手術の後に腸閉塞が起こることがあります。腸閉塞は、腸の炎症による部分的な癒着(本来はくっついていないところがくっついてしまうこと)などにより、腸管の通りが悪くなる状態のことをいいます。便やガスが出なくなり、おなかの痛みや吐き気、嘔吐などの症状が出ます。多くの場合、食事や水分を取らずに点滴を受けたり、胃や腸に鼻からチューブを入れて胃液や腸液を出したりすることなどで回復しますが、手術が必要になることもあります。
このほかにも、術式によってさまざまな合併症が起こることがあります。例えば、回腸導管造設術では、尿管や腸管のつなぎめから尿などが漏れることがあります(縫合不全)。腹膜炎を併発した場合には緊急、手術が必要となることがあります。
また、自排尿型新膀胱造設術では、尿意を感じなくなるため、尿もれを起こすことや、膀胱に尿がたまりすぎて膀胱が拡張し、排尿が困難になることがあります。尿が出なくなった場合には、自分で尿道にカテーテルを通し、尿を導き出す自己導尿が必要になります。また、尿管皮膚ろう造設術では、ストーマの開口部が狭くなりやすく、カテーテルやステントの留置が必要になる場合があります。