切断とは、足が骨の部分で切り離された状態をいいます。一方、関節の部分で切り離された状態を離断といいます。切断・離断は、主に皮膚科・整形外科領域の病気の場合に行われます。腫瘍が広範囲におよび、足に栄養を運ぶ血管を安全に残すことができない場合や、腫瘍の部分だけを手術しても再発の可能性が高い場合に行われます。
切断・離断術後には、幻肢や幻肢痛がおこることがあります。幻肢とは、手術でなくなっているはずの足が残っているような感覚です。この幻の足にしびれや痛みを感じる場合を幻肢痛といいます。幻肢や幻肢痛は手術後におこる正常の反応です。薬を必要とする場合もありますが、多くは訓練を進めるうちに消失します。
切断・離断後も残された機能を十分に生かすとともに、切断・離断された足の機能や形態を補うための人工の足(義足)を用いて日常生活ができるようになります。
義足の種類はおおむね切断の部位によって決まります。義足の装着と、場合によっては杖などの歩行補助具の使用によって日常生活に必要な歩行が可能になります。
主な義足を紹介しましょう。
大腿切断に用いられる義足です。正常な膝関節を失う大腿切断では、歩行時の膝のコントロールが大切になります。この義足は遊動膝を用いて安定した歩行ができます。
股関節離断や半側骨盤切断に用いられる義足です。この義足は健康な側の骨盤も包み込んでおり、義足の懸垂作用があること、また股継手・股バンパーによる股関節の伸展コントロール作用により安定した姿勢が保持できます。
下腿切断に用いられる義足です。この義足は、膝を取り巻くカフ・ベルトにより膝関節の機能を生かし、ソケットが切断端と全面接着し、切断・離断端の動きが効率よく伝えられます。
手術を行った直後から義足を装着して実際の生活に適応するまでに、段階的なリハビリテーションが必要になります。では、具体的なリハビリテーションを紹介しましょう。
この段階は、義足装着訓練をスムーズに行うために、切断・離断端のむくみと筋肉などがこわばって関節が固まっておこる関節の拘縮(こうしゅく)を予防することが大切です。むくみを予防し、切断・離断部位をかたちよく整えるために切断・離断端に弾力包帯を巻き、血液循環をよくします。さらに切断・離断した足をよい姿勢に保つことが大切です。
手術後数日目から関節の正常な動きを保つための関節可動域訓練や切断・離断端の強化訓練を行います。
最初は、関節を動かさず筋肉を動かす運動をはじめます。まず自分でできる運動、例えば布団の中で全身の伸びをするのもいいでしょう。
傷の抜糸が終わったら次の段階の運動です。例えば、下肢切断の場合の関節可動域訓練として次のような運動があります。
まず仮義足を用いての義足装着訓練、歩行訓練が行われます。歩行訓練は、理学療法士の指導のもとで次のような訓練を行います。
義足装着時は次の点に注意しましょう。
切断・離断には、身体的な機能障害の他に心理的な問題が生じます。足の一部を失うことは、自分の身体に対するイメ−ジを損ない、心理的な混乱をもたらすことがあります。しかし、この混乱は事実を受け入れる段階として必要なことです。
担当医や看護師は、手術前から心理面の変化に対しても対応し、受け入れていく過程の支援をします。また理学療法士やソ−シャルワ−カ−も相談に乗ります。同じような手術を受けた人に会って話を聞くこともできます。
患者さんだけでは解決が難しい問題もご家族をはじめ多くの人々の支えがあれば、乗り越えることができるでしょう。失うことばかりを考えるのではなく、義足を用いてたくさんのことができるようになるという前向きの姿勢が大切です。
この法律は身体障害者の生活の安定のためにあります。該当者には身体障害者手帳が交付され、障害の種類とその等級によっていろいろなサービスが受けられます。
身体障害者福祉司やケースワーカーが、身体障害者手帳の交付、施設への入所、装具の給付、身体障害者住宅などの相談、指導を行っています。
健康保険の継続療養や傷病手当金の給付など障害者年金の手続きを行っています。
職業紹介、職業指導、雇用保険などの窓口や身体障害者の専用窓口が設けられています。
義肢装具の製作から義肢装着訓練、日常生活や職業訓練などが受けられますが、施設によって異なりますので相談内容を問い合わせて下さい。