治療は、がんの進行の程度や組織型に応じた標準治療を基本として、本人の希望や生活環境、年齢を含めた体の状態などを総合的に検討し、担当医と話し合って決めていきます。
中咽頭がんの治療では、がんの状態を改善することと同時に、飲み込むことや発声などの機能を残すことも重要視されています。手術と手術以外の治療法(放射線治療、放射線治療と薬物療法を併用する化学線療法)を比較しても、いずれもメリットとデメリットがあり、どちらがよいかはまだ分かっていません。そのため、治療法は、腫瘍の部位と広がり、転移の有無、機能温存の希望から決めていきます。
なお、がんがp16陽性か陰性かによって治療の選択が変わることはありません。
図2は、中咽頭がんに対する根治を目指す治療方法を示したものです。担当医と治療方針について話し合うときの参考にしてください。
【11ページ図 図2.中咽頭がんの治療の選択】
日本頭頸部癌学会編.頭頸部癌診療ガイドライン 2022年版.2022年.金原出版.より作成
【図終わり】