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陰茎がん(いんけいがん)

更新日:1996年09月20日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2006年10月01日
更新履歴
2006年10月01日 更新しました。
1996年09月20日 掲載しました。

1.陰茎がんとは

陰茎がんは、陰茎に発生する極めてまれながんで、人口10万人当たりの死亡率は0.1程度です。年齢別にみた罹患(りかん)率は、60歳から80歳で高く、65歳から70歳にピークがあります。罹患率の国際比較では、日本は欧米に比べて低い傾向があります。

陰茎がんは、新生児期に包皮切除を行う習慣のある地域では発生率が低いことから、包茎、亀頭包皮炎、生殖器の不衛生がリスク要因ではないかと考えられています。梅毒や尖圭コンジロームなどの性感染症や、性的パートナーが多いこと、また、陰茎がんの男性を夫に持つ女性では子宮頸がんのリスクが高くなることから、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)感染もリスク要因の候補に挙げられています。その他、光化学療法PUVA(ソラレン8-methoxypsoralen+UV-A)を受けている乾癬(かんせん)患者でリスクの上昇が報告されていて、紫外線もリスク要因となる可能性が指摘されています。

2.症状

陰茎がんは、痛みを伴わないのが普通です。がんはまず陰茎の皮膚から発生しますが、進行すると海綿体や尿道にも浸潤(しんじゅん:がんが周囲に広がること)し、排尿が困難になることがあります。がんが大きくなると潰瘍(かいよう)を形成したり、がんが崩れて出血することがあります。また、陰茎がんは鼠径部(そけいぶ)と呼ばれる大腿のつけ根の部分のリンパ節に転移しやすいので、進行すると鼠径部のリンパ節をかたく触れるようになります。これがさらに大きくなると、リンパの流れが悪くなって、足のむくみが出現することがあります。がんの発生場所のため、医師の診察を受けるのが遅れ、がんの早期発見の機会を逃して手遅れとなることが多いので、自覚症状があったらすぐに診察を受けることが大切です。

3.診断

肉眼的に見て診断がつく場合がほとんどです。しかし、確定診断のためには、局部麻酔をして病変部の一部を切除して顕微鏡で検査する(生検)か、病変部をこすってはがれた細胞を顕微鏡で調べる検査(細胞診)が必要です。陰茎によくみられる他の疾患、特に尖圭(せんけい)コンジローマという病気がありますが、これが大きくなると陰茎がんとの鑑別がやや難しくなるので、これらの検査が必要です。

その他に最も転移しやすい鼠径部のリンパ節の触診も重要です。

がんであることがわかったら他のがんと同様、胸部X線撮影、腹部のCT、エコーなどで他臓器に転移がないかを確かめる必要があります。

4.病期(ステージ)

陰茎がんは以下の病期に分類されています。

I期

がんが亀頭部のみ、あるいは陰茎の皮膚のみに限局している。

II期

がんが亀頭部を越えて広がっているが、転移がない。

III期

鼠径部のリンパ節に転移がある。

IV期

鼠径部を越えて骨盤内のリンパ節に転移がある、あるいは他の臓器に転移がある。

5.治療

陰茎がんの治療の主体は外科療法あるいは、放射線治療です。

1)外科療法

手術の適応があるのは、I、II、III期です。手術は全身麻酔をして病変部の切断と、鼠径部のリンパ節を摘除する操作(リンパ節郭清:りんぱせつかくせい)を同時に行います。場合によっては、さらに骨盤部のリンパ節も摘除することがあります。病変部から最低2cmは離して切断するため、当然陰茎は短くなります。陰茎を根本から切断し、尿の出口を会陰部にもってくることもあります。術後は鼠径部のリンパ節郭清の影響で、足がむくみやすくなる傾向があります。手術後は陰茎が小さくなり排尿が難しくなることがあります。また、そのままでは性交も難しいので、形成外科的な手法で人工的な陰茎を形成する手術を行うこともあります。

2)放射線治療

放射線治療の対象になるのは、比較的初期のがんに限られます。陰茎のかたちをある程度保てることが利点ではありますが、治癒する確率は手術に比べると落ちます。ただし、I期では手術と比較し、成績はほとんどかわりません。治療後に陰茎の変形や、尿道の狭窄(きょうさく)をきたすことがあります。転移があると疼痛などの症状があらわれるため、その対策として放射線治療が選択されることがあります。

放射線治療については「放射線治療」もご参照ください。

3)化学療法

転移が認められるような陰茎がんは、抗がん剤治療の対象になります。シスプラチン、メソトレキセート、ブレオマイシンの併用療法がよく用いられます。また、II期、III期において、手術の前後に化学療法を併用し、手術成績の向上をはかる試みもされています。

6.生存率

生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。
ここにお示しする生存率は、これまでの国立がんセンターのホームページに掲載されていたものです。生存率の値そのものでなく、ある一定の幅(データによって異なりますが±5%とか10%等)をもたせて、大まかな目安としてお考えください。
がんが限局性である場合(I、II期)の5年生存率は90%、III期では30%です。IV期では、予後は大変厳しいといわざるを得ません。ただし、これらの数値はたくさんの患者さんの平均的な統計学的な数値であり、あくまでその傾向を示すもので、個々の患者さんにあてはまるものではありません。
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