前立腺がん 治療の選択:[がん情報サービス]
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前立腺がん(ぜんりつせんがん)

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更新日:2016年02月12日 [ 更新履歴 ]    掲載日:1996年10月16日
更新履歴
2016年02月12日 「2.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2014年11月18日 「1.臨床病期による治療選択」を更新しました。
2014年10月03日 「2.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2013年11月08日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月06日 内容を更新しました。

1.臨床病期による治療選択

前立腺がんの治療法には、手術(外科治療)、放射線治療用語集アイコン内分泌療法(ホルモン療法)用語集アイコン、さらには特別な治療を実施せず、経過観察するPSA監視療法(待機療法)があります。前立腺がんの治療を考える上で大切なポイントは、診断時のPSA値と腫瘍用語集アイコンの悪性度(グリーソンスコア)、病期診断に基づくリスク分類(表2 NCCNリスク分類:National Comprehensive Cancer Networkによるリスク分類)、患者さんの年齢と期待余命(これから先、平均的にどのくらい生きることができるかという見通し)、最終的には患者さんの病気に対する考え方などによります。
【グリーソンスコアについて、さらに詳しく】
顕微鏡検査で前立腺がんと診断された場合、前立腺がんは腫瘍の悪性度をグリーソンスコアとよばれる病理学上の分類を使用して表現します。グリーソンスコアを求めるには、まず、がん細胞の悪性度を5段階で評価します。「1」が最もおとなしいがんで、「5」が最も悪いがんを意味します。前立腺がんの多くは、悪性度の異なる細胞を複数もっているため、最も多い悪性度の細胞の値(「1」~「5」)と次に多い悪性度の細胞の値(「1」~「5」)を足してスコア化します。これがグリーソンスコアです。グリーソンスコアの解釈ではスコアが“6”以下は性質のおとなしいがん、“7”は前立腺がんの中で最も多いパターンで中くらいの悪性度、“8”~“10”は悪性度の高いがんとされています。この分類は治療法を考える上でとても大切です。
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表2 転移のない前立腺がんに対するNCCNリスク分類
超低リスク T1c、グリーソンスコアが6以下、PSA値が10ng/mL未満、前立腺生検の陽性コア数が3未満、全コアでのがんの占拠率が50%以下、PSA密度が0.15ng/mL/g未満
低リスク T1〜T2a、グリーソンスコアが6以下、PSA値が10ng/mL未満
中間リスク T2b〜T2cまたはグリーソンスコアが7またはPSA値が10〜20ng/mL
高リスク T3aまたはグリーソンスコアが8〜10またはPSA値が20ng/mLを超える
超高リスク T3b〜T4
NCCNガイドライン2012年第3版より作成
転移のない限局がんの低リスク群ではさまざまな治療法の選択が可能です。限局がんの中間リスク群では手術が主な治療法となります。高リスク群においては、放射線治療が主となりますが、放射線治療を行う場合には内分泌療法(ホルモン療法)を併用することで、放射線治療を単独で行うよりも再発率や遠隔転移発症率が低いとされることから、勧められることが多くなっています。中間リスク群および高リスク群においては各治療を組み合わせることも必要になります。超高リスク群では、放射線治療と内分泌療法(ホルモン療法)の併用が標準治療となっています。しかし症例によっては局所進行がんでも手術が選択肢の1つとなります。遠隔転移のあるがんについては内分泌療法(ホルモン療法)が標準治療です。

次に示すのは、リスク分類を考慮しながら、治療の選択を簡略化して示した図です。担当医と治療方針について話し合う参考にしてください。
図4 前立腺がんのリスク分類と治療
図4 前立腺がんのリスク分類と治療
図5 前立腺がんの病期と治療
図5 前立腺がんの病期と治療
日本泌尿器科学会編「前立腺癌診療ガイドライン 2012年版」(金原出版)より作成

2.治療成績

がんの治療成績を示す指標の1つとして、生存率用語集アイコンがあります。生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。使っているデータによって、こうしたほかの要素の分布(頻度)が異なるため、同じがんでも生存率の値が異なる可能性があります。

以下に、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が公表している院内がん登録用語集アイコンから算出された5年相対生存率用語集アイコンを示します。この値は、およそ10年前のがんの診断、治療に基づくものです。したがって、診断や治療の進歩により、現在は下記の数字より治療成績は向上していると考えられます。

生存率の値は平均的、かつ確率として推測されるものであるため、すべての患者さんに当てはまる値ではないことをご理解ください。
【前立腺がんの生存率について、さらに詳しく】
このデータは、2005年から2007年の間に、前立腺がんの診断や治療を受けた患者さんが対象となっています。治療については、外科治療だけではなく、放射線治療、内分泌療法、化学療法、その他の何らかの治療を受けた患者さんが対象となっています。そのため、各施設で公表している、外科治療だけを受けた患者さんを対象とした生存率と、異なる場合があります。

臨床病期用語集アイコンについては「前立腺がん 検査・診断-2.病期(ステージ)」をご参照ください。
表3 前立腺がんの病期別生存率
病期 症例数(件) 5年相対生存率(%)
I 203 100
II 4,803 100
III 940 100
IV 935 62.8
全症例 6,972 100
外部サイトへのリンク全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査 KapWeb(2016年2月集計)による

なお、こちらの表の臨床病期はUICC(Union Internationale Contrele Cancer:国際対がん連合)用語集アイコンTNM分類用語集アイコンを用いています。
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3.自分に合った治療法を考える

治療の方針が決まると、手術(外科治療)や放射線治療、内分泌療法(ホルモン療法)など、具体的な治療の方法と予定について担当医から説明があります。治療の流れや治療後の状態についてあらかじめ思い描いておくことで、より積極的に、社会復帰に向けたリハビリテーション(リハビリ)ができたり、療養生活を過ごすことができるようになったりという効果もあります。

治療方法は、すべて担当医に任せたいという患者さんがいます。一方、自分の希望を伝えた上で一緒に治療方法を選びたいという患者さんも増えています。どちらが正しいというわけではなく、患者さん自身が納得できる方法が一番です。

まずは、詳しい病状を把握しましょう。あなたの体を一番よく知っているのは担当医です。わからないことは、何でも質問してみましょう。診断を聞くときには、病期あるいはリスク分類を確認しましょう。治療法は、病期用語集アイコンによって異なります。医療者とうまくコミュニケーションをとりながら、自分に合った治療法であることを確認してください。

診断や治療法を十分に納得した上で、治療を始めましょう。最初にかかった担当医に何でも相談でき、治療方針に納得できればいうことはありません。

担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン用語集アイコン)を聞くこともできます。そのときは、担当医に話してみましょう。多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料をつくってくれるはずです。

こちらの「セカンドオピニオンを求めるとき」もご参照ください。
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