HOME > それぞれのがんの解説 > 有棘細胞がん 治療の選択

有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)

更新日:2016年12月20日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2016年12月20日 タブ形式への移行と、「皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年)」「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版(2015年)」より、内容の更新をしました。
2007年09月03日 更新しました。
1996年09月13日 掲載しました。

1.臨床病期による治療

有棘細胞がんは、病期に基づいて治療法が決まります。次に示すものは、有棘細胞がんの病期と治療方法の関係を大まかに示した図です。
図3 有棘細胞がんの臨床病期と治療
図3 有棘細胞がんの臨床病期と治療
日本皮膚悪性腫瘍学会編「科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第1版」(金原出版)より作成

2.病期(ステージ)別治療

治療は主に病期により決定されます。同じ病期でも、病気の進行具合や全身状態によって、治療が異なる場合があります。

また、有棘細胞がんの再発リスクは、部位や大きさ、その他の臨床所見から、低リスク群と高リスク群に分類されます。手術の際には、リスクに応じて切除範囲が考慮されます。

0期
腫瘍の辺縁から5mm離して、深部は腫瘍が露出しない程度に皮下脂肪組織を含めて切除します。凍結療法や放射線治療など、手術以外の治療法を選択できる場合もあります。

I期
腫瘍の辺縁から6mm(低リスクの場合には4mm)以上離し、表皮、真皮、皮下脂肪組織を腫瘍とともに切除します。

II期
腫瘍の辺縁から6mm(低リスクの場合には4mm)以上離し、表皮、真皮、皮下脂肪組織を腫瘍とともに切除します。一般に腫瘍が大きくなると、浸潤(しんじゅん)の深いものもあり、この場合には、皮下脂肪組織と筋肉の境界部にある筋膜という薄い膜も切除します。化学療法や放射線治療を併用することがあります。

III期
腫瘍の辺縁から6mm(低リスクの場合には4mm)以上離して切除します。腫瘍は皮膚を越えて浸潤していますので、筋肉を含めて切除したり、骨を削ったり、ときには患肢(かんし)の切断術が必要になります。また、リンパ節転移がある場合は、所属リンパ節郭清と呼ばれる手術方法によって、リンパ節を切除します。III期もII期と同様に化学療法や放射線治療を併用することがあります。

IV期
薬物療法や放射線治療が中心となり、これに手術も組み合わせる集学的治療を行います。

3.治療成績

がんの治療成績を示す指標の1つとして、生存率があります。

生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。

データは平均的、かつ確率として推測されるものであるため、すべての患者さんに当てはまる値ではないことをご理解ください。
【有棘細胞がんの生存率について、さらに詳しく】
ここに示しているのは、1987年より1994年 まで厚生労働省の研究班で調査を行って得られた累積生存率です。少し古いデータですが、大まかな目安としてご覧ください。
表2 有棘細胞がんの累積生存率
病期 期間 累積生存率
I期 80カ月 92.0%
II期 80カ月 82.5%
IIIA期 80カ月 59.3%
IIIB期※※ 80カ月 48.0%
IV期 50カ月 10.0%
病期分類は、旧UICC分類による
※原発部のがんが深部組織に浸潤しているが、転移がない
※※リンパ節に転移がある
出典:石原和之,皮膚悪性腫瘍の統計 過去:Skin Cancer,2007;22巻3号:209-216
閉じる

4.自分に合った治療法を考える

治療方法は、すべて担当医に任せたいという患者さんがいます。一方、自分の希望を伝えた上で一緒に治療方法を選びたいという患者さんも増えています。どちらが正しいというわけではありません。自分の生活や人生において何を大切にするのか、自分で考えることが大切です。

まずは、病状を詳しく把握しましょう。わからないことは、まず担当医に質問してみましょう。診断を聞くときには、病期(ステージ)を確認しましょう。治療法は、病期によって異なります。医療者とうまくコミュニケーションをとりながら、自分に合った治療法であることを確認してください。

担当医と話すときの助けとして「わたしの療養手帳 自分に合った治療法は?患者必携サイトへのリンクもご参照ください。「患者必携 わたしの療養手帳」はさまざまな場合で必要なことを書きとめることができる手帳になっています。印刷もできますので、自分で記入してみて、わからないことや聞いてみたいことを整理してみましょう。

診断や治療法を十分に納得した上で、治療を始めましょう。最初にかかった担当医に何でも相談でき、治療方針に納得できれば言うことはありません。

担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞くこともできます。セカンドオピニオンを聞きたいときは、担当医に話してみましょう。多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料を作ってくれるはずです。

セカンドオピニオンについては「セカンドオピニオンを求めるとき」もご参照ください。

担当医以外でも、看護師などの医療スタッフやがん相談支援センターのスタッフに相談することができます。あなたの抱えている問題点を整理し、一緒に考えてくれます。

がん相談支援センターについては「がんの相談窓口『がん相談支援センター』」もご参照ください。
【参考文献】

  1. 日本皮膚悪性腫瘍学会編:皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年8月);金原出版

  2. 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版,日本皮膚科学会誌,2015;125(1):35-48

  3. 日本皮膚科学会/日本皮膚悪性腫瘍学会編:科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版(2015年);(金原出版)

閉じる

【がんになったら手にとるガイド】
自分らしい向き合い方とは
がんのことで知っておくこと

臨床試験について
がんの臨床試験を探す 皮膚
よりよいコミュニケーションのために
セカンドオピニオンを求めるとき
緩和ケア
がんの相談窓口「がん相談支援センター」
各種がんのエビデンスデータベース 皮膚がん(医療関係者の方へ)
がん診療連携拠点病院を探す がんの種類から探す 皮膚のがん
お探しの情報が見つからないときは…
がん情報サービスサポートセンター
がん相談支援センターを探す
アンケートにご協力ください
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
簡単な7問ほどのアンケートですので、ぜひ、ご協力ください。
アンケートページへ
用語集
このページの先頭へ