4-1-3 肝予備能・肝細胞がんの状態と治療の選択

治療は、標準治療を基本として、本人の希望や生活環境、年齢を含めた体の状態などを総合的に検討し、担当医と患者が話し合って決めていきます。なお、肝細胞がんになった人の多くは、がんと慢性肝疾患という2つの病気を抱えています。そのため、まず肝予備能をChild-Pugh分類を用いて評価し、治療法を選択します。

図2は、肝細胞がんの標準治療を示したものです。担当医と治療方針について話し合うときの参考にしてください。

【13ページ図 図2.肝予備能・肝細胞がんの状態と治療の選択】

日本肝臓学会編「肝癌診療ガイドライン2021年版」2021年.P76.金原出版

図2

【図終わり】

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Child-Pugh分類がAまたはBで、がんが肝臓内にとどまっている場合の治療は、肝切除、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)が中心です。遠隔転移(肝臓以外の臓器にがんが転移すること)がある場合には、薬物療法を選択します。 Child-Pugh分類Cの場合は、肝移植を選択することもあります。