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骨髄異形成症候群(こつずいいけいせいしょうこうぐん)

更新・確認日:2016年06月17日 [ 履歴 ]
履歴
2016年06月17日 タブ形式に変更しました。「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」「造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版」より内容を更新しました。
2006年10月10日 掲載しました。

1.検査

骨髄異形成症候群の診断と治療方針を決定するためには、以下のような検査が行われます。

1)血液検査

白血球赤血球血小板の数、血液細胞の形態異常の有無、未熟な血液細胞である芽球(がきゅう)の有無を調べます。肝臓、腎臓などの機能の確認も併せて行います。

2)骨髄検査(骨髄穿刺、骨髄生検)

病型を決定するために必ず行う検査です。骨髄穿刺(こつずいせんし)骨髄の中の骨髄血を採取し、骨髄生検では骨髄組織を採取します。採取した骨髄血・組織を顕微鏡で観察し、細胞の数や種類、形態異常の有無、芽球(がきゅう)という未熟な血液細胞の割合などを調べるとともに、染色体の異常についても調べます(染色体検査)。骨髄を採取する方法は、皮膚を消毒し、局所麻酔の後に腸骨(腰の骨)または胸骨(胸の中央にある骨)に針を刺し、骨の中にある骨髄液を吸引して採取します(図2)。骨髄液を吸引する際に痛みがあり、この痛みは局所麻酔では抑えられませんが、通常は一時的な痛みにとどまります。
図2 骨髄穿刺の様子
図2 骨髄穿刺の様子の図

2.診断

骨髄異形成症候群の診断は、血液検査で末梢(まっしょう)血に血球の減少と形態異常がみられること、骨髄検査で血球の異形成(形態の異常)が認められることで確定されます(表1)。再生不良性貧血などのような、血球が減少する他の疾患・病態と見分けることが重要となりますが、骨髄検査で鑑別できます。その他、血液や骨髄中の芽球の割合が20%を超えると、急性白血病と診断されます。

診断の確定法については、下記の【診断基準について、さらに詳しく】の表1をご参照ください。
【診断基準について、さらに詳しく】
表1 骨髄異形成症候群の診断基準
骨髄異形成症候群 下記A~Cのすべてを満たすもの
A 臨床所見として慢性貧血を主とするが、時に出血傾向、発熱を認める
B 血液検査および骨髄検査で下記a)~d)のすべてを満たす
a)末梢血で、1~3つの血球系統に血球減少(※1)を認める
b)骨髄検査で、1~3つの血球系統で血球に異形成所見(※2)を認める
c)末梢血、骨髄のいずれにおいても芽球は20%未満
d)末梢血中の単球(白血球の一種)の絶対数が継続して1,000/μlを超えることはない
※1:成人における血球減少の定義
     ・ヘモグロビン濃度:男性12.0g/dl未満、女性11.0 g/dl未満
     ・白血球:4,000/μl未満、または好中球:1,800/μl未満
     ・血小板:10万/μl未満
※2: 高齢者や他の血液疾患、薬剤性血球減少症などにおいても、多くは赤芽球系に低頻度の異形成を認めることから、骨髄異形成症候群の診断には、該当血球系統の細胞の10%以上に異形成所見を認めることが必要である。
C 血球減少の原因となる他の疾患・病態を認めない
日本血液学会、日本リンパ網内系学会編「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」(金原出版) より一部改変し作成
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3.病型分類

診断が確定したのちは、芽球の割合、染色体異常や造血細胞の異形成(形態の異常)の程度などの特徴に応じて分類し、病型(病気の種類)を見極めます。芽球の割合が高いほど、急性白血病へ移行するリスクが高いとされています。

病型の分け方には、従来は1982年に提唱されたFAB分類が使われてきましたが、現在は、2008年にFAB分類を改訂したWHO分類(表2)が一般的に用いられています。
表2 骨髄異形成症候群の病型分類(WHO分類第4版、2008年)
病名 末梢血所見 骨髄所見
RCUD 単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症
(RCUD:refractory cytopenias with unilineage dysplasia)
以下の病型を含む
・不応性貧血(RA:refractory anaemia)
・不応性好中球減少症(RN:refractory neutropenia)
・不応性血小板減少症(RT:refractory thrombocytopenia)
・1-2系統の血球減少(※3)
・芽球[-]またはごくわずか[1%未満](※4)
・1血球系統で10%以上の細胞に異形成
・芽球5%未満
・赤芽球のうち環状鉄芽球15%未満
RARS 環状鉄芽球を伴う不応性貧血
(RARS:RA with ring sideroblasts)
・貧血
・芽球[-]
・赤芽球系の異形成のみ
・赤芽球のうち環状鉄芽球15%以上
・芽球5%未満
RCMD 多血球系異形成を伴う不応性血球減少症
(RCMD:refractory cytopenia with multilineage dysplasia)
・血球減少
・芽球[-]またはごくわずか[1%未満](※4)
・アウエル小体(※5)なし
・単球1×109/l未満
・2血球系統以上で10%以上の細胞に異形成
・芽球5%未満
・アウエル小体(※5)なし
・赤芽球のうち環状鉄芽球[±]15%
RAEB-1 芽球増加を伴う不応性貧血-1
(RAEB-1:RA with excess blasts-1)
・血球減少
・芽球5%未満(※4)
・アウエル小体(※5)なし
・単球1×109/l未満
・1~3血球系統に異形成
・芽球5~9%
・アウエル小体(※5)なし
RAEB-2 芽球増加を伴う不応性貧血-2
(RAEB-2:RA with excess blasts-2)
・血球減少
・芽球5~19%
・アウエル小体[±](※6)
・単球1×109/l未満
・1~3血球系統に異形成
・芽球10~19%
・アウエル小体[±](※6)
MDS-U 分類不能型骨髄異形成症候群
(MDS-U:myelodysplastic syndrome-unclassified)
・血球減少
・芽球1%以下(※4)
・異形成は1~3血球系統に10%未満だが、MDSが推定される染色体異常がある
・芽球5%未満
MDS
associated with isolated del(5q)
染色体異常(単独5番染色体長腕の欠失)を伴う骨髄異形成症候群:5q-(マイナス)症候群
(MDS associated with isolated del[5q])
・貧血
・通常、血小板数は正常または増加
・芽球[-]またはごくわずか[1%未満]
・低分葉核を持つ巨核球が正常または増加
・芽球5%未満
・del[5q](5番染色体長腕の欠失)単独の染色体異常がみられる
・アウエル小体(※5)なし
※3  時に2系統の血球減少が認められる。汎血球減少(3系統の血球減少)の際はMDS-Uに分類する。
※4  骨髄中の芽球が5%未満であり末梢血の芽球が2~4%の場合は、RAEB-1に分類する。
末梢血の芽球が1%のRCUDとRCMDは、MDS-Uに分類する。
※5  アウエル小体:正常な骨髄系白血球に存在する複数の顆粒が融合して桿(さお)状に変形したもので、骨髄性芽球の過程で特徴的にみられる。
※6  末梢血中のアウエル小体が5%未満、骨髄中の芽球が10%未満でアウエル小体を認める場合は、RAEB-2に分類する。
Brunning R, et al. : WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues., 2008; 88-93, IARC.より作成
【参考文献】
  1. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編:造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月 第1版;金原出版
  2. 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版;金原出版
  3. Brunning R, et al. : “Myelodysplastic syndromes/neoplasms, overview,” WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues., 2008; 88-93, IARC.
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