3−5 病気別の治療

TA、TB、U期については広範切除のみで治療します。VA、VB期についても広範切除が基本ですが、例えば滑膜肉腫のように比較的化学療法の効果が高いことが期待される悪性度が高い腫瘍で、深部に発生した5cmを超えるような肉腫に対しては補助化学療法が推奨されます。

W期でもリンパ節転移のみであれば、V期と同じ治療方法をとることが可能な場合もあります。

遠隔転移がある場合は、すべての病巣が切除可能であれば、積極的に切除と化学療法が行われることもありますが、基本的には治癒は難しく、薬物療法が主体となります。

血行性転移を認める小児の軟部肉腫の場合は、どの種類の腫瘍でも予後は悪く、決まった治療方法はありません。基本的な治療は薬物療法になりますが、状況に応じて原発巣や転移巣の切除が行われたり、放射線治療が行われることがあります。

11ページ