晩期合併症は治療後しばらくしてから起こる問題のことです。疾患そのものの影響よりも、薬物療法、放射線治療、手術、輸血などの治療が原因となっていることが多く、患者やご家族が、将来どのような晩期合併症が起こる可能性があるのかを知っておくことはとても大切です。
どのような晩期合併症が出やすいかは、病気の種類、受けた治療、その年齢により異なります。その程度も軽いものから重いものまでさまざまです。
具体的には、成長や発達への影響、生殖機能への影響、臓器機能への影響、二次がんなどがあります。ほとんどの晩期合併症は年齢を重ねるとともに発症しやすくなり、治療終了後何十年も経過してから症状があらわれることもあります。
晩期合併症に適切に対処するためには、発達段階に応じた、幅広いフォローアップケアが必要となります。治療後は一人一人の患者に合わせて、いつ・どこで・どのような診察や検査を行うかといった、長期フォローアップの方針を決めていきます。
また、治療の記録(薬物療法で使用した薬剤の名前や量、放射線治療の部位や量など)を残していくことも重要です。転居や結婚などにより生活環境や通院する医療機関が変わったときにも継続していきましよう。
治療部位以外でも体のことについて気になることがあれば、担当医に相談しましよう。