4-4-1 肝動脈化学塞栓療法(TACE)/肝動脈塞栓療法(TAE)

肝動脈化学塞栓療法(TACE)は、鼠径部あるいは肘や手首の動脈からカテーテルを入れ、血管造影しながら先端を肝動脈まで挿入し、細胞障害性抗がん薬と肝細胞がんに取り込まれやすい造影剤を混ぜて注入し、その後、肝動脈を詰まらせる塞栓物質を注入する治療法です。肝動脈を詰まらせることで、がんへの血流を減らし、細胞障害性抗がん薬によりがん細胞の増殖を抑えます。

肝動脈塞栓療法(TAE)は、鼠径部あるいは肘や手首の動脈からカテーテルを入れ、血管造影しながら先端を肝動脈まで挿入し、塞栓物質のみを注入する治療法です。肝動脈を詰まらせることで、がんに栄養を運んでいる血管を人工的にふさぎ、血流を減らします(図3)。

なお、①肝動脈化学塞栓療法(TACE)を2回行っても治療の効果が不十分か、肝臓内に新たにがんができたとき、②脈管にがんが広がったときや遠隔転移が起こったとき、③腫瘍マーカーが持続的に上昇するときのいずれかの場合には、治療法の変更を勧められることもあります。

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【19ページ図 図3.塞栓療法(鼠径部からカテーテルを入れる場合)】

図3

【図終わり】