4-1-3 治療の選択

治療は、標準治療を基本として、本人の希望や生活環境、年齢を含めた体の状態などを総合的に検討し、担当医と話し合って決めていきます。

図3は、0期~Ⅲ期の、図4はⅣ期の大腸がんの標準治療を示したものです。担当医と治療方針について話し合うときの参考にしてください。

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【10ページ図 図3.0期~Ⅲ期の大腸がんの治療の選択】

大腸癌研究会編.大腸癌治療ガイドライン 医師用 2022年版.2022年、金原出版.より作成

図3

【図終わり】

0期〜Ⅲ期では、主にがんを切除できるかどうかを判断し、切除できる場合には内視鏡治療または手術が勧められます。また、Ⅲ期もしくは再発リスクが高いⅡ期の場合は、手術のあとに薬物療法を行うことが勧められます(図3)。

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【11ページ図 図4.Ⅳ期の大腸がんの治療の選択】

大腸癌研究会編.大腸癌治療ガイドライン 医師用 2022年版.2022年、金原出版.より作成

図4

【図終わり】

Ⅳ期では、他の臓器に転移したがん(遠隔転移巣)が切除できるかどうかを判断します。遠隔転移巣、原発巣ともに切除可能な場合は、手術が勧められます。遠隔転移巣が切除可能であっても原発巣の切除ができない場合は、原則として、薬物療法、放射線治療などの手術以外の治療法が勧められます。遠隔転移巣の切除が不可能であって原発巣の切除が可能な場合で、原発巣による症状があるときなどは、原発巣の手術を勧められることがあります(図4)。

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なお、転移しやすい部位は、肝臓や肺、腹膜、脳、骨などです。肝転移・肺転移の治療には、手術、薬物療法、放射線治療があります。転移した部位が切除可能なときは手術が行われることがあり、手術で切除できない場合でも薬物療法の効果があったときには、手術で切除可能となる場合もあります。脳転移の治療には、手術と放射線治療があります。