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タキソール注/パクリタキセル注

一般名:パクリタキセル(PTX)
更新日:2008年04月07日    掲載日:2003年05月13日

1. このお薬は

卵巣がん、非小細胞肺がん、乳がん、胃がんの治療に用いられます。

2.このお薬の副作用などについて

Q1
このお薬を使うに当たって注意することは?
A1
他のお薬と一緒に使うと、作用が増強したり、副作用が強くあらわれることがあります。他のお薬を使っている方や薬局で購入したお薬を使う際には、医師にあらかじめご相談下さい。

また、動物の実験で奇形を引き起こすことが報告されておりますので、男性の方も女性の方も何らかの方法で避妊なさることをお勧めします。このお薬で治療を行っている間に妊娠した際は、すぐに医師に相談して下さい。

なお、このお薬は母乳中にも含まれますので、母乳による授乳は避けるようにしましょう。

このお薬にはアルコールが含まれています。お酒に弱い方やアルコール類に過敏な方はあらかじめ医師に伝えておきましょう。

Q2
点滴のルート(管)の途中についている四角いものは何ですか?
A2
これはフィルターと呼ばれるものです。このお薬は、溶液に溶けにくいお薬を無理に溶かして注射液にしているため(過飽和といいます)、長い時間経過すると、お薬が溶けきれずに結晶ができてしまう可能性があります。実験結果では点滴中に結晶ができることはないと考えられますが、もし結晶ができても、体内に結晶が入らないように念のためフィルターをつけているのです。

Q3
注射を受けるときに注意することはありますか?
A3
お薬が血管外に漏れると、正常組織に炎症が起き、組織が硬くなったり、ひどい場合には壊死を起こすこともあります。そのようなことのないように、注射中はなるべく腕を動かしたり曲げたりしないようにしましょう。

また、注射中だけでなく、しばらくしてから症状があらわれることもありますので、以下のような症状にお気づきの場合には、すぐに医師・看護師にお伝え下さい。

<代表的な症状>

針を刺した周辺や注射した血管が痛くなる・発赤が起きる・はれる・水膨れができる・違和感がある、点滴のスピードが急に遅くなったり速くなったりする

Q4
このお薬であらわれやすい副作用は?
A4
このお薬を点滴した2〜3週間後に、ほとんどの方で脱毛があらわれます。脱毛は、頭髪だけでなく、まゆ毛などを含む全身の体毛に及びますが、治療が終了すれば6〜8週間で回復するようです。帽子などでカバーすることもできますが、前もってかつらを用意して使用する方法もあります。

また、点滴した6〜10日後に熱の出る方が多いようです。特に、初めて点滴した後にあらわれやすい傾向があります。必要に応じて解熱剤を使用するなどして対処しますが、感染症の場合にも同じような症状があらわれますので、ご自分で判断せず、医師にお伝え下さい。

なお、このお薬には脳の中の吐き気を感じる部分を刺激する作用があるため、吐き気や嘔吐があらわれることがありますし、下痢や口内炎が起きることも少なくありません。このような症状のひどいときには医師にお伝え下さい。

いずれの副作用も、お薬を使わなくなれば回復します。常に注意深く観察しておりますが、症状にお気づきの際は医師・看護師にお伝え下さい。

その他、点滴して2〜3日後に、多くの患者さんが関節や筋肉に痛みを感じます。特に、体重のかかる部位にあらわれやすく、筋肉痛の場合は肩から背中にかけての筋肉や骨盤または腕の筋肉に、関節痛の場合は下肢にあらわれるようです。通常、1週間程度で軽快してきますが、痛み止めのお薬により対処できることもありますので、症状が長く続いたり、症状が強く、起立したり歩くなどの動作がつらい場合は、医師・看護師にご相談下さい。

なお、痛風や糖尿病、関節炎などの病気のある方は、この症状が強くあらわれる可能性がありますので、あらかじめ医師に伝えておいた方がいいでしょう。

Q5
アレルギーが起きる心配はありませんか?
A5
お薬と体の相性が悪いと、アレルギーを起こすことがあります。このお薬を注射する前には、別のお薬を使用することでこの副作用を未然に防ぐようにするとともに、注射中には、血圧や脈拍数を測定して患者さんの状態を注意深く観察していきます。

この副作用は、点滴してから10分以内にあらわれた例が多いようですが、数時間後に症状があらわれる可能性もありますので、以下のような症状にお気づきの際は、すぐに医師・看護師にお伝え下さい。

なお、アレルギー体質の方はあらかじめ医師に伝えておくといいでしょう。

<代表的な症状>

気分が悪くなる、息苦しい、皮膚が赤くなる、発疹ができる、かゆくなる、胸が痛い、血圧が下がる、動悸がする、めまいがする、脈が不規則になる、胸が苦しい、疲れやすい、むくみが出る、汗をかきやすい、顔が赤く熱くなる、蕁麻疹が出る、唇や舌・手足がしびれる、くしゃみ・咳が出る、のどが詰まる、顔が白くなる、顔がはれぼったい、舌がはれる、声がかすれる

Q6
このお薬で体の抵抗力が弱くなることがあると聞いたのですが?
A6
このお薬は、血液の成分をつくり出している骨髄に作用し、細菌などから体を守る働きをしている白血球や出血を止める働きをしている血小板、酸素を運ぶ赤血球を減少させてしまうことがあります。その結果、感染症や出血、貧血などの症状があらわれやすくなります。個人差もかなりありますが、注射して約1〜2週間でこれらの数が最低値となり、その後約1週間で回復します。

このお薬を使って治療する場合には、血液検査の結果を参考にしながら、骨髄を刺激して白血球を増やすお薬を使うなどの対策を行いますが、以下のような症状にお気づきの際は医師にお伝え下さい。

<代表的な症状>

感染症:
発熱、寒気、震え、咳、のどの痛み、軟便、下痢、腹痛、排尿時の痛み、血尿、頻尿、残尿感、肛門痛、皮膚が赤くなる、おりものの増加・不正性器出血、陰部のかゆみ、歯肉痛、発汗、水膨れができる、痰が出る、息苦しい

出血:
紫斑、内出血、歯磨きによる出血、鼻血、血便、血尿

貧血:
手足が冷たい、爪の色が白い、顔色が悪い、頭痛、耳鳴りがする、脈拍が増える、動悸がする、息切れしやすい、食欲不振、便秘、めまいがする、疲労感・倦怠感がある

Q7
手の先がしびれると聞いたのですが、本当ですか?
A7
このお薬は神経に障害を与えるため、治療回数が多くなるとともに手足のしびれや痛み、感覚異常など、以下のような症状があらわれやすいことが知られています。多くの場合は、軽度から中等度の症状が注射して3〜5日後にあらわれる傾向があります。また、治療を完了すれば、症状が軽い場合には数ヶ月程度で回復しますが、症状が重い場合には長い期間を要することもあります。

医師も注意深く観察しながら治療を行いますが、症状の悪化を防ぐためにも、以下のような症状があらわれたり生活に不便を感じた場合は、医師にお伝え下さい。なお、糖尿病や神経に疾患のある方は、この副作用が強くあらわれる可能性がありますので、あらかじめ医師に伝えておいた方がいいでしょう。

<代表的な症状>

痛み:
刺すような痛み、焼けるような痛み

しびれ:
手足のしびれ

感覚:
手足の先・体の先端部・口周辺などの感覚がなくなる、皮膚の感覚が変わる、目がちらつく

Q8
心臓や循環器系の副作用の心配はありますか?
A8
まれにですが、心臓の機能に影響を及ぼすことがあります。その結果、脈が速くなる(頻脈)、遅くなる(徐脈)、血圧の低下、血管内に血液のかたまりができる、肺に水がたまるなどの症状があらわれたりします。頻脈・徐脈や血圧の低下に関しては、注射中あるいは注射終了後、数時間経過してからあらわれますが、多くの場合は自然に回復するようです。

医師も注意深く観察していますが、以下のような症状にお気づきの際は、直ちに医師の診察を受けて下さい。

なお、以前に狭心症や心筋梗塞など、心臓や循環器の病気にかかったことのある方は、あらかじめ医師に伝えておきましょう。

<代表的な症状>

頻脈、徐脈、血圧が下がる、胸の痛み、背中の痛み、みぞおちの痛み、冷や汗が出る、動悸がする、息切れがする、息苦しい、むくみが出る、疲れやすい、痰が出る、咳が出る、頭痛

Q9
このお薬を使ってから耳鳴りがするのですが…
A9
このお薬による治療において、聴力が低下したり耳鳴りがしたとの例が報告されています。治療中だけでなく、治療が終了してから症状があらわれることもありますので、以前に比べて音が聞こえにくい、テレビの音量を大きくするようになった、耳鳴りがするなどの症状があらわれた際は、すぐに医師にお伝え下さい。

Q10
このお薬を使い始めてから、咳が出たり息切れすることがあるのですが・・・
A10
このお薬により間質性肺炎や肺線維症になることがあります。医師も注意深く観察していますが、今後の治療に影響を与えたり日常の生活に支障を来す場合もありますので、お薬の使用中はもちろん、お薬を使わなくなってからも以下のような症状にお気づきの際には、すぐに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

空咳(痰の出ない咳)、軽い動作や運動時の息切れ、発熱が続く、息苦しい

Q11
消化器系の副作用はありますか?
A11
このお薬による治療で、消化管潰瘍、消化管出血などの消化管への影響が報告されています。以下のような症状があらわれた際は、すぐに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

便に血が混じる、便が黒っぽくなる、吐血、腹痛、ゲップが出る、吐き気

Q12
このお薬で下痢することはありますか?
A12
このお薬は腸管粘膜に障害を及ぼすため、下痢のあらわれる頻度が高く、腹痛を伴う場合や水様便になってしまうことがあります。また、ひどい下痢が続くと、脱水症状の原因になることもあります。

脱水症状をできるだけ抑えるために、いつもより水分を多めに摂取するようお願いしたり、必要に応じて下痢を止めるお薬を使うなどの対策を行いますので、以下のような症状にお気づきの際はすぐに医師の診察を受けて下さい。

なお、ふだんから下痢気味の方、おなかの調子の悪い方は、あらかじめ医師に伝えておきましょう。

<代表的な症状>

激しい下痢(水あるいはトマトジュースのような便、2〜3日続く下痢)、腹痛、食欲不振、悪心、嘔吐、全身衰弱、吐血、のどや口の中が渇く、立ちくらみがする、体がだるい

Q13
肝臓への影響はありますか?
A13
このお薬は肝臓に障害を及ぼすことがあります。肝機能検査を行うなど注意深く観察しながら治療を行いますが、以下のような症状にお気づきの際は、すぐに診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

吐き気、嘔吐、体がだるい、食欲がない、白目・爪・皮膚が黄色になる、尿が黄褐色になる

Q14
上腹部に痛みがあるのですが…
A14
このお薬により膵炎があらわれたとの報告があります。医師も注意深く観察していますが、以下のような症状にお気づきの際は、直ちに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

激しい腹痛、背中が痛い、吐き気、嘔吐、発熱

Q15
腎臓への影響はありますか?
A15
この療法によって急性腎不全が起きたとの報告があります。注意深く観察しながら治療を行いますが、以下のような症状にお気づきの際は、医師にお伝え下さい。

<代表的な症状>

尿量が減少する、赤みがかった尿が出る、まぶたや足などがむくむ、体がだるい、食欲不振

Q16
以前に薬疹があらわれたことがあるのですが…
A16
まれにですが、このお薬でも薬疹(お薬を使ったことによって起こる発疹)があらわれることがあります。

初めに頭痛、関節が痛い、体がだるいなどの風邪をひいたような症状があらわれ、続いて、急激な発熱を伴って、皮膚が赤くなったり、水膨れやびらんが粘膜や皮膚の広範囲にあらわれます。

あるいは、紅斑状の皮疹が全身の至るところにあらわれ、かゆみや、皮膚が焼けるように熱く感じたり、皮膚の異常感を覚えることもあります。その後、発熱を伴って、急激に水膨れを伴う紅斑が全身の皮膚の大部分や粘膜にも広がり、皮膚をこすると、やけどのように皮膚がむけてただれる、重い症状の薬疹があらわれることもあります。

注意深く観察しながら治療を行いますが、今までに薬疹があらわれたことのない方にもあらわれる可能性がありますので、以下のような症状にお気づきの際は、直ちに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

発熱、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、皮膚が赤くなる、発疹ができる、水膨れができる、びらん、皮膚が焼けるように熱く感じる、皮膚の痛み、皮膚がはがれる、筋肉痛、関節痛、排尿時の痛み、鼻粘膜や外陰部・肛門部にびらんができる、唇・口内が荒れる、口内炎ができる、目が充血する

副作用の記載について

お薬はいくつかの働きを持っています。あなたの病気を治したり、症状を和らげるために利用するお薬の働きを「主作用」といい、それ以外を「主」に対して「副」の働き、いわゆる「副作用」といいます。期待する働きだけあらわれるのが理想なのですが、理想的なお薬はなかなかありません。

「副作用が心配で…」、「副作用が恐いから薬はなるべく飲みたくない、使いたくない」そんな声をよく耳にします。しかしながら、「副作用が恐いから薬を飲まない」というのは、「手を切るのが心配だから包丁は使わない」、「交通事故が恐いからどんなに遠くても歩いて行く」のと同じではないでしょうか。料理するには包丁が必要ですし、旅行には交通手段も必要です。お薬も同じで、「副作用が心配だから」といって勝手にお薬を中止したり、量を減らしたりしていると、効果を期待することはできません。

いたずらに副作用を恐れるのではなく、副作用の正しい知識と理解を持ち、万が一副作用があらわれた場合でも、できるだけ早期に対処できるように上記の内容を記載しました。
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