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網膜芽細胞腫〈小児〉(もうまくがさいぼうしゅ)

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更新・確認日:2014年04月22日 [ 履歴 ]
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2014年04月22日 2013年7月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。
網膜芽細胞腫の診断は眼底検査を基本とし、必要に応じて画像検査を組み合わせて行います。また、全身の状態を把握するための診察も行います。検査に対する恐怖心を和らげたり、動きを制限するために、薬や麻酔を使用して眠った状態で検査をすることがあります。

検査と診断

医師の診察

全身の状態を把握するために、問診、聴診、血液検査などを行います。

前眼部・眼底検査

点眼薬で瞳孔(どうこう)を開き、網膜の状態と、硝子体や前房(ぜんぼう)に腫瘍が広がっていないかどうかを調べます。この検査で、1mm以下の小さな病変も見つけ出すことができます。

また、硝子体、前房への浸潤の有無、腫瘍に伴う網膜剥離の有無などもあわせて確認することが治療法の決定に重要です。

画像検査

超音波(エコー)検査

閉じたまぶたの上に測定用のプローブ(探触子:たんしょくし)を置き、眼球に超音波(エコー)を当てて、腫瘍の大きさを測定します。網膜芽細胞腫は腫瘍の内部が石灰化するという特徴があり、超音波検査でこの様子をみることができます。

超音波検査は被曝などの危険がなく、角膜混濁などで眼底検査が十分できない場合にも有用です。

頭部のCT、MRI検査

CTではX線を、MRIでは磁気を用いて、腫瘍の性質や広がりを調べます。CTでは眼球内の腫瘍の石灰化の様子を、MRIでは眼球外への腫瘍の広がりをより鮮明に確認することができます。

CTは、X線被曝による二次がんの危険があるため、複数回の撮影を必要とする場合はMRIを選択します。

MRIは、両眼性網膜芽細胞腫に脳腫瘍を併発する三側性網膜芽細胞腫の検出に有用です。石灰化の検出はできません。

全身検査

一般的ながんでは、治療前に全身への転移があるかどうかを確認するために、薬を投与してがん細胞に目印を付けてPETやシンチグラフィ、全身CTなどを行うことがあります。これらの検査には放射線が用いられます。網膜芽細胞腫では腫瘍が眼球外に広がっていない場合は、転移がみられることは非常にまれであり、一方で、網膜芽細胞腫の患者さんでは放射線によって別の悪性腫瘍(2次がん)を生じやすい傾向があることがわかっています。ですので、転移する危険性を低くするために、眼球外への広がりがみられる場合以外は、放射線を用いるこれらの検査は行われません。なお、眼球外への広がりがみられる場 合には、これらの検査に、骨髄検査、脳脊髄(せきずい)液検査なども組み合わせて行います。

病期(ステージ)

病期とはがんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。

網膜芽細胞腫では眼球を残すかどうかの基準として、現在は下記の国際分類が広く使われています。
表1 眼球内網膜芽細胞腫の国際分類(概略)
A 3mm以下の網膜腫瘍
B 3mm以上、黄班部、視神経近傍の網膜腫瘍
C 限局性播種(硝子体・網膜下)
D びまん性**播種(硝子体・網膜下)
E 摘出を要する進行例
*播種:発生部位から腫瘍がこぼれ落ちて、散らばった状態
**びまん性:腫瘍が広範囲に広がっている状態
A Linn Murphree. Ophthal Clin N Am 2005; 18: 41-53より作成
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