4−8 転移・再発

転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れなどに乗って別の臓器に移動し、そこで成長することをいいます。また、再発とは、治療により縮小したりなくなったりしたようにみえたがんが再び出現することをいいます。

筋層非浸潤性膀胱がんが膀胱内に再発した場合には、最初に膀胱内にがんができた場合と同様にTURBTを行います。病理診断の結果によって、BCGの膀胱内注入療法や膀胱全摘除術などを行うことがあります。

筋層浸潤性膀胱がんは、リンパ節、肺、肝臓、骨などに遠隔転移することがあります。膀胱全摘除術後に遠隔転移をしたり、もともと膀胱があったあたりや上部尿路、尿道などにがんが再発したりすることもあります。

遠隔転移をした場合や、膀胱を全摘除した後にがんが再発した場合には、細胞障害性抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬による薬物療法を検討します。また、膀胱内の出血や骨転移による痛みを緩和するなどの目的で、放射線治療を検討することもあります。

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