がんの治療では、多くの場合、入院や定期的な通院、自宅療養が必要となるため、仕事や家事、社会活動に影響が及びます。治療とうまく付き合っていくためにも、これからの生活や暮らしのことも大切にしましょう。
治療と自宅での療養生活を両立していくためには、周囲の人に病気のことを伝え、役割を一時的に代わってもらうことも必要になるかもしれません。仕事を続けられるか不安に思い、休職や退職を考える方もいるかもしれませんが、大きな決断は急がないようにしましょう。
「がん相談支援センター」では、あなたの仕事、家事、育児、周囲の人との関わり、医療費や介護保険など、治療中だけでなく、退院後であっても、あなたの生活を一緒に考えるお手伝いをします。
さまざまな助成・支援制度や、介護・福祉サービスの中で、活用できるものがあるかもしれません。心配や不安があれば、ぜひ「がん相談支援センター」をご利用ください。
〜相談の例〜
手術の後、担当医より、これからしばらく治療が続くと言われました。しかし、経済面で余裕がなく、治療が続けられるか不安でした。その旨を伝えたところ、「がん相談支援センター」への相談を勧められました。
「がん相談支援センター」では、高額療養費制度や限度額認定証など、利用できる制度と手続き方法について、具体的にアドバイスをいただけました。また、担当医と相談の上、治療計画も工夫をしていただくことができ、安心して治療に臨めました。
よくある相談のご紹介
1 医療費について
・医療費のことで不安がある。自分が使える制度を知りたい。
・医療保険やがん保険など、民間保険の給付金・保険金の請求方法について知りたい。
2 家族とのコミュニケーションについて
・がんと診断されたことを、家族(親や子ども)にどう伝えたらよいのか。ショックを与えてしまうと思うとつらい。
3 就労について
・がんについて会社にどう伝えればよいか。伝えることで、職場で不利になることはないか。
・仕事と治療を両立できるか心配。
・仕事の都合に合わせて、治療のスケジュールを調整してもらえるか。
4 周囲との関わりについて
・将来の恋愛や結婚に際して、がんのことをどう相手に伝えればよいか。
・地域の人に自分ががんであることを知られたくない。
5 自宅での療養・介護について
・自宅で療養するために訪問看護を頼みたいが、どうしたらよいか。
・自宅で療養中、急に容体が悪化したらどうしたらよいか。