2-2 肝細胞がんとは

肝細胞がんは、肝臓の細胞ががん化したものです。肝細胞がんの発生には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎などによる、肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響しているとされています。

脂肪肝炎とは、脂肪が過剰にたまった肝臓(脂肪肝)が炎症を起こしている状態です。5ページまた、肝硬変とは、肝炎ウイルスや脂肪肝などによる炎症が長期間にわたって続いた結果、肝臓が硬くなった状態をいいます。

同じ肝臓にできたがんでも、肝臓の中を通る胆管ががん化したものは「肝内胆管がん(胆管細胞がん)」と呼ばれ、治療法が異なることから区別されています。ここでは、肝細胞がんについて解説します。

なお、日本で発生する肝がんの90%以上は肝細胞がんであるため、一般的には「肝がん」とは「肝細胞がん」のことを意味します。