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慢性骨髄性白血病

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慢性骨髄性白血病について

診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.慢性骨髄性白血病とは

血液の中にある血球には、外部から体内に侵入した細菌やウイルスなど異物の排除などを役割とする白血球、酸素を運搬する赤血球、出血を止める働きがある血小板があります。これらの血液細胞のもとは造血幹細胞ぞうけつかんさいぼうと呼ばれ、骨の内部にある骨髄こつずいに存在し、増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)して血液細胞となります(図1)。造血幹細胞は骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、好中球こうちゅうきゅうや単球が産生され、後者からはB細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ球が産生されます。好中球、単球、リンパ球は白血球に分類され、その主要な成分を構成します。

図1 造血幹細胞から血液細胞への分化
図1 造血幹細胞から血液細胞への分化の図

血液中の血球数は、通常は一定の数に保たれていますが、血液をつくる過程で異常が起こると、白血球や赤血球、血小板の数が病的に増加することがあり、これらの病気を総称して骨髄増殖性腫瘍と呼びます。慢性骨髄性白血病は骨髄増殖性腫瘍に分類されます。骨髄増殖性腫瘍に分類されるその他の病型としては真性多血症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病・好酸球増多症候群などがあります。

慢性骨髄性白血病(CML:Chronic Myelogenous Leukemia)は、造血幹細胞に異常が起こり、がん化した血液細胞が無制限に増殖することで発症します。検査値の異常として最も目立つのは白血球の増加ですが、同時に貧血や血小板数の増加などを認めることもあります。慢性骨髄性白血病は血液のがんの中でも比較的ゆっくり進行する種類の1つです。

2.症状

慢性骨髄性白血病の場合には、白血球ががん化して白血病細胞となっても、ほぼ正常の白血球と同じ働きをする上にゆっくりと進行するため、初期の段階ではほとんど症状がありません。そのため健康診断などで白血球数の増加を指摘され、偶然見つかる場合が半数以上を占めます。

一方、病気が進行すると、次第に白血球数や血小板数の増加、貧血がみられるようになります。白血球数が増加するに従って、全身の倦怠感けんたいかんや無気力、夜間の寝汗、体重減少、脾臓ひぞうの増大による腹部の膨満感ぼうまんかんなどの症状があらわれます。

更新・確認日:2017年07月07日 [ 履歴 ]
履歴
2017年07月07日 「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版)」より内容を更新し、タイトルを「慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍」から「慢性骨髄性白血病」に変更、4タブ形式に変更しました。
2014年10月09日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 掲載しました。

慢性骨髄性白血病 検査

1.慢性骨髄性白血病の検査

病気を正しく診断し、病状を正確に把握するために、初診時あるいは治療開始前にさまざまな検査が行われます。また、治療中も、治療の効果や薬の副作用を確認するために、定期的に検査を行います。主な検査は血液検査、骨髄検査、画像検査です。このうち、血液検査と骨髄検査で行う分子遺伝学的検査、細胞遺伝学的検査は慢性骨髄性白血病に特有の検査です。

2.検査の種類

1)血液検査

(1)血球・生化学検査

血球数の検査では、血液中の赤血球、白血球、血小板の数を調べます。また、白血球の分類も行います。特に、白血球の一種である好中球系細胞の成熟段階を調べます。慢性期の慢性骨髄性白血病では、好中球系の細胞が、未熟な段階のもの(芽球がきゅう)から成熟したものまで偏りなく増加していることが特徴です。このような場合には慢性骨髄性白血病を疑い、さらに詳しい検査を行います。

治療開始早期に、高尿酸血症や電解質の異常が起こることがあります。また、治療中、薬の副作用で肝機能異常や膵臓すいぞうの酵素異常などが起こることがあるため、生化学検査で調べます。

(2)分子遺伝学的検査

PCR法という遺伝子を増幅する方法で、病気の原因となっているBCR-ABL融合遺伝子の量を測定します。この検査は、治療効果の確認のほか、初診時に慢性骨髄性白血病の確定診断をするために行います。

(3)細胞遺伝学的検査(染色体検査)

血液中の異常な遺伝子であるBCR-ABL融合遺伝子を検出するために、染色体検査であるFISH法を用います。染色体検査には骨髄液を用いるものもありますが、FISH法はより短い日数で結果がわかるため、初診時で確定診断を急ぐ場合に行われることもあります。また、治療の効果を確認するために行われることもあります。

2)骨髄検査

局所麻酔で腸骨(骨盤の後ろの骨)に細い針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引し、採取します。骨髄液を吸引する際に鈍い痛みを伴います。この痛みは局所麻酔では軽減できませんが、一時的なものです。骨髄液が吸引できない場合には、腸骨にもう少し太い針を刺して骨髄組織を採取するための骨髄生検を行い、骨髄の状態を確認します。

(1)骨髄像検査

顕微鏡を用いて骨髄液中の細胞の比率や分化段階を調べます。

(2)細胞遺伝学的検査(染色体検査)

染色体を分析する検査法としてGバンド法を行います。Gバンド法は、骨髄細胞中の染色体異常を検出する検査で、慢性骨髄性白血病の確定診断や治療効果の確認のために行われます。この方法では、フィラデルフィア染色体陽性細胞の比率だけではなく、白血病細胞や正常細胞に他の染色体異常がないかも調べることができます。

3)画像検査

患者さんに最もあった治療を行うために、治療開始前に胸部レントゲン検査、心電図、心臓やけい動脈の超音波検査などの画像検査を行います。また、治療中にも、副作用の有無を確認するため定期的に検査を行います。

更新・確認日:2017年07月07日 [ 履歴 ]
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2017年07月07日 「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版)」より内容を更新し、タイトルを「慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍」から「慢性骨髄性白血病」に変更、4タブ形式に変更しました。
2014年10月09日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 掲載しました。

慢性骨髄性白血病 治療

1.病期と治療の選択

治療方法は、がんの進行の程度や体の状態などから検討されます。
がんの進行の程度は、「病期」として分類されます。

1)病期

慢性骨髄性白血病の場合は、慢性期、移行期、急性転化期の3つに分けられます。

(1)慢性期

白血球数と血小板数は増加していますが、自覚症状を認めないことが多く、大部分の患者さんがこの時期に診断されます。この時期に治療を行わなかった場合や、治療を行っても効果が十分得られなかった場合には、3~5年で、移行期を経て急性転化期に進行します。移行期・急性転化期に進行すると、治療の効果が得られにくくなることから、慢性期を維持することが治療の目的です。

(2)移行期

慢性期と急性転化期の間の病期です。白血病細胞の増殖の能力が高まるとともに、分化する能力が失われ、骨髄や末梢まっしょう血中に芽球がきゅうと呼ばれる未熟な細胞の割合が増加します。その結果、治療による白血球数のコントロールが困難になり、脾臓ひぞうの腫大が進行する場合があります。貧血、出血傾向、発熱があらわれることもあります。また、明らかな移行期を経ないで急性転化期に移行する場合もあります。

(3)急性転化期

芽球期、急性期とも呼ばれ、骨髄、末梢血中で芽球が増加し、急性白血病に類似した状態となります。赤血球減少による貧血症状、白血球減少による感染症の合併、発熱、血小板減少による出血症状などがみられます。慢性期と同じような治療では白血球数のコントロールは困難で、白血病細胞が骨、皮膚やリンパ節に腫瘤しゅりゅうを形成することもあります。急性転化期では、白血病細胞が脳や脊髄せきずいの周りにある脳脊髄液や髄膜、脳自体にも浸潤しんじゅんすることがあります。

2)治療の選択

中心となる治療は分子標的治療です。病期が進行した場合は、分子標的薬の増量・変更や化学療法との併用、造血幹細胞移植などが検討されます。

図3に、慢性骨髄性白血病の治療の大まかな流れを示しました。担当医と治療方針について話し合う際に参考にしてください。

図3 慢性骨髄性白血病の治療
図3 慢性骨髄性白血病の治療の図
日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版」(金原出版)、
「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版)」(日本血液学会)より作成

2.病期別の治療方針

治療の目的は白血病細胞を十分減少させることにより、病期の進行を抑え、慢性期を長期間持続させることです。慢性期を経て移行期・急性転化期に進行すると、同様の治療法では十分な効果が得られないため、治療方針の変更を検討します。

1)慢性期

慢性期と診断された場合は、分子標的薬のイマチニブ・ニロチニブ・ダサチニブのいずれかを選択します。イマチニブは最初に登場した分子標的薬で、長期間内服した場合の効果や安全性に関するデータが十分に蓄積されています。ニロチニブやダサチニブは、イマチニブの後に登場した分子標的薬で、イマチニブに比べて白血病細胞の量を速く減らすことができます。これら3種類の薬剤のいずれかがもっとも優れているわけではなく、薬剤により内服方法や有害事象 (内服に伴う副作用) が異なるため、持病や生活様式に応じて、自分に合った薬を選択することが重要です。また分子標的薬を開始した後は、確実に内服を続けることが非常に重要です。

治療効果が十分ではない場合や、薬の副作用などで内服を続けることが難しい場合には、前記の3種類の中で薬剤を変更したり、ボスチニブやポナチニブなどのほかの分子標的薬へ変更したりします。

ポナチニブは治療中に生じたBCR-ABL遺伝子変異のうち、T315Iという変異が検出された場合に使われます。承認されて間もない薬のため、副作用について特に慎重に検討がなされています。

2)移行期

診断がついた時点で移行期の場合は、まず、ダサチニブやニロチニブの分子標的薬による薬物療法を行います。早期に高い治療効果が得られたときは、これらの薬剤を継続して経過をみることが可能ですが、慢性期の場合より慎重な観察が行われます。
一方、治療中に慢性期から移行期へ病状が進んだ場合は、これまでに使用していない分子標的薬へ変更します。同種造血幹細胞移植ができる場合には、分子標的薬の効果をみながら実施を検討します。

3)急性転化期

薬物療法として、分子標的薬単独ないし、分子標的薬と化学療法(細胞障害性抗がん剤)を併用する治療を行います。化学療法では急性白血病の治療と同様の薬剤を使用することが多くあります。

治療により慢性期に戻った場合でも、効果の持続期間が短いと考えられるため、年齢や体の全身的な状態に問題がなく、骨髄提供者(ドナー)が確保できれば、同種造血幹細胞移植を行います。
移植ができない場合には、分子標的薬などの薬物療法を継続します。薬物療法でも治療効果が得られない場合などには、ヒドロキシカルバミドなどの副作用の比較的軽い細胞障害性抗がん剤を使用して白血球数をコントロールすることで、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)の維持を目指す治療が主体になります。

3.治療効果の判定

一般に血液のがんでは、症状や検査結果でがん細胞を確認できなくなった状態を「寛解かんかい」と呼びます。寛解となっても、体内にはがん細胞が残っており、治療を継続しなければ再発するため、完治(完全に治った状態)とは異なりますが、この寛解の状態を得ることが、治療の第一目標となります。

慢性骨髄性白血病では、寛解のかわりに奏効そうこうという指標が用いられ、検査の方法や効果の程度により血液学的奏効(HR)、細胞遺伝学的奏効(CyR)、分子遺伝学的奏効(MR)などと評価されます。慢性期の場合には、分子標的薬開始後3カ月、6カ月、12カ月の時点で奏効の程度を評価して、治療効果が十分であるかどうか判断することが一般的です。

1)血液学的奏効(HR:hematologic response)

血液検査で白血球・赤血球・血小板の数や分類が正常化して、かつ肝臓や脾臓のれなどの症状が消失した状態を血液学的完全奏効 (CHR:complete hematologic response) といいます。

2)細胞遺伝学的奏効(CyR:cytogenetic response)

骨髄検査で採取した骨髄液を用いて、Gバンド法やFISH法を行いフィラデルフィア染色体陽性細胞の割合を調べ、以下のように判定します。

  • 細胞遺伝学的部分奏効 (partial cytogenetic response):
    骨髄の細胞のうち、フィラデルフィア染色体陽性細胞が、1~35%に減少した場合
  • 細胞遺伝学的完全奏効 (complete cytogenetic response) :
    フィラデルフィア染色体が検出できないほど減少した場合

3)分子遺伝学的奏効(MR:molecular response)

PCR法という遺伝子を増幅する方法で、血液を用いて検査を行い、BCR-ABL融合遺伝子をもつ細胞の割合を調べ、以下のように判定します。

  • 分子遺伝学的大奏効 (major molecular response):
    BCR-ABL融合遺伝子の割合が0.1%以下となった場合
  • 分子遺伝学的完全奏効 (complete molecular response):
    BCR-ABL融合遺伝子が検出されないほど減少した場合

4.薬物療法

初回の治療は分子標的薬を使用し、病期が進行した場合は分子標的薬の増量や変更を検討します。症状を緩和する目的で化学療法を行う場合もあります。

1)分子標的薬

初回治療では、イマチニブ・ニロチニブ・ダサチニブのいずれかを選択します。効果が得られない場合は、この3種類に加えてボスチニブ、ポナチニブなどの中から投与中の薬剤以外へ変更します。治療効果が良好な場合は投与を続けます。
分子標的薬は内服する薬であり、病状や合併症、年齢などを考慮し、問題がなければ外来で治療することが一般的です。BCR-ABLタンパク質を標的とする分子標的薬は効果がみられることが多く、病状を抑えることが可能です。しかし、薬を飲み忘れると効果が弱まるため、飲み忘れないよう注意が必要です。
現時点では、この分子標的治療は生涯にわたって継続する必要があるとされています。ただし、分子遺伝学的完全奏効のような高い治療効果が得られ、一定期間以上維持している患者さんを対象として、分子標的治療を中止する臨床試験が行われており、治療を中止できる可能性も期待されています。

ポナチニブは承認されて間もない薬のため、副作用について特に慎重に検討がなされています。

2)細胞障害性抗がん剤(化学療法)

発熱や倦怠感けんたいかん、肝臓や脾臓ひぞうの腫れなど白血病による症状の緩和と血球数を抑えることを目的として、細胞障害性抗がん剤のヒドロキシカルバミドやブスルファン、シタラビン(低用量)が使用されます。
慢性骨髄性白血病の診断がつくまでの短期間にヒドロキシカルバミドが投与される場合もあります。

5.造血幹細胞移植

造血幹細胞移植とは、大量の化学療法や全身への放射線治療などからなる移植前処置を行った後に、骨髄機能を回復させるため事前に採取した造血幹細胞を投与する治療です。慢性骨髄性白血病では、他の人(ドナー)の造血幹細胞を移植する同種造血幹細胞移植により治癒ちゆが期待できる場合もあります。移植によって、ドナー由来の血液細胞が、免疫作用により白血病細胞を排除することを期待します(この作用のことを移植片対白血病効果[graft versus leukemia effect] と呼ぶことがあります)。

分子標的治療の効果がなく慢性期から移行期・急性転化期に進行した場合や、初発で移行期・急性転化期にある患者さんの場合、全身状態や年齢、ドナーが見つかるかなどを考慮して移植ができるかを検討します。

移植を実施する場合に使用する造血幹細胞の種類は、骨髄、末梢血、臍帯血さいたいけつなどがあります。また年齢に応じて、前処置の強度を調節することがあります (骨髄非破壊的移植) 。

6.支持療法

支持療法とは、白血病細胞そのものを減少や死滅させる治療ではありませんが、症状や合併症、治療に伴う副作用を予防、軽減する治療で、血液のがんの治療を進めていく上で重要になります。

具体的には、治療に伴う白血球減少に備え、感染しやすい場所(口の中、気道、肛門周囲など)の治療やケア、白血球減少の状況での感染症の予防や治療のための抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌(カビ)薬の投与、貧血に対する輸血、血小板減少に対する血小板の輸血、その他血液製剤や吐き気止めの使用などです。長期にわたることの多い治療の間の精神的な支援を含めて、幅広い内容の支持療法が行われます。

7.再発など

治療によって、がん細胞が正常な細胞に占める割合がある基準を下まわった場合に、寛解として治療効果があったとみなすことがあります。治療の効果により寛解あるいは治癒と判断された後でも、再びがんが出現することがあり、再発、再燃といいます。

慢性骨髄性白血病では、当初有効であった分子標的薬の治療効果が失われた場合や、治療中に移行期や急性転化期へ進行した場合に増悪ぞうあくとみなされます。
その際は、患者さんの状況に応じた治療方針が検討され、分子標的薬の変更や、細胞障害性抗がん剤による治療が行われます。移行期や急性転化期に進行した場合でも、これらの治療により再び慢性期を得られることがあります。また、移植により再び寛解が得られることもあります。

なお、移植後の再発の場合は、造血幹細胞を提供したドナーのリンパ球を投与するドナーリンパ球輸注(DLI)を行う場合もあります。

治療効果が得られない場合は、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を維持しながら病気と付き合っていくことを目指した治療を行うことになります。

更新・確認日:2017年07月07日 [ 履歴 ]
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2017年07月07日 「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版)」より内容を更新し、タイトルを「慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍」から「慢性骨髄性白血病」に変更、4タブ形式に変更しました。
2014年10月09日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 掲載しました。

慢性骨髄性白血病 療養

1.経過観察と検査

慢性骨髄性白血病を患ったままクオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)の高い生活を送るためには、病期を「慢性期」に保つことが望まれます。慢性期を維持するために、定期的な通院によって治療効果が十分かどうかを確認することが大切です。

治療後の通院の間隔は、病型や治療の内容とその効果、継続して行う治療の有無、合併症や副作用の内容、治療後の回復の程度など患者さんの状態によって異なります。担当医によく確認しておきましょう。一般的には体の状態をみながら、最初は1週間から2週間ごとに通院し、その後、通院の間隔を1カ月、2カ月と延ばしていきます。高い治療効果が得られ、副作用もコントロールされれば、2~3カ月に1回の通院となります。

検査としては、診察、血液検査、尿検査のほか、心電図、超音波検査(エコー)やX線検査などの画像検査があります。症状や検査の結果によっては、骨髄検査が行われます。

2.日常生活を送る上で

治療後しばらくの間は、疲れたら無理をしないですぐに横になれるようにしておきましょう。この期間は、家の周りの散歩など軽い運動や簡単な家事をしながら、体力の回復に努めます。ただし、急な発熱や胸の痛み、しつこい咳や息切れ、呼吸困難などを感じたら、すぐに担当医に連絡しましょう。
治療期間は長期間にわたります。この間、特に注意したいのが感染症です。感染予防には手洗いやうがいをこまめに行う、部屋を清潔にする、寒い日は1枚余分に上着を羽織るなどして体を冷やさない工夫も必要です。

日和見ひよりみ感染症について

日和見感染症とは、健康な人には害のないような弱い細菌や真菌(カビ)、ウイルスなどにより感染症を発症することです。血液がんそのものや治療により免疫力が低下しているときに起こりやすい感染症で重症化する場合もあります。

人はさまざまなウイルスや細菌、真菌などから感染を受けながら、体の中の状態を維持しています。このような微生物は、大腸菌のようによい働きをしているものもありますし、静かに身を潜めているものもあります。しかし、免疫機能が非常に弱くなると、体内にいるこのような弱い微生物の活動さえも抑えられなくなり、感染症を発症することがあります。また、B型肝炎、サイトメガロウイルス、水痘(水ぼうそう)、麻疹ましんなどにかかったことがある場合には、以前に抗体を獲得している場合でも、治療あるいは病気の状態により免疫機能が弱まることで、ウイルスが再活性化し、再び病気が起こる場合もあります。

3.社会復帰

これまでの仕事や生活リズムにもよりますが、一般的には体力がついて副作用による症状も改善され、治療が一段落するか、安定した状態であれば通常に近い生活リズムに戻すことが可能です。外出の回数を増やす、軽い運動をしてみるなど、少しずつ行動範囲を広げていきます。職場に復帰するときは、会社の人たちに大まかな治療の予定や生活上の注意点などを伝えておき、無理のない業務や就労時間でスタートしましょう。

4.家族や親しい人の理解を得る

慢性骨髄性白血病は、初期の段階では症状を自覚しないことも多いため、心構えができていないうちに病気が診断され、治療が開始されることもあります。治療前に、その時点でわかっている病気の状況や治療内容について担当医の話を聞くときは、家族など信頼できる人に付き添ってもらうとよいでしょう。

特に治療に関しては、副作用も含め、治療の予定や見通しについてもよく確認しておくことが大切です。納得して治療が受けられるように、担当医や看護師に尋ねたいことはあらかじめメモに整理して聞くようにしましょう。疑問や納得できないことがないように、担当医や看護師に確認しましょう。

また、治療期間が長くなることが多く、治療に関わる費用などで、医療費が高額になることがあります。病気や治療の説明、今後の予定、経済的なことなど、わからないことはがん相談支援センターに相談することができます。

更新・確認日:2017年07月07日 [ 履歴 ]
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2017年07月07日 「造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版)」より内容を更新し、タイトルを「慢性骨髄性白血病・骨髄増殖性腫瘍」から「慢性骨髄性白血病」に変更、4タブ形式に変更しました。
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慢性骨髄性白血病 臨床試験

よりよい標準治療の確立を目指して、臨床試験による研究段階の医療が行われています。

現在行われている標準治療は、より多くの患者さんによりよい治療を提供できるように、研究段階の医療による研究・開発の積み重ねでつくり上げられてきました。

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国内で行われている慢性骨髄性白血病の臨床試験が検索できます。

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更新・確認日:2021年07月01日 [ 履歴 ]
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2021年07月01日 掲載しました。

慢性骨髄性白血病 患者数(がん統計)

1.患者数

慢性骨髄性白血病と新たに診断される人数は、1年間に100万人あたり約7~10人です。発症が多いのは50歳代で、やや男性に多く、慢性骨髄性白血病は、成人における白血病全体の約20%を占めます。

慢性骨髄性白血病は、白血病の1つです。

2.生存率

がんの治療成績を示す指標の1つとして、生存率があります。生存率とは、がんと診断されてからある一定の期間経過した時点で生存している割合のことで、通常はパーセンテージ(%)で示されます。がんの治療成績を表す指標としては、診断から5年後の数値である5年生存率がよく使われます。

なお、生存率には大きく2つの示し方があります。1つは「実測生存率」といい、死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率です。他方を「相対生存率」といい、がん以外の死因を除いて、がんのみによる死亡を計算した生存率です。

以下のページに、国立がん研究センターがん対策研究所がん登録センターが公表している地域がん登録から算出された生存率を示します。

データは平均的、かつ確率として推測されるものであるため、すべての患者さんに当てはまる値ではありません。

更新・確認日:2021年07月01日 [ 履歴 ]
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2021年07月01日 掲載しました。

慢性骨髄性白血病 予防・検診

原因

発症の原因のほとんどは、染色体の9番と22番の一部が入れ替わることにより、フィラデルフィア染色体(Ph:Philadelphia chromosome)が生じることです (図2)。フィラデルフィア染色体上にはBCR-ABL融合遺伝子という異常な遺伝子が形成されます。BCR-ABL融合遺伝子からつくられるタンパク質は、血液細胞を過剰に増殖させる働きがあるため、慢性骨髄性白血病を発症させます。
慢性骨髄性白血病と新たに診断される人数は、1年間に100万人あたり約7~10人です。発症が多いのは50歳代で、やや男性に多く、慢性骨髄性白血病は、成人における白血病全体の約20%を占めます。

図2 フィラデルフィア染色体の生じ方
図2 フィラデルフィア染色体の生じ方の図
更新・確認日:2017年07月07日 [ 履歴 ]
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2006年10月01日 掲載しました。

慢性骨髄性白血病 関連リンク・参考資料

1.慢性骨髄性白血病の相談先・病院を探す

2.参考資料

  1. 国立がん研究センターがん対策情報センター.厚生労働省委託事業「希少がん対策推進事業」希少がん対策ワークショップ報告書.2014年3月
  2. Tamaki T., Dong Y., Ohno Y., et al. The burden of rare cancer in Japan: application of the RARECARE definition. Cancer Epidemiol. 2014;38(5):490-495.
  3. 日本血液学会編.造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版,金原出版
  4. 日本血液学会編.造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年WEB版(第1.2版),日本血液学会
  5. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編.造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月 第1版,金原出版
更新・確認日:2021年07月01日 [ 履歴 ]
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2021年07月01日 「1.慢性骨髄性白血病の相談先・病院を探す」を追加しました。
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