あなたの大切な家族の1人ががんと診断されたとき、あなたの心には何が起こるのでしょう。そして、あなたはその家族に何をしてあげられるのでしょうか。
このページには、あなたの大事な家族ががんになったとき、あなたの考えるべきこと、なすべきことについて、多くの体験者から得られた知恵を集めました。あなたにあてはまることがあれば、どうか参考にしてみてください。
あなたの家族の1人ががんになったとき、患者さんはもちろん、家族全体にさまざまな影響や問題が出てきます。
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がんの経過をとおして、家族の心にもさまざまな負担がかかることは確かです。
多くの調査で、がん患者を抱える家族の2〜3割に、強い不安やゆううつが認められることが明らかになっています。つまり家族にも、患者さんと同じかあるいはそれ以上に精神的負担がかかるということです。
家族は、患者さんに次ぐ、いわば「第2の患者」なのです。それなのに、家族は患者さんを支えることに一生懸命で、自分の心についてまで考える余裕がありません。
また、家族の精神状態は、患者さんの精神状態に直接影響します。心身ともにつらい状態にある患者さんのことを思うと、家族はなかなか自分のつらさを誰かに相談することができません。
家族は、患者さんを援助する立場と「第2の患者」という立場の両方の側面があることを知っておいてください。
家族はひとつのまとまりですから、家族の心の変化は、患者さんのがんの治療経過に大きく左右されます。
悪い知らせを聞いて、大きなショックと不安に直面する時期で(1)がんの診断 (2)がんの転移・再発 (3)抗がん治療の中止、などを知ったあとです。家族としては、悪い知らせを信じたくありません。ショックと不安のほかに、怒り、落ち込み、無力感、絶望感などを感じることもあります。心ばかりか、体の調子まで悪くなることさえあります。
家族のなかでも、この話題には緊張するというのに、親戚や友人、勤め先などに、どう伝えるのか、あるいは伝えないほうがよいのか、悩みはつきることがありません。
がんの治療中や、がんの治療が一段落した時期です。患者さんの体力が落ちていると、家族の生活パターンも変化してきます。家族内で患者さんが担ってきた役割を引き受けるという負担が増えます。患者さんに一生懸命になると、他の健康な家族の要望に応える余裕がなくなってしまい、家族内に不満や怒りがたまりやすくなります。
がんが再発しないか、治るのか、といった予測のつかないことへの不安な気持ちを抱えたままでの生活は、患者さんはもちろん、家族にとっても大変な重圧です。
がんが治らないことを担当医に知らされて、残された時間が短くなった患者さんに家族がきちんと向き合わなくてはならない時期です。家族にとっては、がんの経過の中でも心身ともに最もつらい時期です。
痛み、だるさ、息苦しさ、吐き気などのつらい症状を訴える患者さんを前に、そばで見守ることだけでもつらく、気持ちも休まりません。また、患者さんが、生きるとか、死ぬとか、ふだんしないような話をはじめると、その話題に向きあうことはとても難しいことです。患者さんの病状悪化などの悪い知らせを家族だけが聞かされる場合もあります。患者さんの意識の状態が悪くなると、普通に話ができなくなり、家族が患者さんの治療や社会的なことについても意思決定しなくてはならないようなことも出てきます。自分の判断が本当に正しかったのか、など気持ちの負担も大きくなりがちです。また家族は、付き添っていても患者さんの役に立つことができないという感覚が強くなってくるため、体にも心にも大きな負担となります。
がんに対する不安を少なくするには、専門家ほどではないにしても、正確な情報を集めて知識をたくわえましょう。担当医からの情報以外にも、がん関連の本や雑誌、インターネットなどがあります。ただし、ご家族や患者さんが集めたがんの情報の信頼性については、患者さんの担当医に必ず確認するようにしましょう。
家族のメンバーそれぞれが、得意なことや不得意なことがあると思います。患者さんと踏み込んだ話をするのが得意な家族もいれば、買い物や送り迎えなどの援助が得意な家族もいます。家族で役割をじょうずに分担して、お互いの負担も少なくしましょう。
患者さんはがんを抱えた当事者です。そのつらさは、たとえ家族であっても100%は分かりません。つらい状態の患者さんの言うこと、することは、毎日のように変化することがあり、また、毎日のように繰り返されることがあります。そこのところを理解して、辛抱強く患者さんに接することが大切です。
患者さんが何をしたいのか、完璧に理解するのはとても難しいことです。ですから、とにかく患者さんの気持ちや要望を聞いてみましょう。がんばっていることへの「ねぎらい」や「ほめ言葉」が、お互いのストレスを減らす効果があります。(次の項でまた詳しく述べます)
家族は、患者さんのことを思うあまり、自分なりのやり方であれもこれもと過剰に援助してしまいがちです。でも、もしかしたら患者さんにとってはあまり快適でないこともあるかもしれません。援助しているはずが自分のやり方の押しつけになっていないか、常に見直してみましょう。
患者さんがとてもつらい状況にあるからといって、家族が自分のすべてをなげうって患者さんだけを援助することは無理な話です。家族も、患者さんを援助しながら、ときには自分のための楽しい時間を作りましょう。そうしてエネルギーを充電することが、常に患者さんのよき援助者でいられることにつながります。
人は話を聞いてもらうことで、とても癒されます。
話を聞いてもらうだけで病気はよくなりませんが、話を聞いてもらうことができれば、誰でも元気が出るものです。
まず、患者さんが話せる状態かどうかよく考え、わからないときは、「今話ができそう?」と聞きましょう。話をするときは、とにかく患者さんの話に聞き入りましょう。次のようにすると、患者さんはより話しやすくなります。
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人は基本的に、自分の言うことを否定されることを好みません。はぐらかしたり、ごまかしたりして話題を変えると、患者さんは自分の話を奪い取られたような気がして不愉快になるものです。次のように患者さんに同調すると、患者さんもより話しやすくなります。
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患者さんの話の途中で、アドバイスしたくなることがあります。でも、まずは患者さんのしてきたこと、これからしようとしていることを尊重する態度が大切です。「自分だったら…」などと、自分の感覚を押し付けるのもよくありません。次のように、患者さんに対応すると、患者さんはより話しやすくなります。
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患者さんにつききりで援助しているのに、「自分はストレスを感じていない」という人がよくいます。
ストレスとは心や体にかかる負担のことで、程度の差はあっても普段の生活でもストレスの影響は受けています。
普段以上にストレスが強くなったときの体の反応は、下痢や便秘になる人、動悸がする人、頭痛がしてくる人、気分がいらいらしてくる人など、人それぞれです。
自分にもストレスがあることを認めて、ストレスが強いときの自分を振り返り、自分に起こりやすい体調の変化を知っておきましょう。自分にかかっている負担の状況を話せる人を作ることも大切です。自分ひとりだけで重荷を背負い込まないようにしましょう。
心身をリフレッシュする方法をできるだけ幅広く持つように心がけましょう。
患者さんの援助に追われても、必ず自分の時間を持つようにすることが大事です。その際に、人と交わる方法と人から離れる方法があります。
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心身ともにすこやかな生活には、眠りが何よりも大切です。人は人生の3分の1を眠って過ごしているのです。言い換えれば、それほどに眠りは大切だということです。
究極のストレス解消法は、よく眠ることでしょう。
ぐっすり眠ることができれば、翌朝には心身ともにすっきりすることができます。床に就く前には、静かな音楽を聴いたり、好きな香りを楽しんだり、お風呂に入ったり、リラックスすることが安眠につながります。
どうしても眠ることができないことが続くようであれば、気軽に心の専門家にご相談ください。
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