便秘は最もよくみられる「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の副作用のひとつで、開始直後から継続的にみられるものです。便通の管理を怠ると頑固な便秘となり、新たな苦痛となり、水様便(すいようべん)を伴う宿便に進行することもあります。
モルヒネには下痢をとめる作用がありますので、鎮痛効果が続くのと同時に便秘も持続します。「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」の使用中は、下剤(特に大腸刺激性緩下(かんげ)薬)を併用するようにします。
「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」による便秘は小腸の運動を抑制し、腸液の分泌を抑制するために、便が硬くなることによって生じます。そして大腸の蠕動(ぜんどう)運動は低下し、肛門括約筋(かつやくきん)の緊張が高まり排便が困難となります。
また、病気の進行により、食事摂取量の不足、発熱、体動の減少、大腸へのがんの浸潤など、便秘となりやすい病態を合併していることが多くみられます。便秘が長時間続くと、悪心(おしん)、食欲不振、腹部膨満感などの消化器症状を呈することがあり、治療も困難になるため予防することが大切です。
お通じを良くするためには、食事の量や種類も大切になります。食事の制限のない場合は、なるべく野菜、玄米食、海草などの繊維の多い食べ物を十分に食べるようにしましょう。繊維は消化吸収されないので、便の量を増やし、便意がつきやすくなります。水分の不足は便を硬くし、排泄を困難にします。可能であれば水分をとりやすくするために、かき氷や果物、シャーベットなどをとりましょう。
大腸の走行に沿って、「の」の字を書くようにマッサージしましょう。腹部や腰を温めるのも腸の血流を増加させ、効果的です。
胃−結腸反射の起こりやすい朝食後に排便を試みることで、条件反射による排便習慣が確立できます。座位かしゃがむなど、通常の排便動作にできるだけ近づけて排便を試みます。
日常生活のなかでこまめに体を動かすようにし、運動不足の解消につとめましょう。腹筋が弱いと大腸が緩み、いきむ力も弱くなるので便秘にはよくありません。
「モルヒネなどオピオイド鎮痛薬」による便秘の対策としては以下の2点があり、適切な下剤を選択します。
1.蠕動運動の亢進(こうしん)
2.水分の腸内での保持
下剤を飲んでも、すぐにはいつもどおりのお通じになるとは限りません。下剤の量が多ければ下痢になり、少ないと便秘になります。これらを繰り返すこともありますが、定期的に規則正しく内服することが大切です。下剤の効き目には個人差が大きいので、ご自分にあった下剤の量を探しましょう。
腸管粘膜を刺激し、腸の蠕動運動を亢進します。また、大腸での水分および電解質の吸収を抑制し、便の固くなるのを防ぎます。作用発現時間は一般的に遅く、7〜12時間ぐらいです。大腸刺激性緩下薬には、センノシド(プルゼニド(R))、ビコスルファートナトリウム(ラキソベロン液(R))などがあります。
ラクツロース(モニラック(R))、酸化マグネシウムなどがあります。