3−3.放射線治療

舌がんに対しては、放射線を放出する物質(放射性同位元素)を、管や針などを使って、がん組織やその周辺の組織に直接挿入して照射する「組織内照射」と、体の外からがんに放射線をあてる「外部照射」があります。

組織内照射は、一般的にT1・T2で腫瘍の厚さが1cmを超えない場合に行います。T3や腫瘍の厚さが1cmを超える場合でも行う場合があります。

外部照射は、組織内照射との併用や、術後補助療法として薬物療法との併用で行うことがあります。

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●副作用について

放射線治療の副作用は、早期のもの(放射線治療中や治療後数ヶ月以内に生じるもの)と、それ以降に生じる晩期のものに分けられます。

早期の副作用には、唾液の出る量の減少、口腔こうくう乾燥、味覚障害、口腔粘膜炎による痛み、舌運動機能の低下、皮膚の炎症による痛みなどの症状があらわれ、しばしばものを食べたり、飲み込んだりする機能が低下します。また、倦怠けんたい感や体力低下が起こることもあります。

晩期の副作用としては、開口障害、唾液が出にくいことによる虫歯の増加、歯の欠損や下顎骨壊死かがくこつえしなどがあらわれることがあります。放射線治療の影響は長期に及び、治療が終了して何年たってもまれに抜歯をきっかけに下顎骨の骨髄炎になることもあります。治療終了後も口の中をきれい保ち、歯科を受診する前には担当の医師にそのことを伝えましょう。

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