病期は、ローマ数字を使って表記することが一般的で、胃がんでは早期から進行するにつれてⅠ期〜Ⅳ期まであります。なお、胃がんでは、病期のことを進行度(ステージ)といいます。
進行度は、次のTNMの3種のカテゴリー(TNM分類)の組み合わせで決まります。
Tカテゴリー:がんの深達度(がんの深さ)(図2)
Nカテゴリー:領域リンパ節(胃の近くにあるリンパ節)への転移の有無
Mカテゴリー:遠隔転移(がんができた場所から離れた臓器やリンパ節への転移)の有無
胃がんでは、がんの深達度が粘膜および粘膜下層にとどまるT1のものを「早期胃がん」といい、粘膜下層を越えて広がるものを「進行胃がん」といいます。
なお、胃がんの治療方針を決めるための進行度(ステージ)には、臨床分類と病理分類の2つの分類があります。
【10ページ図 図2 胃がんの深達度】
日本胃癌学会編 胃癌取扱い規約 第15版 2017年 金原出版 P17より作成
【図終わり】
(1) 臨床分類
臨床分類は、治療方針を決めるときに使う分類です。画像診断や生検、審査腹腔鏡などの結果に基づいてがんの広がりを推定します(表1)。
【11ページ表 表1 胃がんの臨床分類】
日本胃癌学会編 胃癌取扱い規約 第15版 2017年 金原出版 P26より作成
【表終わり】
(2) 病理分類
病理分類は、手術で切除した病変を病理診断し、実際のがんの広がりを評価した分類です。術後補助化学療法が必要かどうかなど、手術後の治療方針を判断したりするときなどにも使われます(表2)。病理分類による分類は、手術前の検査によって推定した臨床分類と一致しない場合があります。
【12ページ表 表2 胃がんの病理分類】
日本胃癌学会編 胃癌取扱い規約 第15版 2017年 金原出版 P26より作成
【表終わり】