3-1 情報は、あなたの“力”

がんといっても、その種類や進行度によって状態はさまざまです。あなたに一番適した治療法や療養生活のことは、あなたと担当医が話し合って決めていく必要があります。まずは、担当医とよく話し、自分の状態を正確に把握することが大切です。(P5「2 .医療者との対話のヒント」参照)

その上で、あなたの病気のこと、検査や治療法、療養生活などについて、もっと詳しいことを知りたいと思ったときは、自分でも調べてみましょう。情報を得ることで、知らなかったことに対する漠然とした不安が軽減することがあります。また、納得のいく決定をするにあたっても、その情報が判断材料となることがあります。

患者さんの手記 〔3〕
情報を得ることが、今後の指針になった
当初、治療のこと、今後のこと、わからないことがたくさんあり、不安でいっぱいでした。でも、自分も一緒に治療に参加する気持ちで病気の情報を集め、勉強するうちに、医療者の説明もよりよく理解できるようになり、納得してがん治療に取り組めた気がします。情報を得ることで、時にはつらい現実に直面させられた思いになることもありました。でも、何もわからずにいると、長い療養生活のうちにきっと不安が生じます。さまざまな選択肢を知ることは、今後の生き方を考える上での指針になると思います。

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がん情報を探すときの5つのポイント
1)今、必要な情報は何か、考える
状況によって、必要となる情報はさまざまです。あなたにとって、いま必要な情報は何か、考えてみましょう。メモに書き出すことで、頭の中を整理し、人に伝えることのきっかけとなり、情報のありかを探すことにつながるかもしれません。
2)インターネットを活用する
インターネットを活用すると、たくさんの情報を簡単に入手できます。自分で使えなければ家族など周囲の人に調べてもらいましょう。
3)相談支援センターを利用する
情報の探し方がわからないときには、がん診療連携拠点病院の相談支援センター※を利用してみましょう。相談員と話すうちに、問題が整理できることもあります。
※「がん診療連携拠点病院」「相談支援センター」について詳しくは、P13をご参照ください。
4)信頼できる情報か、考える
情報の正しさと、その情報が自分に当てはまるかどうかを判断するときには、情報の信頼性が大切です。複数の情報を照らし合わせたり、担当医に確認して判断しましょう。
健康食品やサプリメントなどの補完代替療法ほかんだいたいりょうほう※※のうち、がんへの効果が証明されたものはありません。中には有害なものもありますので、注意しましょう。
※※補完代替療法通常、がん治療の目的で行なわれている医療(手術治療や薬物療法[抗がん剤治療]、放射線治療など)を補ったり、その代わりに行う医療のことです。健康食品やサプリメントのほか、はりきゅうマッサージ療法、運動療法、心理療法と心身療法なども含まれます。
5)行動する前に、周囲の意見を聞く
得られた情報をもとに行動する前に、担当医や家族、また患者仲間などに意見を求めましょう。あなたの判断の助けになります。

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