放射線が照射された部位に起こる皮膚炎はほぼ全例に発生します。さらに、放射線治療に化学療法を併用した場合(化学放射線療法)に起こる副作用としては、だるさ、吐き気・嘔吐、食欲低下、白血球減少などがあります。また、放射線治療が終了して数カ月から数年たってから起こる症状(晩期合併症)もあります。患者さんによって、副作用の程度は異なります。
(1)放射線皮膚炎
放射線を体の外から照射する「外照射」の場合、放射線は皮膚を通過して病巣に達するため、照射された部位の皮膚に日焼けのような症状が起こります。清潔と安静を保つため、摩擦や排泄物など皮膚への刺激を避けることが大切です。近年は、一方向からの照射ではなく、放射線量を分散した照射ができる場合もあり、皮膚障害のリスクを低くすることができます。
(2)晩期放射線合併症
晩期合併症としては、外陰部皮膚の潰瘍が代表的です。また、腟粘膜、膀胱粘膜、直腸粘膜の潰瘍や、深部静脈塞栓症、下肢のリンパ浮腫、尿道と腟の間に穴が開く尿道腟瘻、尿道や腟の通りが狭くなる、小腸がつまる、大腸の通りが狭くなるなどが生じることがあります。