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皮膚の解剖生理と基本的スキンケア

更新日:2006年10月01日     掲載日:2006年10月01日

1.皮膚の解剖生理

皮膚は表皮・真皮・皮下組織・及び皮膚付属器(爪、毛、汗腺、皮脂腺)の4つで構成されています。
皮膚の構造
皮膚の構造

1)表皮

厚さは0.06mm〜0.2mmで基底層、有棘層、顆粒層、角質層、(透明層:足底、手)で構成されています。表皮のその他の細胞成分として、色素細胞、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞があります。

2)真皮

1〜4mmの厚さで毛細血管、神経や細胞成分に富んでいます。細胞成分には繊維芽球、組織球、肥満細胞があります。
表皮の間質成分はコラーゲン繊維、エラスチン繊維、基質で構成されています。

3)皮下組織

大部分が脂肪細胞で占められています。全身のエネルギー代謝に重要な働きをして体の保温の機能もあります。

4)皮膚付属器

  1. 毛・毛包・爪
    毛・毛包(もうほう)は口唇、手、足底、粘膜を除く全身に分布しています。毛包にはエクリン腺、脂腺が開口しています。アポクリン汗腺は腋の下、乳首、外陰部、肛門周囲の特定された部位に存在します。爪は表皮のケラチンと同じタンパクですが、表皮より硬いケラチンです。
  2. 皮脂腺
    毛孔(けあな)を経て皮脂を表皮に分布する腺です。
  3. 汗腺
    エクリン腺は交感神経の支配を受けます。(温熱発汗、神経性発汗、味覚性発汗)弱酸性で、細菌の繁殖を抑えます。 アポクリン汗腺は特定部位(腋の下、乳首、外陰部、肛門周囲)に分布しています。弱アルカリ性のために細菌感染を起こしやすく、それが臭気となったりもします。

2.皮膚の生理機能

1)角質層のバリア機能

皮脂膜が水分喪失防止をしています。また、保湿には天然保湿因子(NMF)、皮脂、角質細胞間脂質が重要です。

2)体温調節機能

環境温度の変化に合わせて調節されます。

寒冷時・・・ 立毛筋が収縮して、毛孔は閉じて熱の放散を防ぎます。血管は収縮して、皮膚温を下げて熱の放出を抑制します。
暑い時・・・ エクリン腺が活動し、汗を分泌して熱を放散させて体温の上昇を防ぎます。

3)静菌・緩衝作用

皮膚はpH4〜6の弱酸性で、皮脂膜では有毒物質の侵入を防ぎ、抗菌作用を発揮します。

4)免疫機構

皮膚に特異な免疫細胞はランゲルハンス細胞と表皮細胞で、アレルギー性接触皮膚炎では、抗原提示細胞として役割を果たします。

5)皮膚のその他の役割

  1. ボディイメージの形成
  2. スキンシップのコミュニケーション(皮膚刺激は自律神経系が正常に発達するために必要)
  3. 心理的影響をうけやすい

3.皮膚の清潔

皮膚には、身体からの分泌物(汗、皮脂、古くなった角質)や外部からの刺激(埃、ちり、花粉、化粧品、軟膏薬)があります。これらが、皮膚の新陳代謝のサイクルを妨げる原因にもなっています。皮膚を清潔に保つことは、皮膚を健康に保つ上でも重要です。

皮膚の汚れを除去するのは、"表皮に付着した汚れを落とす"ことで十分です。「あかこすり」のように角質層を積極的に落としてしまうと、皮膚のバリア機能が失われてしまいます。

4.洗浄剤について

洗浄剤の主成分は、界面活性剤(水になじみやすい親水基と、油になじみやすい親油基からなる)です。皮膚に付いた汚れを界面活性剤が取り囲み、汚れを落とします。洗浄剤は、皮膚に残らないように十分に流すことが大切です。洗浄剤使用後は、失われた皮脂成分を補うスキンケアが必要です。

アルカリ性の石鹸は、皮膚にとっては刺激になりますが、皮膚には保護作用のひとつとして、皮膚のPhをコントロールする機能が備わっているために、通常は使用しても問題にはなりません。しかし、ドライスキンや敏感肌、アトピー性皮膚炎のある場合は、皮膚と同じ弱酸性の低刺激石鹸の使用をお勧めします。

最近では、保湿効果を重視した、弱酸性洗浄料や皮膚保湿清浄クリームなども開発されています。

5.スキンケア方法

1)基本的スキンケア方法

1日1回、入浴かシャワー浴で身体を清潔にします。毛髪にはシャンプーを使用します。

《方法》

  1. 皮膚の汚れを温水で流します。
  2. タオル、スポンジに洗浄剤をつけて泡を十分に立てます
  3. 皮膚に余分な摩擦を与えないように、泡で洗うイメージで愛護的に洗います。
    (汚れた皮膚に泡を乗せるだけで汚れは包まれて浮き上がります)
  4. 洗浄剤が皮膚に残らないように十分に流します。
  5. 水分は、乾いたタオルで軽く押さえるように拭きます。タオルで擦ると摩擦が生じて、皮膚には刺激になります。
  6. 入浴後は、皮膚には必要に応じて水分補給、皮脂の補給を行います。

2)びらんや表皮剥離(はくり)がみられる皮膚のスキンケア

基本的には洗浄剤は使いません。生理的食塩水で洗浄するほうが、痛みが少ないです。生理的食塩水は、ぬるめの人肌に温めて使います。しかし、びらん・表皮剥離周囲に汚染がある場合は、石鹸洗浄を行います。皮膚の洗浄で常在菌を減少させることが、感染防止になるといわれています。

3)ドライスキンのスキンケア

ドライスキンの皮膚は、健康な角質層の働きが損なわれた状態であり、容易に、微生物やアレルギーの元となるアレルゲンが入りやすい状態と考えられます。愛護的ケアは必須で、皮脂、細胞間皮脂成分、天然保湿因子(NMF)の3つの成分を補うスキンケアが必要となります。現在はドライスキン用として、スキンケア用品が一般にも販売されています。
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