卵巣がん・卵管がんの組織診断では、手術で切除した卵巣や卵管の組織から標本を作製して顕微鏡で観察し、良性・境界悪性・悪性の判定や、組織型の確定をします。最終的な診断結果が出るまでには2週間から3週間かかります。
手術前に境界悪性や悪性が疑われた場合には、手術の範囲を決めるために、手術中に組織や細胞を採取し、病理診断を行うことがあります(術中迅速病理診断)。術中迅速病理診断には、標本にできる組織の量や時間のほか、さまざまな制約があります。そのため、切除した組織を手術後に詳しく調べて確定した最終的な病理診断と異なる場合があります。診断が異なった場合には、最終病理診断にあった適切な術後治療を行います。
卵巣がん・卵管がんの細胞診では、胸水や腹水などにがん細胞が含まれていないかを確認します。胸水や腹水がたまっていることが手術前にわかった場合は、皮膚から針を刺して胸水や腹水を採取して調べることがあります。