。

4)血管造影検査

血管造影用語集アイコン検査とは、足の付け根の動脈から細い管(カテーテル)を差し込んで、肝臓や腸管の動脈に造影剤を入れ、血管や病巣の状態を調べる検査を行うことがあります。最近はCT,MRI画像の進歩により、血管造影を検査として行うことは少なく、後述する治療(塞栓療法、動注療法)として行うことが一般的です。

5)針生検

肝がんは多くの場合、画像診断や血液検査の結果から診断がつけられます。しかし、中には典型的な結果が得られず、診断がつけられないことがあります。このような場合には、超音波検査で肝臓内部をみながら細い針を腫瘍部分に刺し、少量の腫瘍組織を採取する針生検という検査を行うことがあります。ただし、出血を起こしたり、がんを広げてしまう危険性がまったくないわけではありませんので、必要性をよく検討してから行うことになります。

2.病期(ステージ)・障害度分類

1)病期(ステージ)分類

病期用語集アイコンとは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いかもしれません。病期には、ローマ数字が使われ、肝がんでは、I期、II期、III期、IV期(IVA、IVB)に分類されています。

肝がんの病期は一般に、がんの大きさ、個数、がん細胞が肝臓内にとどまっているか、体の他の部分まで広がっているかによって分類されます(表1)。
表1 病期(ステージ)分類
表1 病期(ステージ)分類
日本肝癌研究会編「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 2009年6月(第5版補訂版)」(金原出版)より一部改変

2)肝障害度分類、Child-Pugh分類

病期とは異なりますが、治療法の選択にあたっては肝臓がどのくらい障害されているかも評価します。肝障害(かんしょうがい)度分類は、肝機能の状態によって3段階に分けられます(表2)。他にChild-Pugh(チャイルド・ピュー)分類が用いられることもあります(表3)。どちらもAからCの順序で、肝障害の程度が強いことを表します。肝障害度分類では、下の表のそれぞれの項目別に重症度を求め、そのうち2項目以上が当てはまる肝障害度に分類されます。また、2項目以上に該当した肝障害度が2カ所以上にある場合は、高い方の肝障害度に分類されます。例えば、肝障害度Bの項目が3項目該当していても、Cが2項目あれば肝障害度Cになります。
表2 肝障害度分類
肝障害度 A B C
項目 腹水 ない 治療効果あり 治療効果少ない
血清ビリルビン値(mg/dL) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dL) 3.5超 3.0~3.5 3.0未満
ICGR15(%) 15未満 15~40 40超
プロトロンビン活性値(%) 80超 50~80 50未満
copyright
日本肝癌研究会編「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 2009年6月(第5版補訂版)」(金原出版)より一部改変

Child-Pugh分類では、表3の各項目のポイントを加算し、その合計点により分類されます。

表3 Child-Pugh分類
ポイント(Child-Pugh分類) 1点 2点 3点
項目 脳症 ない 軽度 ときどき昏睡
腹水 ない 少量 中等量
血清ビリルビン値(mg/dL) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dL) 3.5超 2.8~3.5 2.8未満
プロトロンビン活性値(%) 70超 40~70 40未満

Child-Pugh分類 A 5~6点
B 7~9点
C 10~15点
copyright
日本肝癌研究会編「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 2009年6月(第5版補訂版)」(金原出版)より一部改変
【参考文献】
  1. 日本肝臓学会編「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン2013年版」(金原出版)
  2. 日本肝癌研究会編「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 2009年6月(第5版補訂版)」(金原出版)
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