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骨肉腫〈小児〉(こつにくしゅ)

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更新・確認日:2014年04月22日 [ 履歴 ]
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2014年04月22日 2013年6月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。

手術(外科治療)

治療は抗がん剤治療と手術が基本になります。手術の原則は腫瘍を周囲の健康な組織で包んで取ることであり、これを広範切除(こうはんせつじょ)といいます。手足に栄養を送る重要な血管や、手足を動かす神経を残すことができれば、手足を残す患肢温存手術(かんしおんぞんしゅじゅつ)が可能であり、切断しなくてもすみます。手術のために欠損した骨の部分には自分の骨を別の部分から取ってきて移植したり、腫瘍用に開発された人工関節を入れたりして再建(さいけん)をします。

骨肉腫は骨の端にある軟骨部分である成長軟骨のすぐそばにできるため、手術の際にここを残すことはほとんど不可能です。特に10歳以下の、まだこれから身長が大幅に伸びる時期の子どもの場合には、膝の近くの成長軟骨をとってしまうと、成長が終わる頃には病気がない方の足に比べて10cm以上も短くなり、日常生活に支障を来すことになります。

そのため、大腿で切断をして義足を使うほうが生活しやすいという場合が多くなります。また、回転形成術といって、血管・神経以外は病気の部分を含めて皮膚も筋肉もとってしまい、残ったすねの下から足首、足を引っ張り上げて、前後180°逆さ(足の裏が前を向くよう)にして大腿部に接合する手術があります。こうすると前後が逆になった足首が膝の働きをしてくれるようになり、機能的には大腿で切断するよりすぐれたものになります。

しかし、最近は延長することが可能な腫瘍用人工関節や、さまざまな方法で骨を延長させる骨延長術が進歩し、10歳以下の子どもにも積極的に患肢温存を試みるようになっています。

一方、子どもの素晴らしい点は、適応能力がすぐれているということです。周囲が障害を理解できれば、子どもたちは障害を克服する、すぐれた資質をもっています。

放射線治療

骨肉腫は放射線を用いた治療が効きにくい腫瘍のため、放射線治療はほとんど行われません。しかし、腫瘍の大きさや生じた場所の問題から安全な広範切除が難しい場合や、再建が難しい患肢温存術を行う場合に、手術前あるいは手術後の補助的な治療として行うことがあります。

抗がん剤治療(化学療法)

骨肉腫が手術だけで治療されていた1970年以前は、90%近くの患者さんが再発していました。しかし現在では、手術後に抗がん剤治療を行うことで再発率を下げ、治癒率を上げることができます。また、手術前に抗がん剤治療を行い、腫瘍の縮小を図ることで手術がしやすくなり、患肢温存手術などが可能となります。

このため、通常2ヵ月から3ヵ月にわたる抗がん剤治療の後に手術を行い、摘出腫瘍で抗がん剤の効き方をみた後に、その効き方に応じて数ヵ月から1年の抗がん剤治療を追加することが、日本の治療の主流となっています。欧米でも日本と同様であり、基本的な抗がん剤の種類は同じですが、抗がん剤の量、内服か注射かなど投与の方法、組み合わせを変えてよく効くかどうか、また、新しい薬が効くかどうかなど、まだ確立されていない治療については、「臨床試験(りんしょうしけん)」として限定の治療が行われます。

使われる抗がん剤は、メトトレキサート、シスプラチン、アドリアマイシンの3剤が基本で、イホスファミドを加えることもあります。その他の薬剤が骨肉腫の治癒率向上に役立つかどうかはまだ研究中です。副作用としては、抗がん剤投与に伴う吐き気、嘔吐(おうと)や、それに続くだるさ、口内炎、白血球減少とそれに伴う感染症などに注意が必要です。また、シスプラチンでは腎障害や聴力障害、アドリアマイシンでは心臓の障害のおそれがありますので、それらの検査は定期的に行う必要があります。

予後(治りやすさ・治りにくさ)

骨肉腫の原発が四肢の骨で、治療を始めるときに転移のない骨肉腫は、現在の治療法での10年生存率(治療開始からある一定の期間経過した方々について、その時点で生存している方の割合)は60%以上と考えられます。また、治療前に転移があっても、あるいは治療後に転移が起こっても、肺転移に限られている場合は治る患者さんも多くなってきています。
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