良性の胚細胞腫瘍に対しては、原則として手術による治療が行われます。
I期の精巣胚細胞腫瘍は、摘出手術のみで化学療法は行わず、経過を観察します。
卵巣の胚細胞腫瘍は両側に発生することがあるため、可能であれば腫瘍のみを切除して卵巣を温存するようにします。完全摘除が困難と思われる場合は、化学療法で腫瘍を縮小させた後に手術を行います。
新生児の大きな仙尾部腫瘍では、腫瘍部分を流れている血液の量が多く、出血により難しい手術になることもあります。
尾骨に腫瘍が発生した場合は、尾骨の切除を行います。
後腹膜腫瘍では、腫瘍の大きさによって良性の場合でも腎臓など周囲組織を一緒に切除しなければならないことがあります(15〜50%)。
縦隔の腫瘍では、まれに腫瘍が気管を圧迫して呼吸困難となる場合があり、緊急に胸部を開けて圧迫を取り除く手術が必要となることがあります。