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中皮腫(ちゅうひしゅ)

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更新日:2014年12月05日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1996年03月19日
更新履歴
2014年12月05日 著作権マークを削除しました。
2012年12月28日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。

1.中皮について

肺や心臓などの胸部の臓器や、胃腸・肝臓などの腹部の臓器は、それぞれ、胸膜、心膜、腹膜と呼ばれる膜に包まれ、体の内面もこれらの膜でおおわれています。この薄い膜には、「中皮(ちゅうひ)細胞」が並んでいます。
図1 胸膜、心膜、腹膜の位置
図1 胸膜、心膜、腹膜の位置
【用語の解説】
胸膜(きょうまく) 左右それぞれの肺および胸壁の内側を覆う薄い膜
胸壁(きょうへき) 皮膚から胸膜までの壁のようになっている部分で、肋骨(ろっこつ)や筋膜(きんまく)からなる部分
胸郭(きょうかく) 胸壁と横隔膜で囲まれた部分
胸腔(きょうくう) 肺と胸壁と横隔膜にはさまれた空間。胸水がたまるところ
縦隔(じゅうかく) 左右の肺の間の部分、すなわち心臓や食道、気管、心臓に通じる大血管などがあるところ
心膜(しんまく) 心臓を袋のように包んでいる膜で、心のうとも呼ばれる。壁側(へきそく)と臓側(ぞうそく)の心膜からなり、その間にたまる液を心膜液(心のう液)という
腹腔(ふくくう) 腹壁で囲まれて内部に胃や腸などの消化器がある空間
腹膜(ふくまく) 胃腸・肝臓などの腹部の臓器および腹壁の内側をおおう薄い膜
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2.中皮腫とは

中皮細胞から発生するがんを「中皮腫」といいます。その発生する場所によって、胸膜中皮腫、心膜中皮腫、腹膜中皮腫などがあります(図1)。
以前は、中皮腫には悪性と良性があると説明されてきました。しかし現在は、中皮腫といえば悪性腫瘍を意味します。良性腫瘍の胸膜中皮腫と呼ばれたがんは「孤在性線維性腫瘍(こざいせいせんいせいしゅよう)」に名前が変わり、今は中皮腫には含まれていません。一方、腹膜に発生する中皮腫には、非常にまれですが、「多発のう胞性中皮腫」という良性の経過を示すものがあります。
中皮腫は、1ヵ所で大きくなっていくタイプ(限局性:げんきょくせい)と膜全体に広がっていくタイプ(びまん性)があります。多くがびまん性に広がっていきます。

3.症状

胸膜中皮腫では、胸痛、咳(せき)、大量の胸水(きょうすい:胸腔内に液体がたまること)による呼吸困難や胸部圧迫感が起こります。また、原因不明の発熱や体重減少がみられるときもあります。
腹膜中皮腫では腹水(ふくすい:腹腔内に液体がたまること)によっておなかが張ってきます。
いずれも中皮腫に特徴的な症状とはいえず、早期発見が難しい病気です。

4.疫学・統計

中皮腫は、そのほとんどがアスベスト(石綿:せきめん・いしわた)を吸ったことにより発生します。アスベストを扱う労働者だけでなく、労働者の家族やアスベスト関連の工場周辺の住民にも発生しています。アスベストにさらされること(曝露:ばくろ)が多いほど、またその期間が長いほど発症の危険性が高くなります。女性より男性に多くみられます。女性の患者さんの中にはアスベストとの関連が明確でない場合もあります。アスベストを吸ってから中皮腫が発生するまでの期間はとても長く、25年から50年程度(平均で40年ほど)経ってから発生するとされています。
詳細に調べれば、中皮腫患者のほとんどは過去にアスベストに曝露した経験がありますが、特に女性では、アスベストに曝露したことがあるかどうか不明な場合もあります。
また、喫煙によってアスベストによる肺がんリスクは強められますが、中皮腫のリスクが強められることはないものと考えられています。
【中皮腫とアスベストの関係について、さらに詳しく】
中皮腫は50~70歳代で発生することが多く、男性の発生率は女性の約4倍とされていますが、日本では女性の比率がこれより高い傾向にあります。
欧米諸国の罹患(りかん)の年次推移を見ると、イギリスでは1970年ころから増加傾向が続いていますが、アメリカ、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドでは、90年代をピークに減少傾向に転じています。
日本における罹患数は、1980年代前半には年間100人程度でしたが、1995年に500人に増え、2004年には953人に急増しています。日本のアスベスト輸入量のピークは70年代半ばであり、潜伏期間が平均40年とされていることを考慮すると、今後、日本の中皮腫の罹患および死亡はさらに増加することが予想されます。
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【アスベストについて】
アスベストとは、石綿といわれる繊維状の天然の鉱物です。軽く綿状の性質であることからさまざまな形に加工しやすく、また熱に強いなどの利点があったために、建築資材、工業製品などの多くの分野で使用されました。アスベスト繊維は飛散しやすく、目に見えない繊維がかなり遠くまで飛散していくことが、健康被害の拡大する要因です。アスベストが起こす健康障害には石綿肺、肺がん、中皮腫などがあります。中皮腫がどのくらいのアスベストを吸って発症するかは明らかではありません。胸膜プラークと呼ばれ、指先にできるタコのように胸膜が部分的に硬くなるものが胸部X線写真で認められるとアスベストを吸った証拠になります。
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