診断や治療の過程で、多くの患者さんは、喪失感、怒り、無力感、悲しみ、罪悪感などつらい気持ちを体験します。
そのようなとき、信頼している家族や友人など周りの人に、胸のうちを十分に話すことで、気持ちが和らいだり、病気とたたかう気力が出たという人もいます。
一方で、「気の持ちよう」だけではどうにもならないほど不安になったり、落ち込んだりすることもあります。
このようなときは、「病気なのだから、つらくても仕方ない」と我慢せずに、担当医、看護師、「がん相談支援センター」などの医療スタッフにご相談ください。
「がん相談支援センター」では、あなたの思いをお聞きしながら、つらさを軽減するためにはどうしたらよいかを一緒に考えていきます。また、必要に応じて医療的なケアもご紹介ができます。
〜相談の例〜
治療開始後も、「治療がうまくいかなかったら」「再発したら」と、不安で仕方がありませんでした。また、友人の存在に励まされる一方、「なぜ自分だけがこんな目にあうのか」との思いが拭えませんでした。
「がん相談支援センター」で話をする中で、いっぱいいっぱいだった自分の気持ちが、少しずつほぐれてきたように思います。また、「家族でも友人でもない関係」だからこそ、話せることもありました。不安もありますが、今は、一日一日を、自分を大事にしながら過ごしていきたいと思っています。
よくある相談のご紹介
1 気持ちの落ち込み
・がんの診断を受けて以来、やりきれない気持ちが続いている。
・再発への不安で頭がいっぱいになってしまう。
2 自分の気持ちを整理する
・気持ちが整理できていないが、漠然とした不安がある。
・特に大きな問題を抱えているわけではないが、自分の気持ちを誰かに聞いてほしい。
・これまでの治療や今後について、誰かに話して、気持ちの整理をしたい。
3 生き方
・自分と似たような状況の人の話を知り、参考にしたい。
・「がんを体験した自分」が、社会から取り残されたように感じる。これから、どのように生きていけばいいのか。
4 患者会・サロン
・同じような立場の人と話がしたい。地域に患者会はあるか。