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かゆみ(皮膚掻痒(そうよう))

更新日:2006年10月01日     掲載日:2006年10月01日
掻痒(かゆみ)とは皮膚をかいたり、こすったりしたくなるような不快な皮膚の感覚をいいます。

1.かゆみの原因

皮膚の感覚には、圧感、痛感、温感、冷感、があります。これに、独立した皮膚感覚がかゆみです。かゆみを起こす刺激には1)物理的刺激、2)化学的刺激、3)心理的刺激などがあげられます。皮疹(ひしん)などに伴い、かゆみのある皮膚は簡単にキズがつきます。かくことで皮疹が悪化し、さらにかゆみが増し悪循環を起こします。

かゆみは、湿疹、皮膚炎、蕁麻疹(じんましん)、皮膚掻痒症、虫刺され、腎疾患(透析患者)、肝疾患(黄疸)、糖尿病、老齢、温熱寒冷刺激などさまざまな原因で生じます。また、低栄養や脱水などによる皮膚の乾燥、全身状態の悪化により、スキンケアが不十分になることからかゆみを生じることも多いです。原因を追究し、回避に努めることが重要ですが、原因不明の場合もあります。

ここでは、がんやがん治療に関連するかゆみの原因として、薬疹(やくしん)と肝疾患(黄疸)について説明します。

1)薬疹

抗がん剤に限らず、どんな薬剤にも起こります。薬物の副作用、体質(アレルギー)、肝臓などの臓器や、身体の状態により出現します。発疹(ほっしん)の性質は多様です。薬物使用後、早いもので薬剤投与開始後から数時間(72時間以内)に生じるもの、遅いものは3日くらいで出現します。場合よっては、1週間以上たってから出現するものもあります。

薬疹の型として、蕁麻疹型、紫斑(しはん)型、湿疹(しっしん)型、水疱(すいほう)型、多形紅班(こうはん)型、などがありますが、症状によっては重度の薬剤アレルギーも考えられます。

2)肝疾患(黄疸)

主に、肝臓の内部で肝細胞、肝内胆管などが障害されて起こる場合や、胆管の閉塞(へいそく)によって腸に胆汁(たんじゅう)が排泄(はいせつ)されない場合に眼球結膜、皮膚、その他に黄染(おうせん)として現れます。黄疸のあるときには、ビリルビンや胆汁酸などの物質が血液中や組織内に増加して、皮膚の末梢神経を刺激するため、かゆみが生じるといわれています。

3)その他

モルヒネによる副作用としてのかゆみがあります。経口投与ではまれで、主にくも膜下や硬膜外投与をうけた人に、かゆみが出ることがあります。

2.かゆみのケア方法

かゆみの原因に対する処置が基本となりますが、ここではかゆみを軽減するのに役立つ、一般的対処について説明します。

1)かかないように注意

皮膚は外界からの刺激や、異物をブロックするバリアの役割を果たしています。かくことにより、皮膚の神経の興奮が高まり、かゆみが増強します。さらにかくことにより、皮膚表面にキズがつき、バリア機能が失われてしまいます。そこから感染を起こすこともあります。炎症が起き、一層かゆみが増強します。そのため、かかずにたたくとよいでしょう。また、爪が伸びていたりとがっていると、かいたときにキズつけてしまうので、爪は短く切っておきましょう。夜中、睡眠中に無意識にかくおそれがある場合は、手袋や包帯などをして患部をかかないようにしましょう。

2)スキンケア

スキンケアとは、皮膚が本来もつ機能を十分発揮できるよう、皮膚を清潔に保つことや、皮膚の機能を損なわないためのケアです。方法として、皮膚の清潔と皮膚の保護があります。
  1. 皮膚の清潔
    皮膚を清潔に保つためには、皮膚の表面についた汚れをきちんと洗い流すことが大切です。弱酸性の洗浄料を使用し、十分に泡立て、ごしごしこすらず、なでるようにやさしく洗いましょう。体に洗浄料の成分が残らないように、十分にすすいでください。また、皮膚に刺激を与えるような、ナイロンや麻のタオルは使用を控えましょう。
    1日1回の入浴、またはシャワー浴をしましょう。体温が急上昇すると毛細血管が拡張し、かゆみを誘発するのでぬるめのお湯がよいでしょう。
  2. 皮膚の保護
    皮膚の清潔も大切ですが、その一方で、皮膚にうるおいを与えている皮脂成分なども洗い流されてしまいます。これにより乾燥した肌になりやすくなるため、乾燥を防いでうるおいを保つことが大切です。入浴後に身体を十分に拭いた後、刺激の少ない保湿剤を使用するとよいでしょう。体全体にやさしく伸ばすように塗ります。すりこむようにこすって塗るのは避けましょう。

3)衣服の調整

衣類の刺激によりかゆみが誘発されます。ウールや化学繊維(レーヨン、ナイロン、ポリエステル)などの素材は避けましょう。シーツやベットカバーも同様です。木綿、ガーゼ、タオル、ネルなど、柔らかい素材のものを着用するようにしましょう。糊(のり)のきいたものも刺激になり、かゆみを誘発するので、避けたほうがよいでしょう。
衣類の洗濯はきちんとし、洗剤が残らないようにしっかりとすすぎましょう。

4)環境の調整

かゆみは、暑さや寒さ、発汗、乾燥などで強くなります。
急激な温度変化を避け、冷暖房による乾燥に注意しましょう。また、電気毛布や赤外線コタツも、長時間の使用はなるべく避けましょう。快適と感じる温度は24〜26度、湿度は40〜60%です。
温めるとかゆくなるため、冷やすことも効果的です。不眠時には、氷枕や氷嚢(ひょうのう)を使用するのもよいでしょう。ストレスがかゆみをもたらすこともわかっています。心身ともにゆとりある生活を心がけましょう。

5)食事の調整

身体が温まるとかゆみが出やすくなります。酒、コーヒー、香辛料は毛細血管を拡張させ、かゆみが強くなることがあるので注意しましょう。

6)薬物療法

皮膚の状態にあったぬり薬やのみ薬があります。ぬり薬には、皮膚の炎症を抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬、非ステロイド系外用薬があり、皮膚の乾燥を防ぎ、うるおいを補う保湿剤があります。のみ薬には、かゆみを少なくすることを目的として、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があります。症状により違いますので、医師に必ず相談してください。薬を使用した後にかゆみや発疹が生じた場合には、使用を中止して、医師に相談してください。その際、いつごろから、どのような発疹がでているのか、範囲は広がっているのかなどわかると、状況判断のために役立ちます。また、医師から処方された薬は、自己判断で勝手に中断すると症状が悪化することもあります。必ず用法、用量を守りましょう。

7)その他

(1)〜(6)のことが自分でコントロールできない場合には、家族に相談し協力をえましょう。また、かゆみに伴なう不眠、イライラ、食欲低下などがあります。このような症状がある場合には、医師に相談しましょう。
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