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臨床試験に参加したいとき

更新日:2014年12月05日 [ 更新履歴 ]    掲載日:2006年10月01日
更新履歴
2014年12月05日 「臨床試験(治験)に参加したいとき」を再編集しました。
2014年08月26日 拠点病院の臨床試験を追加しました。
2006年10月01日 掲載しました。

1.臨床試験に参加することによって生じる有利な点と不利な点

臨床試験は、これまでの治療法よりもよい治療法を確立することを目指して実施されます。新しい治療法の効果が高いこともありますが、よいと思われていた新しい治療法が、実際にはそれほどききめが高くないというケースや、副作用等が強いことがわかるというケースもあります。つまり、臨床試験に参加することが患者さんにとって有利になる場合もありますが、不利になる場合もあるということです。このようなことが起きるのは、臨床試験の段階では新しい治療法の有効性や安全性がわからないためです。

そのために、新しい治療法を確立していく過程で、多くの患者さんのご協力を得て臨床試験を実施する必要があるのです。臨床試験を実施せずに、実際に有効なのか安全性がどのくらいなのか不明なまま新しい治療法が漫然と使われてしまうと、治療法のききめや副作用等の情報が蓄積しないため、本当に有効な治療法なのか把握することもできません。

また、これまでの治療法を受ける患者さんと新しい治療法を受ける患者さんとの間で、治療の結果を比較する臨床試験を実施することがあります。それは、この段階では新しい治療法の有効性や安全性がわからず、新しい治療法が必ずよい治療法であるとは限らないからです。

特に「治験」の場合は、日本ではまだ承認されていない新しい薬(未承認薬)を使用できる可能性もありますが、効果や安全性の面でまだわからないことが多いため、不利益を被る可能性が高くなることに注意が必要です。

しかしながら、臨床試験の結果は今後の治療開発に生かされるため、臨床試験に参加することは、将来のがん医療の発展に貢献することにつながります。

臨床試験に参加する患者さんには、参加することで新しい治療法を受けられる可能性がある一方で、まだわかっていない副作用などの不利益を被る可能性があることも十分に理解していただく必要があります。臨床試験への参加を希望する患者さんは、専門家から十分な説明を受け、ご自身が十分に納得した上で同意し、参加してください。

2.臨床試験におけるインフォームドコンセント

インフォームドコンセント(informed consent)用語集アイコンとは、患者さんが治療や処置、看護ケア等について医師や看護師から説明を受け、その内容を十分に理解した上でどうするのかを決定し、その治療に同意する一連の過程のことをいいます。例えば、何種類かある抗がん剤の中から1つを選ぶという治療法の選択や、外来あるいは入院で治療を受けるというような治療の場の決定、また、看護師から受けるケアの了承等がそれにあたります。つまり、インフォームドコンセントの過程は、臨床試験に限らず、日常の診療においてもあらゆる場面で展開されます。

インフォームドコンセントは、単に同意書に署名をするためのものではありません。患者さんが、自ら受ける治療やケアについて理解し、納得した自己決定をすることが重要です。そのために、医師や看護師はできるだけわかりやすい言葉で説明し、患者さんの疑問や不安を少しでも解消できるように努力します。インフォームドコンセントは、医療を受ける患者さんの権利でもありますので、必要な情報やわからないことがあるときには、遠慮なくお尋ねください。

1)臨床試験における倫理基準

臨床試験は、よりよい治療法を見つけ出すために、人に対して行われる試験です。人に対して臨床試験を行う場合には、ヘルシンキ宣言を順守して行わなければなりません。このヘルシンキ宣言とは、人を対象とする研究を行う場合の倫理的原則について述べられているもので、その中でインフォームドコンセントの必要性と手順について記載されています。さらに、臨床試験の中でも、厚生労働省から薬、医療機器としての承認を得ることを目的として行われる「治験」(図1)を行う場合には、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP:Good Clinical Practice)」に基づいて行わなければなりません。GCPの中には、患者さんの権利を守るために、説明すべき内容や同意取得の方法等について規定されています。
図 1 臨床研究の枠組み
図 1 臨床研究の枠組み

2)臨床試験における説明内容

臨床試験が選択肢の1つとして提示される際には、必ず医師から説明があり、臨床試験の説明文書と同意書が患者さんに手渡されます。説明文書は、医師による説明を受ける際に、患者さんの理解を助けるために用意されています。

説明文書には、臨床試験の目的や方法、検査や治療のスケジュール、期待される利益、予測される不利益(副作用や検査の増大等)、試験期間、倫理性・科学性を確保して行われることのほかに、試験参加は自由であり断っても不利益は生じないこと、患者さんに守ってもらいたいこと等が書かれています。試験によって説明される項目や内容は異なりますが、特に「治験」においては、補償や医療費の支払い、負担軽減費等についての説明も加わります。

3)臨床試験への参加について

臨床試験への参加は、患者さんの自由意思に基づいて決定します。家族と相談していただいても構いません。説明文書中には難しい言葉も出てきますので、不明な点は医師や看護師、臨床研究コーディネーター/CRC用語集アイコンに遠慮せずに何度でも尋ねるようにしましょう。急いで決める必要はありません。考える時間がもっと必要なときにもお知らせください。よく考えて決定することが一番重要です。

臨床試験への参加を断っても、その後の治療を受ける上で不利益を生じることは一切ありません。試験に参加しない場合、その時点で患者さんにとって最善と思われる治療について、患者さんやご家族と相談して決められます。

4)臨床試験に参加してからやめたくなったとき

臨床試験に参加すると決め同意書に署名した後でも、治療が始まる前でも、すでに治療が始まった後でも、いつでも理由を問わずに臨床試験をやめることができます。やめたいと考えたときには、いつでも臨床試験の担当医に申し出てください。その場合も、その後の治療において不利益が生じることはありません。

3.臨床試験の実際

1)臨床試験の参加基準

臨床試験では、参加する患者さんの病気の種類や進行程度、既往歴や合併症等について参加基準が設けられています。この基準は、患者さんが臨床試験に安全に参加し、信頼性のある結果を得るためにはとても重要です。参加を同意した患者さんには、血液検査や尿検査、CT検査や心電図等の検査を行い、参加基準を満たしているかどうかを確認します。

参加を希望しても、検査の結果、基準を満たしていないことがわかった場合には、臨床試験に参加することはできません。

2)治療

臨床試験では、治療内容や治療スケジュールが試験実施計画書(プロトコール)により事前に決められていますので、計画通りに治療を受けなければなりません。もちろん、治療中にいつもと違う症状があらわれた場合には、慎重に診察を行い、適切と考えられる対処が行われます。

3)診察・検査等の来院スケジュール

臨床試験では、治療と同様に診察や検査等のための来院スケジュールが決まっています。入院が必要な場合は入院期間も決まっています。ただし、体の状態に合わせてスケジュールが変更となる場合があります。決められたスケジュールに従い、診察や検査を受けなければいけないことや、通常よりも多くの検査を受ける必要があるため、負担と感じることがあるかもしれません。

なお、仕事や家庭の都合など何らかの理由で来院できない場合には、定められた範囲内であればスケジュールの調整が可能です。臨床試験の担当医にご相談ください。

4)検査の内容

臨床試験で行う検査には、下記の2つのタイプがあります。

□ 治療効果や安全性の確認のために行う一般的な検査
□ 薬や治療法の性質を詳しく知るための検査

薬や治療法の性質を詳しく知るための検査の1つとして、薬物動態に関する検査があります。これは血液や尿を複数回採取し、新しい薬が体内でどのように吸収され、排泄されていくのかについて調べる検査で、新しい薬の安全性や性質を確認するためには、必要かつ重要な検査です。この他にも、日常診療で行う範囲を超えた検査が行われることがあります。

5)臨床試験の費用について

「治験」で未承認薬を試す場合は、保険診療が使えないため、薬代と検査代の一部を製薬企業などが負担する場合が多く、経済的な負担は日常診療よりも軽くなる場合があります。

一方、治験以外の一般的な臨床試験の場合には、参加することによる経済的利益はほとんどありません。なぜかというと、行われる治療はすでに保険適用となっているものがほとんどで、日常診療でも受けられるからです。また、保険診療として治療を行いますので、日常診療と同じ割合で自己負担額が発生します。

4.プライバシーの保護

臨床試験では、患者さんの個人情報や診療情報等のプライバシーに関する情報を収集し利用しますが、名前や住所等の個人を特定できる情報は利用する項目に含まれません。臨床試験の実施にあたっては、プライバシーの保護には十分な配慮がなされますのでご安心ください。臨床試験で利用する個人情報の項目や利用目的の詳細については、医師による説明や臨床試験の説明文書にてご確認ください。

なお、臨床試験では、下記のような場合に第三者が個人情報を利用したり、収集された情報が公表されることがありますが、いずれの場合も個人を特定できる情報が第三者に渡されたり、公表されることはありませんのでご安心ください。

・ 製薬企業や厚生労働省の担当者による監査

臨床試験が順守すべき規制を守り、かつ事前に作成された試験実施計画書通りに、倫理性や科学性を確保しながら行われているかどうかを確認します。担当者は、カルテや検査結果等を直接、あるいは間接的に確認しますが、担当者には秘密保持義務が課せられています。

・ 新薬としての承認申請のための資料

「治験」の場合には、収集した患者さんの情報は、厚生労働省への新薬承認申請資料として製薬企業より提出されます。しかしながら、申請資料には個人を特定できる情報は含まれません。

・ 臨床試験の結果の公表

臨床試験の結果は、学会や学術雑誌等で公表されますが、公表内容には個人を特定できる情報は含まれません。なお、臨床試験の結果は公表してはじめて周知され、新しい知見として活用できるようになり、患者さんの治療に貢献します。

5.臨床試験に参加する際の注意点

臨床試験に参加される場合には、以下のことにご注意ください。

・ 治療や検査はスケジュール通りに受けてください

臨床試験は、正しい信頼性のある結果を得るために計画通りに行うことがとても重要です。都合が悪い場合には、スケジュールが調整可能な場合がありますので、臨床試験の担当医にご相談ください。

・ 試験薬(治験薬)について

試験薬は、指定されたとおりの量と回数、飲み方や期間を守ってのんでください。また、のみ残した試験薬について、返却の指示を受けた場合は病院に返却してください。

・ 現在のんでいる薬について

現在のんでいる薬がある場合は、市販薬や漢方薬、健康食品を含め、前もって医師や看護師にお伝えください。薬は一緒にのむことにより、効果を弱めたり副作用を強めたりする場合があるため、臨床試験によっては普段使用している薬の制限が必要となる場合があります。

・ 他の病院の受診について

他の病院を受診する場合は、前もって医師にご相談ください。また他の病院の医師にも、臨床試験に参加中であることをはじめにお伝えください。

・ 体調の変化や気になることについて

臨床試験に参加してから体調に変化があったり、これまでと違う症状がみられた場合は、早急に医師にお知らせください。適切な対応が行われます。
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