転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れなどに乗って別の臓器に移動し、そこで成長することをいいます。また、再発とは、治療の効果によりがんがなくなったあと、再びがんが出現することをいいます。
外陰がんの場合、再発は、初回手術から2年以内に発生することが多い傾向にありますが、5年以降に再発する場合もありますので、長期で経過観察する必要があります。
初回治療時に、鼠径リンパ節転移が認められた場合には、鼠径部や骨盤リンパ節での再発、遠隔転移をすることがあります。その一方で、初回治療時に鼠径リンパ節転移が認められなかった場合には再発率も低く、再発した場合でも局所にとどまることが多い傾向にあります。
局所再発のみの場合は、局所切除術によって根治を目指すことができます。また、切除が困難で、周辺の臓器に浸潤している場合には、これまで放射線治療を行っていないのであれば、放射線治療または放射線治療を併用した化学療法(化学放射線療法)も考慮されます。さらに、他の臓器に転移が生じた場合には、化学療法が選択されることもあります。
外陰がんの再発、転移においては、年齢、持病の内科的疾患、全身状態から総合的に考えて、症状の緩和と、生活の質の維持や向上を第一優先することも大切です。