お金と健康保険

更新日:2014年12月22日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2014年12月22日 冊子第2版の内容に更新しました。
2013年10月25日 掲載しました。
Q63 療養中ですが退職することになりました。現在は健康保険と厚生年金保険に加入していますが、退職後の社会保険はどのようになるのでしょうか?また、退職後に傷病手当金の支給を受けることはできるのでしょうか?
Q64 入院による減収に加えて、治療費がかさんで家計が苦しくなりました。家計を支える制度にはどんなものがありますか。
Q65 治療費が高すぎて、支払えなくなりそうです。患者が治療費を借りられるような制度はないでしょうか
Q66 健康保険の高額療養費が支払われませんでした。どこに相談や確認をすればいいでしょうか。
Q67 収入がなく、保険料の支払いが困難です。国民健康保険の保険料が減額、免除される制度はありませんか。
Q68 自営業のため、休職中の経済的保障がありません。自営業者が使える経済支援制度はありませんか。
Q69 パートタイムで働いています。休職中は無給になるうえ治療費がかかり不安です。傷病手当金のような保障制度はありますか。
Q70 勤務時間が短いため、雇用保険の基本手当の受給資格がありません。再就職して生活を立て直すまでの生活費を支援する制度はありますか。
Q71 以前傷病手当金を受給したことがあります。今回、再発治療のため再び休業することになりました。傷病手当金を再度受け取ることは可能でしょうか。
Q72 傷病手当金の申請方法と準備するべきものについて教えてください。
Q73 傷病手当金の受給期間中に時短勤務することは可能でしょうか。
Q74 治療費のために、親の年金や貯金を使わせてもらっています。不安と罪悪感でいっぱいなのですが…。
Q75 治療後に体に障害が残りました。障害者手帳が交付されることはありますか。また、障害年金を受給することができるでしょうか。
Q76 発病前に生命保険に入っていなかったため、将来が不安です。今からでも契約できる生命保険はあるでしょうか。
Q77 休職期間中、社会保険料は免除されますか?
Q78 経済の負担が大きい1人親家庭が相談できる場所や、頼れる制度はありますか。
Q63療養中ですが退職することになりました。現在は健康保険と厚生年金保険に加入していますが、退職後の社会保険はどのようになるのでしょうか?また、退職後に傷病手当金の支給を受けることはできるのでしょうか?   
A63退職前に、会社の人事・労務部署に相談してみましょう。

●年金
退職後、年金については厚生年金を抜けて国民年金に加入することになります。

●健康保険
退職前に2カ月以上継続して勤務していた場合、社会保険は、任意継続被保険者として健康保険を継続することが可能です。継続の場合は、以前の健康保険組合の給付を最大2年間利用することができます。ただし、任意継続被保険者の申請は退職してから20日以内に手続きをする必要があります。
任意継続の手続きをしない(またはできない)場合は、市町村の国民健康保険に加入することになります。

●傷病手当金
職場を退職する日から1年以上さかのぼってその会社の健康保険制度に加入し、退職日以前から傷病手当金を受給していた場合、傷病手当金等の継続給付を受給できる場合があります。会社の人事担当部門や健康保険組合に確認してみましょう。
Q64入院による減収に加えて、治療費がかさんで家計が苦しくなりました。家計を支える制度にはどんなものがありますか。     
A64
●高額療養費制度
所得に応じて、一定限度額以上の医療費が免除される制度があります。医療機関や薬局の窓口で支払った金額が同じ月(月の初めから終わりまで)で一定限度額(自己負担額)を超えた場合に、その超えた金額が払い戻されます。払い戻される金額は、年齢や所得によって決まります。入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。治療を受けるご本人が同居親族の扶養家族になっている場合は、扶養者が高額療養費の申請をする必要があります。
自己負担額以上の医療費の払い戻しまでには少なくとも3カ月程度かかるため、あとから払い戻されるとはいえ、一時的な負担はかかります。70歳未満の方であれば、「限度額認定証」という書類を取得して支払窓口で提示すれば、入院費用と外来治療費の両方の支払いを自己負担額内ですませることができます。この制度を利用するには事前申請と認定が必要になりますので、受給の手続きなどは、勤務先の人事労務担当者や、加入している健康保険の事務所に確認してください。国民健康保険の方は、自治体の保険窓口で手続きできます。

●医療費控除
確定申告を行って医療費(交通費や装具などを含む)を申告すれば、所得控除を受けることができます。治療に関連してどこまでの費用が医療費控除の対象になるかは、国税局の「タックスアンサー」などで確認してください。

●傷病手当金制度
健康保険に加入している場合は、傷病手当金制度が使えます。4日以上連続で休業した場合、4日目から標準報酬日額の2/3が1年6カ月までの間支給されます。相談先は以下のとおりです。
【健康保険の場合】勤務先の人事労務担当者や、加入している健康保険の事務所にご確認ください。
【国民健康保険の場合】加入している健康保険組合や自治体の窓口に確認してください。加入している組合や自治体によっては傷病手当金制度があります(ない場合もあります)。
Q65治療費が高すぎて、支払えなくなりそうです。患者が治療費を借りられるような制度はないでしょうか     
A65高額療養費の貸付制度というものがあります。この制度についての手続きは勤務先の人事労務担当者へご確認ください。

国民健康保険に加入の場合も、各自治体によって高額療養費の貸付制度や、受任払い制度などが利用できる場合があります。受任払い制度とは、医療機関への支払いが困難な方に対し、国民健康保険組合から直接医療機関へ支払うことにより、申請者の一時的な金銭負担を軽減するための制度です。詳細はお住まいの自治体の国民健康保険窓口にお問い合わせください。
Q66健康保険の高額療養費が支払われませんでした。どこに相談や確認をすればいいでしょうか。     
A66健康保険の窓口で確認をしてください。手続きのタイミングで支払いに時差が生じる場合があります。

また、ご自身が1カ月に支払った治療費の合計金額を確認してみてください。高額療養費の計算方法上、複数の病院で診察を受けて治療費を支払っている場合は、高額療養費制度の対象になる額に到達しない場合もあります。このとき、各病院で21,000円以上の支払いがあれば、自己負担額を1カ月単位で合算することができます。

高額療養費の計算では入院時の食費負担や差額ベッド代は含まれません。また計算期間は同じ月(月の初めから月の終わりまで)となります。

高額療養費が支給されず、その理由や根拠に納得がいかない場合は、不服申し立て(審査請求)をすることもできます。
Q67収入がなく、保険料の支払いが困難です。国民健康保険の保険料が減額、免除される制度はありませんか。   
A67平成22年度から、一定の理由に該当する人を対象に国民健康保険料を軽減する制度がスタートしています。軽減を受けるには申請が必要です。制度の詳しい説明は、市町村の国民健康保険担当に問い合わせてください。また、低所得者への軽減制度や減免制度は、市町村によっては、一定の基準を満たせば対応してくれるところもあるので、詳細は各市町村の国民健康保険担当の窓口に問い合わせをしてください。
Q68自営業のため、休職中の経済的保障がありません。自営業者が使える経済支援制度はありませんか。  
A68自営業の方の多くが加入する国民健康保険は、傷病手当金について任意給付制度をとっていますので、自治体によって出る場合と出ない場合があります。加入地域の国民健康保険担当部署にご確認ください。また、職種別の国民健康保険に加入している方は、その国民健康保険組合にご確認ください。確定申告時の医療費控除制度も利用するとよいでしょう。

市町村の経済課や商工会議所などで、独自に緊急融資制度や借入金返済救済制度をもつ場合もあるので、担当窓口へ問い合わせてください。
Q69パートタイムで働いています。休職中は無給になるうえ治療費がかかり不安です。傷病手当金のような保障制度はありますか。  
A69パートタイム労働者の方が親族の扶養家族になっている場合、傷病手当金は支給されません。しかし、ご自分の給与から健康保険料が差し引きされている場合は傷病手当金を受給することができます。国民健康保険に加入している場合、傷病手当金は任意給付制度をとっていますので、自治体によって出る場合とでない場合があります。加入地域の健康保険担当部署にご確認ください。また、職種別の国民健康保険組合に加入している方は、その健康保険組合にご確認ください。確定申告時の医療費控除制度も利用するとよいでしょう。
Q70勤務時間が短いため、雇用保険の基本手当の受給資格がありません。再就職して生活を立て直すまでの生活費を支援する制度はありますか。   
A70雇用保険の受給資格がなくても、一定の要件を満たす方に対しては、さまざまな支援制度があります。

●求職者支援制度:雇用保険を受給できない求職者の方(ただし世帯収入や世帯資産が一定額を超える者を除く)が、「職業訓練受講給付金」を受給しながら、職業訓練によるスキルアップを通じて早期就職を目指す制度。申し込み等の窓口はハローワーク。

●総合支援資金貸付:失業等により日常生活全般に困難を抱えている方を対象として、生活の立て直しや経済的自立等を図ることを目的とした制度。社会福祉協議会とハローワークによる支援を受けながら、社会福祉協議会から、賃貸住宅入居時の敷金・礼金等のための資金や、生活を支援するための資金などの貸付を受けることができるもの。申し込み等の窓口は市町村の社会福祉協議会。

●臨時特例つなぎ資金貸付制度:離職などに伴って住居を喪失し、その後の生活維持が困難である方が、総合生活資金貸付、住宅手当、生活保護等を申請してから支給されるまでの間の、当座の生活費の貸付を受けることができる制度。申し込み等の窓口は市町村の社会福祉協議会。

参考URL 離職によって住宅等にお困りの方と雇用保険の受給資格が無い方に対する支援(厚生労働省)
Q71以前傷病手当金を受給したことがあります。今回、再発治療のため再び休業することになりました。傷病手当金を再度受け取ることは可能でしょうか。   
A71以前に傷病手当金を受給したときと同一の傷病を理由とする場合、以前の傷病手当金の受給を開始した日から1年6カ月以内であれば、再度傷病手当金を受給することができます。1年6カ月を超えていたら、再受給はできません。

また、今回の再発が以前とは別の傷病だと保険者が認めた場合には、前回からの経過期間とは無関係に、新たに受給ができる場合があります。勤務先の人事部門や健康保険組合などに相談してみてください。
働くことは「原動力」でした
3週ごとの抗がん剤治療中は体がつらかったので、堂々と休みたい~という心境になることもありました。正社員の方に「もっと休みなさい」と言われましたが、根本的にパートと正社員では立場が違います。正社員は堂々と休めるけれどもパートはわずかな有給休暇のほかは休んだらお給料が減るだけです。時には「何でこうまでして働かなくちゃいけないか」と思ったこともありました。

でも、やはり、人の輪の中にいて、頼られ、必要とされることは自分にとってよかったと思います。やらねばならないことが目の前にある。家族関係と似ているかもしれないです。「自分ががんばらなくちゃ」と思うことが励みにもなります。仕事しなきゃ、という気持ちや職場に出ようとするがんばりが、結果的に自分を突き動かす原動力になったような気がします。

〈女性 診断時53歳 乳がん パート〉
Q72傷病手当金の申請方法と準備するべきものについて教えてください。   
A72●必要な書類
・傷病手当金支給申請書
※「傷病手当金支給申請書」には、医師の証明印(必須)と勤務先の証明印(退職後を除き必須)が必要です。
・出勤簿のコピー
・賃金台帳のコピー

●申請方法・窓口
・協会けんぽ:全国健康保険協会 各都道府県支部 に郵送
・健保組合や共済組合:加入組合によって異なります。担当者に問い合わせてください。
Q73傷病手当金の受給期間中に時短勤務することは可能でしょうか。   
A73受給期間中に時短勤務で就労した場合、時短勤務で支給された金額が傷病手当金の額を超えていなければ、その差額が支給される場合があります。
Q74治療費のために、親の年金や貯金を使わせてもらっています。不安と罪悪感でいっぱいなのですが…。     
A74どうぞ、ご自身を責めないでください。今は、ご家族への感謝を伝えることと、病気療養を前向きに行うことが、今一番大切だと思います。体調が安定したときに、恩返しをする機会がきっとあります。
Q75治療後に体に障害が残りました。障害者手帳が交付されることはありますか。また、障害年金を受給することができるでしょうか。     
A75主治医、もしくは通院している病院のソーシャルワーカーに相談すれば、身体障害者として認定されそうかどうか、また障害年金の受給の可否について、ある程度判断できます。その上で、申請することになれば、専門医の診断などが必要になります。手続きについては、病院の医療ソーシャルワーカーや各自治体の障害者福祉担当部署に問い合わせてみましょう。

障害年金は障害の程度によって支給の有無や支給額が異なる場合があります。医療ソーシャルワーカーや社会保険労務士、あるいは年金事務所が相談に乗ってくれます。
Q76発病前に生命保険に入っていなかったため、将来が不安です。今からでも契約できる生命保険はあるでしょうか。     
A76生命保険で何を保障してほしいのかを明確にしましょう。多くの場合、すでに発症している病気では保障の対象外となりますが、既往症としてがんがあっても加入できる生命保険はいくつかの会社から売り出されていますので、探してみるとよいでしょう。契約前に、既往症に関する条項はしっかりと文面を確認しましょう。

なお、申告時に既往症で事実と違うこと(例えばがんの既往症がないなど)を書き、それが生命保険会社にわかると、生命保険は支払われない可能性もあり、それまでに支払った保険代も戻ってきません。
父の死から学ぶ
働き盛りの50代前半で父はがんになりました。

息子の立場としては、「早すぎる死」が残念でなりませんでしたが、がん告知を受ける前から、父は貯金と生命保険で、治療費や残された家族の生活費を準備していてくれていたことに助けられました。
父は、妹の結婚を知らずに他界しましたが、闘病中にもかかわらず、妹の結婚資金を少しずつ貯金しており、そのことは彼の死後に知りました。

彼の死から学んだことは、いつか「病」はやってくるであろうということ。そして、いざという時に自分の大切な人たちが困らないよう、健康なときから準備しておくということです。ですから、身の丈にあった生命保険に加入しておくことは、決して悪いことだとは思いません。

私は、中小企業の経営者の立場からも、従業員に「会社ができることには限界があること」と「自分の身は自分で守ること」を機会があるたびに話しています。

〈男性 40代 遺族〉
Q77休職期間中、社会保険料は免除されますか?   
A77休職期間中でも社会保険料の免除はありません。傷病手当金や休職給を受給している場合は、その金額から社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)を納付する必要があります。
Q78経済の負担が大きい1人親家庭が相談できる場所や、頼れる制度はありますか。     
A78地方自治体(都道府県や市町村)は、1人親家庭に向けた支援制度や相談窓口を提供しています。子育てや生活支援、就業支援、経済支援など、さまざまな支援制度がありますので、まずは、お住まいの自治体が提供するサービスを探してみましょう。通院先の医療ソーシャルワーカーも相談に乗ってくれるかもしれません。特に1人親家庭に向けた職業紹介事業をする会社もあります。

【がんになったら手にとるガイド】
社会とのつながりを保つ
公的助成・支援の仕組みを活用する

身近な人ががんになったとき
207.身近な人ががんになったとき(PDF)

「がん患者の就労を含めた社会的な問題」関連リンク集
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