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地域相談支援フォーラム in 近畿 「よりよい相談支援のための院内連携と協働」開催記録

更新・確認日:2018年11月15日 [ 履歴 ]
履歴
2018年11月15日 掲載しました。
【開催概要】 【開催記録】
日時:2018年2月17日(土) 10:00~16:30
場所:奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~別館
主催:近畿各府県(大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県)がん診療連携協議会相談連絡部会(順不同)
共催:国立がん研究センターがん対策情報センター
後援:大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県(順不同)
★:京都府の相談支援部会が主催していることで、同部会の府における位置づけにより、府も主催団体とみなされます。

■プログラム

会場風景写真
午前 プログラム
9:30~ 開場
10:00~ 開会あいさつ
10:10~ 成果報告
大阪国際がんセンター 副院長・がん相談支援センター長 東山 聖彦
10:20~ 基調講演 テーマ『よりよい相談支援のための院内連携と協働』

1.「第3期がん対策推進計画におけるがん相談支援センターへの期待」
国立がん研究センター がん対策情報センター長 若尾 文彦

2.「診療医の立場からがん相談支援センター(がん専門相談員)に期待すること」
奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊

3.「緩和医療医の立場から院内の連携・協働に関してがん相談支援センターに望むこと」
和歌山県立医科大学附属病院 腫瘍センター緩和ケアセンター 副センター長 月山 淑
11:30~ パネルディスカッション テーマ『他府県、他施設の連携・協働の実際を知る』
6府県における院内の連携・協働の現状について報告
12:10~ 総合討論
午後  
13:40~ グループワーク
テーマ『院内連携・協働における、がん相談支援センター・がん専門相談員のなすべきことは』
15:15~ グループワーク発表
16:00~ 全体討議・情報共有
16:20~ 閉会あいさつ

■開会あいさつ

総合司会 奈良県立医科大学附属病院 川本 たか子
       和歌山県立医科大学附属病院 雑賀 祐子
奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊氏写真
奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊
2年前に開催された前回のフォーラムと同様、充実した会となるように、今日一日取り組んでもらいたいとのごあいさつをいただきました。

■成果報告

平成27年度地域相談支援フォーラム「がん患者団体との連携と協働」からの報告
大阪国際がんセンター 副院長・がん相談支援センター長 東山 聖彦氏写真
演者 大阪国際がんセンター 副院長・がん相談支援センター長 東山 聖彦
平成27年度の前回フォーラムで扱われた4つのサブテーマ「1.がん患者会などとの連携」「2.ピアサポーターの効果と活用」「3.がんサロンの運営」「4.地域活動の企画への関わり」について、その後の各施設での取り組みや活用状態を調査したアンケートの結果をご紹介いただきました。
4つのテーマ間で進展の程度に差はあるものの、いずれもフォーラムがきっかけとなって、一定程度の進展があったと考えられることをご報告いただきました。

■基調講演

テーマ『よりよい相談支援のための院内連携と協働』
座長 大阪国際がんセンター 池山 晴人

1.「第3期がん対策推進計画におけるがん相談支援センターへの期待」

国立がん研究センター がん対策情報センター長 若尾 文彦氏写真
演者 国立がん研究センター がん対策情報センター長 若尾 文彦
第3期がん対策推進基本計画より、がん相談支援センターの周知については、その実施主体が明確化(拠点病院等や主治医等の医療従事者)されていること、PDCAサイクルによる相談支援の質担保や相談員の質担保が求められていること、就労やそれ以外の社会的問題(妊孕性、自殺など)希少がんに関する情報発信、その他さまざまな領域において、がん相談支援センターの関与が求められていることをご紹介いただきました。

2.「診療医の立場からがん相談支援センター(がん専門相談員)に期待すること」

奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊氏写真
演者 奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊
がん対策基本法の成立から10年が経過し、がん相談支援の領域、特に療養生活をサポートするための社会資源の活用などについては強化されてきたこと、一方で、疾患・治療に関連する悩みや、主治医との関係に関する問題などについても、がん相談支援センターが連携体制づくりのキーとなっていくことが求められるなど、重要な課題をあげていただきました。

3.「緩和医療医の立場から院内の連携・協働に関してがん相談支援センターに望むこと」

演者 和歌山県立医科大学附属病院 腫瘍センター緩和ケアセンター 副センター長 月山 淑さん写真
演者 和歌山県立医科大学附属病院 腫瘍センター緩和ケアセンター 副センター長 月山 淑
患者や家族はさまざまな苦痛を抱えており、切れ目のない緩和ケアを提供していくためには、多職種の連携・協働が不可欠であること、また、資料や情報を並べているだけのがん相談支援センターでは十分な機能を果たしているとは言えず、それぞれの患者や家族の状況を的確にとらえ、その課題を解決できる社会資源に迅速につなぐといった対応が、がん相談支援センターには求められることを、臨床現場で生じた実際の例を交えてお話しいただきました。

■パネルディスカッション

テーマ『他府県、他施設の連携・協働の実際を知る』
6府県における院内の連携・協働の現状について報告
座長 兵庫県立がんセンター 橋口 周子
    和歌山県立医科大学附属病院 関本 査智子
大阪府 大阪赤十字病院 岩村 将大氏写真
演者 大阪府 大阪赤十字病院 岩村 将大
大阪府内の拠点病院などにおける院内連携・協働の現状を、調査結果に基づいてご報告いただきました。がん相談支援部門は地域医療連携・患者総合相談・入退院支援部門と併設される傾向にあり、事例やカンファレンスを通じた連携が行われていること、一方で院内部署の相互理解に課題を抱えていること、マンパワーの増加・組織体制整備・さらなる周知・相談員のスキルアップ等が必要と考えられることなどについてお話しいただきました。
演者 京都府 京都府立医科大学附属病院 清水 裕美子さん写真
演者 京都府 京都府立医科大学附属病院 清水 裕美子
京都府内の拠点病院等における院内連携・協働の現状を、調査結果に基づいてご報告いただきました。
地域医療連携・緩和ケア・入退院関連部門との間で、事例や相談内容を通じた連携が行われていること、事例検討会のような形で定期的な連携を実施している医療機関は少なく、他部門の職員の状況や業務内容を知らないといった課題があること、他部門と定期的に情報交換できる機会を設ける必要性などについてふれていただきました。
滋賀県 滋賀県立総合病院 三輪 真澄さん写真
演者 滋賀県 滋賀県立総合病院 三輪 真澄
滋賀県内の拠点病院などにおける院内連携・協働の現状を、調査結果に基づいてご報告いただきました。院内にさまざまな相談窓口があり、医療者もそれぞれの役割や業務の区別が難しい現状があること、院内外の患者サポートの資源関係図を作成するなどして連携・協働の状況を可視化していくような取り組みや、病院間役割分担の明確化と連携によって、情報提供や支援に困難を伴う事例に県内で対応する仕組みをつくっていくことの必要性についてふれていただきました。
奈良県 市立奈良病院 野武 栄子さん写真
演者 奈良県 市立奈良病院 野武 栄子
奈良県内の拠点病院などにおける院内連携・協働の現状を、調査結果に基づいてご報告いただきました。地域医療連携とがん相談が併設されている場合が多く明確な業務分担がなされていない、各部門の業務内容や職員の状況を知らないなどの課題があること、院内各部門の状況を知り、互いの業務内容の理解を深めるとともに、適切な人員配置や相談員のスキルアップを図るなど「知る・つながる・増やす」の3つをキーワードに、今後取り組んでいきたいとのお話をいただきました。
兵庫県 兵庫県立がんセンター 橋口 周子さん写真
演者 兵庫県 兵庫県立がんセンター 橋口 周子
兵庫県内の拠点病院などにおける院内連携・協働の現状を、調査結果に基づいてご報告いただきました。各種相談部門、緩和ケア、地域医療連携関連部門との間での事例ベースの連携が多い現状にあり、システムのような決まった流れがない分、院内各部門の役割を個々の相談員レベルで十分理解しておくことが求められること、連携の仕組みが作れるものはシステム化していくことの必要性などについてお話しいただきました。
和歌山県 日本赤十字社和歌山医療センター 吉村 いさ子さん写真
演者 和歌山県 日本赤十字社和歌山医療センター 吉村 いさ子
和歌山県内の拠点病院などにおける院内連携・協働の現状を、調査結果に基づいてご報告いただきました。がん相談支援センターは、地域連携部門や患者相談窓口との併設されている場合が多く、機能や業務の境目が不明瞭になっていること、また、ほかの院内相談部門との連携が不足していること、院内外へのがん相談支援センターの周知不足などの課題をあげていただきました。
総合討論
総合討論写真
がん相談支援センターの周知や連携・協働のあり方について、活発な意見交換がおこなわれました。
院内職員向けの周知については、診療科長会議や看護師長会議などの場に参加して定期的に報告を行う等のがん相談支援センター側からの発信とともに、病院長による上からの周知も不可欠であるとの話があがりました。
また、効果的な院内連携・協働のためには、院内職員の顔の見える関係づくりや、がん相談支援センターを利用したことでよい結果につながったという実感を持ってもらうことが最も有効であり、できるところから少しずつでもつながっていくこと、一緒に何かに取り組む機会を設けることが大切とのディスカッションにもなりました。

■グループワーク・発表

「院内連携・協働における、がん相談支援センター・がん専門相談員のなすべきことは」
座長 滋賀県立総合病院 三輪 真澄
    京都府立医科大学附属病院 清水 裕美子
グループワーク・発表風景写真
グループワークでは、成果報告・基調講演・パネルディスカッションをふまえて、5つのサブテーマ「①がん相談支援センターの院内周知、院外周知について」「②がん相談支援センターの望ましい相談員の配置と業務は」「③院内他部門の業務や役割を理解するには」「④がん相談支援センターの設置状況の違いによる他部門との連携は」「⑤医学的な判断など専門家との連携が求められる相談対応の在り方」についてディスカッションが行われ、各グループよりディスカッション内容を発表していただきました。

サブテーマ1では、特に医師をはじめとする院内職員向けの周知不足が大きな課題であり、医局やカンファレンスに出向いての広報や、院内職員向けの研修・院内報などを活用すること、またそれをルーティン化することで院内向け周知体制をシステムとして構築していくことができるのではないかといった発表がありました。
サブテーマ2では、相談員としてMSW・看護師・心理士が配置されている医療機関が多いこと、特に看護師職以外の場合に医療的な相談があった場合の対応に苦慮しており、相談員が相談できる先(各診療科の医師など)を院内のバックアップ体制として整えておくことが、相談対応の質を担保する意味でも大切という発表がありました。
サブテーマ3では、院内ラウンドやカンファレンス、あるいは各部門が行っている研修や職種を超えた合同研修等の場に参加することで、他職種・他部門への理解を深め、顔の見える関係づくりにつながるといった意見や、自分たち相談員にはどこまでのことができて、どこから協力してもらいたいのかを伝えること、相手の仕事に対するリスペクトを持ってコミュニケーションを図っていくことが必要といった意見が出されたことをご紹介いただきました。
サブテーマ4では、単独設置の場合には本来業務であるがん相談に集中できることが、また、併設の場合には院内の多職種と連携をとりやすいことがプラス要因であるとの意見が出ていたことをご紹介いただきました。相談支援センターで何ができるかを明確にしてアピールしていくことや、安易に連絡せず情報をしっかりそろえた上で他部門につなげることの重要性、相談者の課題解決に必要であれば、相談者の了承をしっかりと得た上で医師などにフィードバックしていくことの大切さについてもふれていただきました。
サブテーマ5では、診療ガイドラインやがん情報サービスを活用して、エビデンスに基づいた正確な情報提供を行うこと、相談員としての自分の限界を知っておくことが大切という意見や、医療情報を求める相談の背景には、主治医からの説明を十分理解できていないという要因がある場合が多いため、主治医への質問の仕方を一緒に考えるなど、主治医に帰していけるよう導くことが重要という意見があがっていたことをご紹介いただきました。また、各専門職とのつながりを、どの相談員でも活用できる、あるいは人事異動に左右されないものとするためには、各専門職とのつながりをシステムとして構築することが必要であることなどについてもふれていただきました。

■全体討議・情報共有

■全体討議・情報共有風景写真
最後に、今回のフォーラムを通して得られた気づきについて、全体討議・情報共有を行いました。
よりよい連携のためには相談対応の地道なフィードバックや院内外への周知、つながりを持った他職種・他部門と一緒になってそのつながりを強固にするためのシステムを構築していくこと、軸となるのはコミュニケーションであり、日常的なコミュニケーションの積み重ねが重要であるなど、たくさんの気づきをあげていただきました。

■閉会あいさつ

国立がん研究センター がん対策情報センター センター長 若尾 文彦氏写真
国立がん研究センター がん対策情報センター センター長 若尾 文彦
今回のフォーラムで得られた学びを自施設に持ち帰り、できることから取り組んでいただきたい、プランを立て、それを評価し、徐々に改善していくというPDCAサイクルを、まずは病院の中で、さらには都道府県内で進めていただくことが重要との話がありました。2012年から始まったブロックフォーラムは、今回で通算20回目の開催となること、いろいろな地域でPDCAの一手段としてこのブロックフォーラムが開催されており、近畿ブロックでもぜひ今後につなげていっていただきたいとのあいさつがありました。
奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊氏写真
演者 奈良県立医科大学附属病院 放射線治療・核医学科 教授 長谷川 正俊
グループワークでの議論や発表を通じて収集できた好事例の中には、今後に活かせるものがたくさんあったこと、よりよい連携・協働のためには、フィードバックを含めた双方向のコミュニケーションが大切であり、それができることで、患者にも病院にもプラスの効果が期待できるとのお話をいただきました。最後に、このブロックフォーラムがさらに発展して続いてほしいとのごあいさつをいただき、平成29年度地域相談支援フォーラムin近畿は終了いたしました。
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