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がん登録とがん対策

更新日:2014年11月14日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2014年11月14日 「がん登録の仕組み(地域がん登録についてさらに詳しく)」の内容を再編集し、「がん登録とがん対策」として再掲載しました。
2011年11月18日 更新しました。
2006年10月01日 掲載しました。

1.がん対策の目的は何ですか?

「がん登録」で集められたデータは、がん対策の立案や評価に活用されます。がん対策の目的は、がんになる人を減らすこと、がんから治る人を増やすこと、そして患者さんが元気に過ごせる期間を延ばし、苦痛を軽減することです。がん対策の取り組みの成果は、最終的には、がん死亡率の減少として示されます。がんの死亡率と罹患率とを比べることにより、がん予防の効果とがん医療の効果のそれぞれの寄与の度合いを知ることができます。

(1)がんになる人を減らす(一次予防)
(2)がんから治る人を増やす(二次予防)
(3)元気に過ごせる期間を延ばし苦痛を軽減する(三次予防)


適切ながん対策を計画し、(1)~(3)の成果を評価するためには、がんの死亡率、罹患率、生存率を継続して計算する「がん登録」の仕組みが必要です。

2.がんの死亡率、罹患率とは何ですか?

がんの死亡率とは、一定の対象者の中から(例えば、日本において)、一定期間内に(2010年の1年間に)、「がん」が原因で死亡した数を、対象者数(日本の人口)で割り、10万を乗じたもの(人口10万人あたり)と定義されます。

がん死亡率= 一定期間内にがんが原因で死亡した数 ×100,000

対象者数

日本全体から一定期間内に生じた「がん」によるすべての死亡数から、死亡率を計算することができます。「がんが原因で死亡した数」は、日本においては、厚生労働省が管理する人口動態統計という仕組みにより整備されているので、正確な数を知ることができます。

がんの罹患率は、死亡率における「がんが原因で死亡した数」を「新たにがんと診断された数」に置き換えることによって計算することができます。「新たにがんと診断された数」を正確に知るには、日本全体から一定期間に生じた新たながんを1件1件積み上げる「がん登録」仕組みが必要です。

がん罹患率= 一定期間内に診断されたがんの数 ×100,000

対象者数

3.がんの罹患率から何がわかりますか?

例えば、日本の胃がん死亡率は継続して低下していますが、これには胃がんの罹患率の減少が大きく寄与しています。また、肺がんの死亡率と罹患率とを比べると、肺がんの早期診断と医療の効果はほかの部位に比べて限界があり、肺がんにならないための予防が何より効果的であることがわかります。実際、がん予防として喫煙対策の進んだ欧米では、肺がん罹患率が減少し、これに続いて死亡率も減少に転じています。

しかし、日本では、死亡数の場合と異なり、がんの罹患率計算に必要な、国全体の「新たにがんと診断された数(=罹患数)」を数える仕組みは存在しません。現在は「地域がん登録」がその役割を担っていますが、2016年1月から「全国がん登録」が導入され、国で情報を一元化できるようになります。

4.がん患者の生存率とは?

がん患者の生存率は、がん医療の効果を評価する指標となります。例えば5年生存率は、全罹患者について、診断から5年後に生存が確認できた割合を意味します。つまり、生存率を計算することで、がんから治る人を増やす取り組み(早期発見、効果的な治療方法の開発と普及)の総合的効果を知ることができます。

生存率を計算するためには、「罹患の把握」の上に、さらに「がん患者の生死の把握」が必要です。これを行っているのも現在は「地域がん登録」ですが、「全国がん登録」が始まると、国全体におけるがん患者の情報の把握ができるようになります。
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