HOME > それぞれのがんの解説 > 有棘細胞がん 治療

有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)

更新日:2016年12月20日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2016年12月20日 タブ形式への移行と、「皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年)」「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版(2015年)」より、内容の更新をしました。
2007年09月03日 更新しました。
1996年09月13日 掲載しました。

1.手術(外科治療)

1)手術について

有棘細胞がんの治療では、可能な場合にはまず手術が選択されます。腫瘍そのものだけを切除しても、再発転移を起こす可能性があるので、腫瘍の周りの正常に見えるところを含めて、幅も深さも余裕をもって切除する必要があります。手術によって皮膚の欠損が大きくなった場合には、植皮術をはじめ、形成外科的な方法で修復を行います。

2)手術(外科治療)に伴う主な合併症と対策

I期、II期で行われる手術は体の表面に近い部分の切除ですので、通常は術後大きな機能障害は起こりません。手術によってできた傷跡そのものや、腫瘍を切除したために起こる変形などの美容的な面も形成外科的な技術の進歩によって、かなりきれいに治るようになってきました。
手足の指や、上肢(じょうし)、下肢(かし)の切断手術を受けた場合は、術後の機能訓練が必要です。上肢、下肢の場合は、切除してなくなったはずの部分に痛みを感じること(幻肢痛)がありますが、時間とともに薄らいでいきます。また、わきの下や太もものつけ根のリンパ節郭清を受けた場合は、手足がむくんだり、しびれたりすることがあります。首のリンパ節郭清を受けた場合には、肩の張りやこりが続いたり、一時的に顔面神経が麻痺(まひ)することがあります。これらは多くの場合、時間とともに軽くなり、回復していきます。

上肢、下肢の切断手術後の機能訓練などについては、「上肢切断・離断後のリハビリテーション」「下肢切断・離断後のリハビリテーション」もご参照ください。

2.凍結療法

液体窒素(-196℃)を使って、がん組織内の温度が-20~-50℃になるように冷やし、がん細胞を凍結壊死(とうけつえし)させる方法です。浸潤(しんじゅん)の浅いがんはこの方法で治療が可能です。凍結療法は治療時や治療後の体への影響の少ない方法なので、高齢の方や持病のために体の具合の悪い方にも適した治療法です。

3.放射線治療

1)放射線治療について

有棘細胞がんは皮膚がんの中でも放射線治療がよく効くものの1つです。
発症部位や内科的理由から、手術ができなかった有棘細胞がんに対しても、治癒を目指して放射線で治療を行うことがあります。
また、手術を行った場合でも、再発の可能性が高いと考えられる場合には、術後に放射線治療を行うことがあります。
放射線治療にはいくつかの方法がありますが、この場合、X線や電子線を専用の機械を使って体の外側から照射する方法が一般的です。通常1回の照射は短時間で終わるため、放射線治療は通院しながら受けることも可能です。
また、がんが進んだ場合にも、痛みなどの症状を緩和し、生活の質を保つために放射線治療が行われることがあります。

2)放射線治療の副作用

放射線を照射する部位によって副作用は異なります。一般に、放射線を照射した部位の皮膚が一種のやけどの状態になりますので、皮膚の発赤、水疱、びらん、潰瘍、かゆみ、色素沈着や関節の拘縮(こうしゅく:関節が動きにくくなること)、手足のむくみなどが起こることがあります。

4.薬物療法(化学療法)

1)薬物療法について

手術や放射線治療は局所療法といって、体の一部分を狙って悪いところを治そうという治療ですが、ある程度がんが進行している場合には、全身療法である細胞障害性抗がん剤(以下、抗がん剤)が治療の中心となります。また、有棘細胞がんは頭、顔、首など人目につく部位にできることが多いので、切除する部分が少なくてすむように、手術前に抗がん剤でがんをできるだけ小さくしておく治療を行う場合もあります。
また、がんが進んだ場合に、痛みなどの症状を緩和し、生活の質を保つために化学療法が行われることがあります。

有棘細胞がんで用いられる抗がん剤の代表的な例として、以下があげられます。
・CA療法:シスプラチン(もしくは、カルボプラチン)+ドキソルビシン(もしくは、エピルビシン)
・FP療法:フルオロウラシル+シスプラチン
・塩酸イリノテカン
・PM療法:ペプロマイシン+マイトマイシン
・PEP療法:ペプロマイシン

2)薬物療法の副作用

主な副作用は下痢、食欲不振、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、全身倦怠(けんたい)感、脱毛、呼吸機能障害、肝機能障害、腎機能障害、骨髄抑制などがあり多彩です。いずれも抗がん剤によって起こる一時的なものですが、回復が遅れた場合には、それぞれの副作用を軽くするような治療を行います。

5.集学的治療

ある程度進行した有棘細胞がんは、上の1~4のうちから1つを選んで治療を行うのではなく、これらのすべてをうまく組み合わせてもっとも効果があがるような治療を行います。これを集学的治療と言います。
【参考文献】
  1. 日本皮膚悪性腫瘍学会編:皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年8月);金原出版
  2. 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版,日本皮膚科学会誌,2015;125(1):35-48
  3. 日本皮膚科学会/日本皮膚悪性腫瘍学会編:科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版(2015年);(金原出版)
閉じる

【がんになったら手にとるガイド】
自分らしい向き合い方を考える
がんのことで知っておくこと

がんの治療方法
治療を受けるとき注意したいこと
くすりの使い方と注意点
がんの治療に使われる主な薬 有棘細胞がん
臨床試験について
がんの臨床試験を探す 皮膚
さまざまな症状への対応
緩和ケア
がんの療養と緩和ケア
がんの相談窓口「がん相談支援センター」
がん診療連携拠点病院を探す がんの種類から探す 皮膚のがん
お探しの情報が見つからないときは…
がん情報サービスサポートセンター
がん相談支援センターを探す
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
アンケートページへ
用語集
このページの先頭へ