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多地点合同メディカル・カンファレンス[2008-第13回]

更新日:2008年06月19日    掲載日:2008年04月17日

日時 2008年04月24日(木) 16:30〜18:00
テーマ 大腸がん肝転移切除成績の向上を目指して術後補助化学療法か術前化学療法か?
(国立がんセンター東病院発信)
司会 国立がんセンター東病院 上腹部外科 高橋進一郎
近年大腸がん治療は化学療法の進歩と共に成績が向上しStage IV切除不能症例のみでなくStage III症例でも術後補助療法による生存期間の延長が認められている。一方、切除可能大腸がん肝転移例に対して術後もしくは術前・術後化学療法が試みられているが未だ標準治療は定まっていない。本カンファレンスでは切除可能大腸がん肝転移の治療成績、現在行われている臨床試験についてレビューし今後の方向性について討論する。

1. 切除可能大腸がん肝転移に対する治療
国立がんセンター東病院 上腹部外科 高橋進一郎
大腸がん肝転移切除例は5年生存率30〜60%と長期生存が期待できるが患者の約3/4に及ぶ高率な術後再発は克服すべき課題である。当院では、術後補助療法として2004年から2005年FOLFIRI、2005年から2007年mFOLFOX6を希望者にpracticeとして行ってきたが、術後再発の検討では早期に再発する予後不良な群の存在が明らかになっている。治療成績を報告し今後の切除可能大腸がん肝転移治療について考察する。

2. 大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究
愛知県がんセンター中央病院 消化器外科 金光幸秀
大腸がん“切除可能”肝転移に対する標準治療は肝切除であるが、肝転移切除後には再発が多いため、切除後5年生存割合は40%程度に留まる。残肝再発が約49%、次いで肺転移が20〜30%にみられるため、肝転移切除後の局所再発である残肝再発と、肺転移を主とした肝外転移再発を抑制することが肝転移切除後の予後改善の課題である。このため、JCOGでは大腸がん肝転移切除例の術後再発抑制を目的として、新規抗がん剤オキサリプラチンを含んだFOLFOX療法(5FU+ロイコボリン+オキサリプラチン)の術後補助化学療法の有用性を、標準治療である肝転移切除単独療法と比較するランダム化第II/III相試験が進行中である(JCOG0603)。一方、近年の全身化学療法の成績向上から術前補助療法を行う戦略が考えられ、海外では肝切除単独と術前・術後にFOLFOX療法を行う群の比較試験(EORTC40983)が行われ、昨年のASCOならびに本年3月のLancet誌においてFOLFOX群で無増悪生存率が優れていたと報告された。大腸がん肝転移治療におけるJCOG0603試験の位置づけと今後の展開について報告する。

3. 新規化学療法 (FOLFOX)導入後の大腸がん肝転移の治療戦略
熊本大学大学院消化器外科学 別府 透、馬場秀夫
2005年5月より切除不能大腸がん肝転移ではFOLFOX先行、切除可能時に速やかに肝切除という方針で85例の治療を行った。肝切除率が31%から60%に向上 (内5例ではRFAを併用)、 FOLFOX先行による肝切除例の合併症の増加なし、 2年累積生存率は89%と良好、という結果を得ている。

用語集
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