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肺がん(はいがん)

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更新日:2016年02月10日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1995年11月06日
更新履歴
2016年02月10日 「4.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2015年05月11日 「図3 肺がんの臨床病期と治療」の出典を修正しました。
2014年10月23日 掲載内容の更新が不要であることを確認しました。
2014年10月03日 「4.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2012年11月02日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。

1.臨床病期と治療

肺がんに対する治療方針は、肺がんの分類(非小細胞肺がん、小細胞肺がん)と病期(ステージ)に基づいて、全身の状態や年齢、心臓や肺の機能、合併症なども含めて総合的に検討して決定されます。

図3は肺がんの病期と治療方法の関係を表す図です。担当医と治療方針について話し合う参考にしてください。

図3 肺がんの臨床病期と治療
図3 肺がんの臨床病期と治療
日本肺癌学会編「EBMの手法による 肺癌診療ガイドライン 2005年版」(金原出版)より作成

2.非小細胞肺がんの病期(ステージ)別治療

非小細胞肺がんのI期およびII期では、手術を中心とした治療が行われます。
【I期・II期の治療について、さらに詳しく】

1)I期

次の治療のいずれかが選択されます。
  • 手術(外科治療)
  • 手術と、その後に抗がん剤治療(術後化学療法)
  • 放射線治療(手術が適切でない場合)

2)II期

次の治療のいずれかが選択されます。
  • 手術(外科治療)
  • 手術と、その後に抗がん剤治療(術後化学療法)
    手術を行いIB〜IIIA(病理病期;手術の結果 を含めた病期)と判断された患者さんに対して術後化学療法を行うと、手術のみに比べ治療成績がよいという臨床試験の結果が報告されています。
  • 放射線治療(手術が適切でない場合)
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IIIA期の非小細胞がんに対しては、手術・放射線治療・抗がん剤治療を組み合わせて治療が行われます。

IIIB期では放射線治療と抗がん剤治療を組み合わせた治療が第一選択となります。
【III期の治療について、さらに詳しく】
IIIA期の非小細胞がんに対しては、手術・放射線治療・抗がん剤治療を組み合わせて治療が行われます。手術によって完全にがん病巣をとり除くことができると判断され、体力(心臓や肺の機能、あるいは合併症の有無など)も手術が可能と判断された場合には手術が選択されます。手術後には、再発用語集アイコン・転移の防止のために抗がん剤治療(術後化学療法)を行うことが勧められます。手術前に抗がん剤治療や放射線治療を行うほうが手術単独より優れているという報告や、手術後の放射線治療はかえって良くないといった報告もありますが、確定的ではありません。

縦隔(じゅうかく)のリンパ節に転移がある場合や完全にがん病巣をとり除くことが不可能である、あるいは体力が手術に耐えられないと判断されたIIIA期やIIIB期に対しては、胸部への根治的放射線治療と抗がん剤の併用療法が治療の第一選択になります。効果の面からは放射線治療と抗がん剤治療を同時に併用する治療が勧められます。しかし、放射線治療と抗がん剤治療を同時併用する場合、副作用が強くなる場合が多く、がんの広がりや体力、合併症の有無によって、薬物療法を先行しその後に放射線治療を追加する治療や放射線治療のみ、抗がん剤治療のみが望ましい場合もあります。
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IV期の非小細胞肺がんに対しては、手術や胸部への根治的放射線治療を行うことはほとんどなく、緩和療法と抗がん剤治療が治療の中心になります。
【IV期の治療について、さらに詳しく】
通常、IV期に対しては手術や胸部への根治的放射線治療を行うことはなく、緩和療法と抗がん剤治療が治療の中心になります。IV期の肺がんに対して抗がん剤を用いた場合の治療成績は、少しずつ向上してきていますがまだ十分とはいえず、最新の抗がん剤治療でも根治することは不可能です。したがって、抗がん剤治療や緩和療法によってがんの進行を遅らせ、症状を和らげ、できるだけ元気で日常生活が送れる時間をつくることを目指します。それぞれの肺がんの持つ遺伝子の異常や組織型によって、抗がん剤の選択肢が異なります。抗がん剤治療には何らかの副作用を伴うことが多く、重篤な合併症がある場合や全身状態が不良な場合には、副作用の負担が大きくかえって害をなしてしまうことから、抗がん剤治療がお勧めできないことがあります。

IV期ではがん自体による症状を認めることが多く、痛みや呼吸困難などの症状を緩和するための治療も重要になります。近年の症状緩和の治療技術はかなり進歩してきており、多くの症状を軽減することが可能となっています。痛みに対してはモルヒネを中心とした治療を行い、8割以上の患者さんで十分に痛みを取る効果が得られます(詳しくは「痛み止めの薬の知識」を参照してください)。呼吸困難に対しては酸素投与が中心となりますが、自宅で酸素吸入のできる在宅酸素療法も受けられます(詳しくは「呼吸困難」を参照してください)。
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3.小細胞肺がんの治療

小細胞がんでは、限局型、進展型で治療が異なります。
【限局型の治療について、さらに詳しく】
次の治療のいずれかが選択されます。
  • 抗がん剤治療と胸部への放射線治療の併用
    (終了後に追加で脳転移を予防するための脳への放射線治療(予防的全脳照射)を行うことがあります)
  • 抗がん剤治療 (
終了後に追加で予防的全脳照射を行うことがあります)
  • 手術(I期の場合)、多くの場合に術後抗がん剤治療を追加
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【進展型の治療について、さらに詳しく】
抗がん剤治療と緩和ケアが治療の中心になります。小細胞肺がんは非小細胞肺がんに比べて抗がん剤に対する反応が良好なことが多いですが、根治することは不可能です。抗がん剤治療や緩和療法によって、がんの進行を遅らせ、症状を和らげ、できるだけ元気で日常生活が送れる時間をつくることを目指します。抗がん剤治療には何らかの副作用を伴うことが多く、重篤な合併症がある場合や全身状態が不良な場合には、副作用の負担が大きくかえって害をなしてしまうことから、抗がん剤治療がお勧めできないことがあります。痛みなどの自覚症状があればそれを緩和する治療を行います。骨転移や脳転移などの遠隔転移による症状や苦痛を和らげたり、縦隔リンパ節転移による顔・首のはれ(むくみ)を和らげたりする目的で、放射線治療を行うことがあります。
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4.治療成績

がんの治療成績を示す指標の1つとして、生存率があります。生存率は、通常がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによって、こうしたほかの要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。

以下に、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が公表している院内がん登録から算出された5年相対生存率のデータを示します。このデータは、およそ10年前のがんの診断、治療に基づくものです。従って、診断や治療の進歩により、現在は下記の数字より治療成績は向上していると考えられます。

データは平均的、かつ確率として推測されるものであるため、全ての患者さんに当てはまる値ではないことをご理解ください。
【肺がんの生存率について、さらに詳しく】
このデータは、2005年から2007年の間に、肺がんの診断や治療を受けた患者さんが対象となっています。治療については、外科治療だけではなく、放射線治療、化学療法、その他の何らかの治療を受けた患者さんが対象となっています。そのため、各施設で公表している、外科治療だけを受けた患者さんを対象とした生存率と、異なる場合があります。

臨床病期については「肺がん 検査・診断-3.病期(ステージ) 」をご参照ください。
表4 肺がんの病期別生存率
病期 症例数(件) 5年相対生存率(%)
I 6,794 83.6
II 1,236 49.0
III 4,237 22.9
IV 4,668 5.0
全症例 17,183 44.6
外部サイトへのリンク全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査 KapWeb(2016年2月集計)による

なお、こちらの表の臨床病期はUICC(Union Internationale Contrele Cancer:国際対がん連合)TNM分類を用いています。
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5.自分にあった治療法を考える

治療方法は、すべて担当医に任せたいという患者さんがいます。一方、自分の希望を伝えた上で一緒に治療方法を選びたいという患者さんもふえています。どれが正しいというわけではなく、患者さん自身が満足できる方法が一番です。

まずは、病状を詳しく把握しましょう。あなたの体を最もよく知っているのは担当医です。わからないことは、何でも質問してみましょう。診断を聞くときには、病期(ステージ)を確認しましょう。治療法は、病期によって異なります。医療者とうまくコミュニケーションをとりながら、自分に合った治療法であることを確認してください。

診断や治療法を十分に納得したうえで、治療を始めましょう。最初にかかった担当医に何でも相談でき、治療方針に納得できれば言うことはありません。

担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くこともできます。そのときは、担当医に話してみましょう。多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料をつくってくれるはずです。
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