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TOP冊子・ビデオ・用語集がんに関するQ&A抗がん剤Q&A > ノルバデックス(D)錠/タスオミン(D)錠

ノルバデックス(D)錠/タスオミン(D)錠

一般名:クエン酸タモキシフェン(TAM)
更新日:2007年02月05日    掲載日:2003年05月13日

1. このお薬は

乳がんの治療に用いられます。また、これ以外のがんの治療に用いられることもあります。

Q1
乳がんに対してどのように作用するのですか?
A1
体内でつくられる女性ホルモンの1つにエストロゲンがあります。一方、乳がん細胞にはエストロゲン(鍵)と結びつく受容体(鍵穴)があって、エストロゲン(鍵)が受容体(鍵穴)に結びつくと乳がん細胞の増殖を助けてしまいます。

このお薬は、エストロゲンより先に受容体に結びついて鍵穴をふさいでしまうことによって、がん細胞の成長や増殖を抑えたり遅くします。乳がん細胞に受容体がたくさんあると、このお薬の効きがよいことがわかっていますので、切除した組織を調べて、乳がん細胞に受容体がたくさんあった場合に使います。

2.このお薬の副作用などについて

Q2
このお薬を飲むに当たって注意することは?
A2
他のお薬と一緒に使うと、効果が弱くなったり、逆に作用が強くあらわれたり、他のお薬の副作用があらわれやすくなる可能性がありますので、他のお薬を使っている方や薬局で購入したお薬を使う際には、医師にあらかじめご相談下さい。

動物の実験では、妊娠や分娩への影響が報告されており、このお薬を使用している患者さんにおいても、流産・先天異常・胎児死亡などの報告がありますので、お薬を飲んでいる間はもちろん、お薬を飲む必要がなくなってから少なくとも2ヶ月間は、何らかの方法で避妊なさることをお勧めします。ただし、避妊方法の1つである経口避妊薬(ピル)は、このお薬の効果を弱めるため使用しないで下さい。もしこのお薬で治療を行っている間に妊娠した場合は、すぐに医師に相談して下さい。

また、乳児への影響を避けるため、母乳による授乳を控えて下さい。

このお薬を長期間あるいは多めに飲んでいる方は、2,000人から3,000人に1人の割合で子宮がんになるとの調査結果や、子宮内膜に異常が見られたとの報告もあります。多くの患者さんで、女性生殖器系への影響よりも、がんの再発予防や症状を和らげる効果があらわれていますが、治療を開始する前に、このお薬の有用性や危険性を医師と十分話し合い、納得してから使用されることをお勧めします。

Q3
このお薬であらわれやすい副作用は?
A3
このお薬は、女性ホルモンの働きに作用する結果、閉経期(更年期)のような症状があらわれたり、乳がん細胞に存在する受容体(鍵穴)をこのお薬が刺激する結果、腫瘍部位に発赤ができたりはれるなどの症状で知られるフレアー現象が見られることがあります。通常、飲み始めてから1ヶ月ほどで軽快してきますが、症状がひどいときや長く続く際は、医師にご相談下さい。

<代表的な症状>

生理不順、不正出血、腟の変化、陰部の痛み・出血・乾燥、吐き気、嘔吐、消化不良、骨痛、腫瘍部位の発赤・腫脹、ほてる、熱っぽい感じがする、寝汗をかく、体重が増加する、体がだるい

Q4
このお薬で体の抵抗力が弱くなることがあると聞いたのですが?
A4
このお薬は、血液の成分をつくり出している骨髄に作用し、細菌などから体を守る働きをしている白血球や出血を止める働きをしている血小板、酸素を運ぶ赤血球を減少させてしまうことがあります。その結果、感染症や出血、貧血などの症状があらわれやすくなります。

このお薬を使って治療する場合には、血液検査を行って注意深く観察していますが、以下のような症状にお気づきの際は医師にお伝え下さい。

<代表的な症状>

感染症:
発熱、寒気、震え、咳、のどの痛み、軟便、下痢、腹痛、排尿時の痛み、血尿、頻尿、残尿感、肛門痛、皮膚が赤くなる、おりものの増加・不正性器出血、陰部のかゆみ、歯肉痛、発汗

出血:
紫斑、内出血、歯磨きによる出血、鼻血、血便、血尿

貧血:
手足が冷たい、爪の色が白い、顔色が悪い、頭痛、耳鳴りがする、脈拍が増える、動悸がする、息切れしやすい、食欲不振、便秘、めまいがする、疲労感・倦怠感がある

Q5
目に障害があらわれると聞いたのですが?
A5
極めてまれですが、このお薬を長期間にわたって服用すると、目に障害があらわれる場合があります。医師も注意深く観察していますが、以下のような症状にお気づきの際は、すぐに医師にお伝え下さい。

なお、白内障やその他の目の病気がある方は、あらかじめ医師にお伝え下さい。

<代表的な症状>

かすみ目、物がだぶって見える、まぶしく感じる、視力が低下する、物が暗く見えたり色が変わって見える、目が疲れる、目の乾燥感や違和感、目がチカチカする

Q6
血液が固まりやすくなって、血管が詰まることはありますか?
A6
ごくまれにですが、このお薬による治療で血管の壁に炎症を生じたり、血栓(血管の中に血液のかたまりができて、細い血管を詰まらせてしまう状態)ができることがあります。

このようなことのないように、可能な限り医療スタッフが注意深く観察していますが、以下のような症状があらわれた際は、すぐに診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

腕や足が痛んだり、むくみがあらわれる、足がはれて痛い、歩くと痛みが増す、胸が痛い

Q7
肝臓への影響はありますか?
A7
このお薬は、ときとして肝臓に障害を及ぼすことがあります。血液検査を行うなど、注意深く観察しながら治療を進めますが、以下のような症状にお気づきの際は、すぐに診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

皮膚・爪・白目などが黄色になる、体がだるい、かゆみ、食欲不振、吐き気、嘔吐、発熱、発疹ができる

Q8
お薬を飲み始めてから、のどが渇いて水をたくさん飲むようになったのですが?
A8
このお薬を使った治療により、通常は一定の範囲に保たれている血液中のカルシウム濃度が上昇したとの報告があります。必要に応じて検査を行うなど、医師も注意深く観察しておりますが、お薬をのみ始めてから以下のような症状が強くなってきた際は、医師にお伝え下さい。

<代表的な症状>

体がだるい、脱力感、疲れやすい、頭痛、のどや口の中が渇く、食欲不振、吐き気、嘔吐、便秘、水を多く飲む、尿量の増加

Q9
婦人科領域への影響はありませんか?
A9
まれにですが、子宮筋腫や子宮内膜の異常または子宮がんなど、女性生殖器系への影響が報告されています。以下のような症状にお気づきの際は、医師にお伝え下さい。

なお、国立がん研究センターでは主に乳腺内科でこのお薬が処方されています。長期間(2年間以上)にわたりこのお薬を使用している方は、定期的に婦人科も受診されることをお勧めします。

<代表的な症状>

月経量の増加、不正出血、おりものの増加、月経がだらだらと続く、月経痛、下腹部痛、腰痛、貧血、動悸、息切れ、頻尿、便秘

Q10
このお薬を使い始めてから、咳が出たり息切れすることがあるのですが…
A10
まれな副作用ですが、間質性肺炎と呼ばれる呼吸器系障害が報告されています。医師も注意深く観察していますが、今後の治療に影響を与えたり日常の生活に支障を来す場合もありますので、お薬の使用中はもちろん、お薬を使わなくなってからも以下のような症状にお気づきの際は、すぐに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

空咳(痰の出ない咳)、軽い動作や運動時の息切れ、発熱が続く、息苦しい

Q11
アレルギーが起きる心配はありませんか?
A11
お薬と体の相性が悪いと、アレルギーを起こすことがあります。医師も注意深く観察していますが、以下のような症状があらわれた際は、服用を中止して、直ちに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

顔が赤く熱くなる、皮膚がかゆい、じんま疹が出る、唇や舌・手足がしびれる、くしゃみ・咳が出る、気分が悪い、心臓がドキドキする、のどが詰まる、息が苦しい、目の前が暗くなる、顔がはれぼったい、舌がはれる、声がかすれる、冷や汗が出る、眠気がする

Q12
以前に薬疹があらわれたことがあるのですが…
A12
このお薬でも、薬疹(お薬を使ったことによって起こる発疹)があらわれることがあります。

初めに頭痛、関節が痛い、体がだるいなどの風邪をひいたような症状があらわれ、続いて、急激な発熱を伴って、皮膚が赤くなったり、水膨れやびらんが粘膜や皮膚の広範囲にあらわれます。

あるいは、体中の皮膚に水膨れが次々とたくさんできたり、紅斑ができてから水膨れができたりすることもあり、いずれの場合もかゆみを伴います。

注意深く観察しながら治療を行いますが、今までに薬疹があらわれたことのない方にもあらわれる可能性がありますので、以下のような症状にお気づきの際は、直ちに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

発熱、体がだるい、食欲不振、嘔吐、頭痛、頭が重い、筋肉痛、関節痛、目が充血する、目やにが出る、目がかゆい、涙が出る、目が痛い、目がかすむ、目にごみが入った感じがする、排尿時の痛み、鼻粘膜や外陰部・肛門部にびらんができる、下痢、血が混じった便や黒色の便が出る、皮膚が赤くなる・水膨れができる・かゆくなる・熱く感じる・発疹ができる・びらんができる、唇・口内が荒れる

Q13
上腹部に痛みがあるのですが…
A13
このお薬により、膵炎があらわれたとの報告があります。医師も注意深く観察していますが、以下のような症状にお気づきの際は、直ちに医師の診察を受けて下さい。

<代表的な症状>

激しい腹痛、背中が痛い、吐き気、嘔吐、発熱

副作用の記載について

お薬はいくつかの働きを持っています。あなたの病気を治したり、症状を和らげるために利用するお薬の働きを「主作用」といい、それ以外を「主」に対して「副」の働き、いわゆる「副作用」といいます。期待する働きだけあらわれるのが理想なのですが、理想的なお薬はなかなかありません。

「副作用が心配で…」、「副作用が恐いから薬はなるべく飲みたくない、使いたくない」そんな声をよく耳にします。しかしながら、「副作用が恐いから薬を飲まない」というのは、「手を切るのが心配だから包丁は使わない」、「交通事故が恐いからどんなに遠くても歩いて行く」のと同じではないでしょうか。料理するには包丁が必要ですし、旅行には交通手段も必要です。お薬も同じで、「副作用が心配だから」といって勝手にお薬を中止したり、量を減らしたりしていると、効果を期待することはできません。

いたずらに副作用を恐れるのではなく、副作用の正しい知識と理解を持ち、万が一副作用があらわれた場合でも、できるだけ早期に対処できるように上記の内容を記載しました。
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