3−1−3 治療の選択

治療法は、腫瘍の性質や体の状態などから検討します。患者やご家族の希望なども含めて検討し、担当医と共に決めていきます。

図1は、胚細胞腫瘍の治療について、一般的な流れを示したものです。担当医と治療方針について話し合うときの参考にしてください。

【8ページ図 図1.小児の胚細胞腫瘍の臨床診断と治療】

日本小児血液・がん学会編.小児がん診療ガイドライン 2016年版.2016年,金原出版.より掲載

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【図終わり】

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まずは検査結果から良性の奇形腫か、悪性かを判断します。良性の場合は、手術(外科治療)のみで治療は終了です。悪性の場合は、まず手術が検討されます。切除した組織を顕微鏡で診断して、すべて取り切れていた場合でも、手術の後に薬物療法の1つである化学療法を行うことが多いです。すべて取り切れなかった場合は、化学療法を行い、再度手術を行うこともあります。また、完全切除が困難な場合や遠隔転移のある場合には術前化学療法を行うこともあります。

再発時には化学療法を中心とした集学的治療を行います。

15歳からの青年期に発症した精巣腫瘍や卵巣胚細胞腫瘍は、成人の腫瘍の場合と同じ治療を行うことがあります。