がんの再発に際しては、多くの方が、体や心も不安定で変化しやすい状態になります。ご本人が、自分の望むことを整理できないこともあります。また、ご家族がしてあげたいと思うことと、ご本人が望むことが違うこともあるかもしれません。
「こうあるべき」という正解はありません。しかし、適切に病状を理解し、気持ちの擦れ違いを避けるためにも、お互いの思いや、知り得た情報を共有することは大切です。まずは、日々の生活の中で意識的に対話を重ね、ご本人の望んでいることを見つけていきましょう。
図8に再発時に生じるご本人とご家族の声の例を示します。
がんが再発したとしても、これまで培ってきた関係が変わることはありません。普段通りに向き合っていきましょう。
【図8 再発時のご本人とご家族の声】
患者として悩んだこと
・ 両親に伝えるのが一番つらかった。
・ 家族には隠さないことが一番大切だと思い、勇気をもって話をした。
・ 再発時に家族との知識・情報の差があり、意識のずれが生じた。
家族として工夫したこと
・ 今まで通りに接した。
・ 他の家族(子供たち)に何をどこまで伝えるか、本人の希望を聞いた上で対応した。
・ 絶望的な病状でも、わらをもすがる思いで「科学的根拠のある治療」から離れることはしなかった。
・ 担当医と何度も話して、言いにくいときは看護師さんや病院の相談窓口で納得できるまで話した。
【図終わり】