3−2.手術(外科治療)

腫瘍が発生した部位(局所)にとどまっている場合、その局所の腫瘍を切除しますが、なるべく再発が起こらないように手術を行います。腫瘍は成長するときに、腫瘍の周囲に反応層と呼ばれる膜のようなものをつくりますが、この反応層の中にはすでに腫瘍細胞が入り込んでおり、反応層で切除すると再発率が高くなってしまいます。そのため、反応層の外側で周囲の正常組織とともに切除する広範切除が行われます(広範切除術)。

近年、腫瘍を大きく切除した後、再建として別の部位の皮膚、筋肉、骨などを切除部位に持ってきて細い血管を顕微鏡下でつないだり(再建手術)、静脈や人工血管を使って血管を移植したりする技術が進歩してきました。そのため、以前であれば切断するしかなかった場合でも、手足を残して機能が温存できるようになってきました(患肢温存術)。

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腫瘍が大きくなって血管や神経が侵されてしまった場合は、手足の切断になることもあります。

リンパ節転移が疑われる場合は切除しますが、リンパ節郭清かくせいと呼ばれる系統的なリンパ節の切除が適切かどうかは分かっていません。