下痢や便秘にはさまざまな原因がありますが、ここでは広汎子宮全摘出術後におこる排便障害について説明します。
広汎子宮全摘出術の手術後に排便障害がおこるのは、手術操作で排便機能を支配する神経を傷つけるためで、直腸まで便がおりてきているにもかかわらず、便をしたいという気持ち(便意)がおきなかったり、便を排泄することができなくなったりすることがあります。
便秘を放っておくと、食欲不振、吐き気、腹痛、腹満感などの消化器症状があらわれたり、重度の場合は腸閉塞になったりすることがあります。また、下痢を放っておくと水分が体外に出ていくため、脱水症状をおこしてしまうことがあります。
日常生活の工夫で便秘を予防する方法について紹介します。
特に、毎日同じ時間に余裕を持ってトイレに座る排便習慣をつけましょう。
身体を動かすと腸の動きも活発になります。毎日の生活の中に軽い体操や散歩を取り入れましょう。また、入浴や腹部のマッサージも腸の動きを活発にしますのであわせて行ってみましょう。
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日常生活を工夫しても、便秘になる場合には下剤の服用が必要です。下剤には次のようなものがあります。
これらの薬を状態に合わせて選んだり組み合わせたりして服用します。便の量やかたさによって薬を選んでみましょう。
肛門近くまで便がおりてきているのに排泄ができない場合は、以下の方法を試してみましょう。
広汎子宮全摘出術の手術後に後遺症として下痢はほとんどおこりません。ただし、服用した下剤の量が多過ぎた場合に下痢をすることがあります。下痢になった場合は以下のことに注意してみましょう。
腎臓でつくられた尿は、いったん膀胱にためられ(蓄尿)、いっぱいになったら体外に排出(排尿)されます。この蓄尿と排尿のサイクルは基本的生理現象のひとつで、何らかの障害があると尿の回数が多くなる、尿漏れ、尿が出にくい、尿が全く出ないなどのさまざまな症状が出現します。排尿障害とは、これらの症状を総称したものです。
婦人科では広汎性子宮全摘術を行った後などに排尿障害がおこります。この手術では排尿機能を支配する神経を傷つけてしまうため、手術後に尿意がない、尿が出にくいなどの排尿障害をおこすことがあります。
健康な状態では尿意を感じ排尿しますが、排尿したい気持ちがおこらないため、膀胱に多量の尿がたまったままの状態になります。
膀胱に尿がたまり過ぎて膀胱の中の圧が高まるために、背中や腰が痛くなることがあります。また、膀胱に尿がたまり過ぎると腎臓へ逆流するようになり、それを繰り返すと腎臓の働きが悪くなります。尿がたまったままの状態を放置すると、細菌が繁殖しやすくなり膀胱炎や腎盂炎になることがあります。また、腎盂炎を繰り返しおこすと腎機能低下につながるので注意が必要です。
不快感があることはもちろんですが、尿の刺激によって陰部がただれたり、清潔さを保ちにくいため、細菌の繁殖による炎症をおこしたりします。
婦人科生殖器がんや直腸がんの根治術で骨盤神経の温存に注意が払われるようになり、適切な膀胱訓練が行われれば大半は自然排尿が可能になります。術後状態が回復してきたら留置カテーテルを抜去し自然排尿を試みて排尿状態を評価します。この際、腹圧・用手排尿する場合はVUR(膀胱尿管逆流)を引きおこす可能性があるので、長時間いきまないように注意します。
以前は、膀胱留置カテーテルを抜去する際に、一時的にカテーテルをクランプ(閉鎖)して「尿意」を確認することを「膀胱訓練」として行ってきました。しかし、最近では、クランプすることで上行感染の危険があるため、むしろ有害と考えられ行われていません。
カテーテルをクランプしないで行う排尿状態評価は以下のように行います 。
膀胱とは、蓄尿と排尿という2つの働きを持っています。蓄尿時には膀胱は弛緩し、排尿時には収縮します。膀胱訓練とはこの弛緩と収縮を人工的に膀胱に経験させる方法です。これを繰り返し経験させ従来の機能を取り戻すのに適しているのが、間欠導尿法です。これは、カテーテルをクランプするよりも感染の危険性も少なくなります。
導尿は、完全尿閉時(自分で排尿できない時)には4時間ごとに行います。この場合は尿意にかかわらず、4時間ごとに確実に導尿し、定期的に膀胱を収縮させることが重要です(1回量が300〜400ml以上にならないよう調節必要)。
自然排尿が可能なら、自然排尿後に導尿を行い残尿量に応じて導尿回数を減らしていきます。排尿率が80%を超えたら訓練を終了します。
男性の導尿法については「大腸がん手術後の排便・排尿障害のリハビリテーション」の項を参照して下さい。
<準備するもの>
カテーテル(12Fネラトンカテーテル)、潤滑ゼリー(必要時)、コップまたは尿器、鏡です。
<方法>
尿路感染予防で大切なことは、膀胱の過伸展による感染を防ぐことです。カテーテルの消毒の有無、尿道口の消毒の有無、手洗いの有無は感染の要因とはならないことが、学会発表などで証明されています。よって、膀胱が過伸展をおこさない時間間隔で導尿することが感染対策として重要です。
水分のとり方や排尿感覚を調整したり、肛門を引き締めたり緩めたりする運動を行うと尿漏れを少なくする効果があります。尿漏れの対策は量によってパッドなどを使用します。
一日の排尿量が1,000ml以上になるよう水分を十分にとるようにしましょう。