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基底細胞がん

基底細胞がん 治療

1.病期と治療の選択

治療方法は、がんの進行の程度や体の状態などから検討します。
がんの進行の程度は、「病期(ステージ)」として分類します。病期は、ローマ数字を使って表記することが一般的です。

1)病期

基底細胞がんの病期は、0期からⅣ期までの5つに分けられます(表1、図3)。

実際には、基底細胞がんの多くが2cm以下の大きさで真皮内にとどまっているⅠ期の状態で見つかり、リンパ節や内臓への転移は非常にまれだとされています。

表1 基底細胞がんの病期
表1 基底細胞がんの病期の表
UICC日本委員会TNM委員会訳「TNM悪性腫瘍の分類 第8版 日本語版(2017年)」(金原出版)より作成
図3 基底細胞がんの病期
図3 基底細胞がんの病期

2)再発に対する高リスク因子

基底細胞がんでは、再発に関するリスクを高リスク因子(表2)をもとに高リスクと低リスクに分類し、それに沿って治療方針を決めていきます。

表2 基底細胞がんの再発に対する高リスク因子
表2 基底細胞がんの再発に対する高リスク因子
日本皮膚科学会編「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版(2015年)」、日本皮膚科学会雑誌;125(1),5-75より作成

3)治療の選択

治療法は、標準治療に基づいて、体の状態や年齢、患者さんの希望なども含めて検討し、担当医とともに決めていきます。

基底細胞がんの治療法は、手術による外科的切除が第一選択となります。

図4は、基底細胞がんに対する治療方法を示したものです。担当医と治療方針について話し合うときの参考にしてください。

図4 基底細胞がんの治療の選択
図4 基底細胞がんの治療の選択
日本皮膚悪性腫瘍学会編「科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第1版(2007年)」(金原出版)より作成

2.手術(外科治療)

手術による外科的切除は、基底細胞がんに対する最も確実な治療とされています。初回の手術で病変が完全に切除できれば、根治する可能性は非常に高くなります。

1)手術の方法

腫瘍を確実に切除するために、腫瘍の辺縁ふちから正常皮膚を含めて大きく切除します。実際の切除範囲は、低リスクの場合は腫瘍の辺縁から4mm程度、高リスクの場合には5〜10mmの余裕をもって切除することが勧められています。

また、腫瘍の下部組織(皮下脂肪組織)も十分に含めた深さで切除します。組織型が高リスク(斑状はんじょう強皮症型、浸潤型、微小結節型)の場合、もしくは腫瘍が大きい場合には、より深いところまでの切除を必要とすることがあります。

組織型が高リスク(斑状強皮症型、浸潤型、微小結節型)の場合は、手術中に切除した組織の切り口(切除断端といいます)に対して病理診断(術中迅速病理診断)を行い、切除断端に腫瘍が残っていないかを確認することが勧められています。

切除断端に腫瘍が残ることを断端陽性といい、腫瘍が残っていない場合は断端陰性といいます。断端陽性の場合は再発リスクが高くなるため、術後早期に再切除することが勧められています。再切除が難しい場合には、放射線治療が考慮されます。

手術による皮膚の欠損が大きい場合には、植皮(自分の皮膚の一部を移植すること)によって足りない皮膚を補います。また、高リスクの場合は二期的手術が勧められています。これは、手術後の病理検査によって切除断端に腫瘍が残っていないことを確認してから、再建手術を行う方法です。

2)手術後のケア、注意事項

植皮をした場合には、手術後に植皮部位の固定と安静が必要となります。手術後のケアや注意事項については、担当医にご確認ください。

3.放射線治療

基底細胞がんの治療の中心は手術です。しかし、主に以下のような場合に、放射線治療を行うことがあります。放射線治療を行うかどうかは、専門医による慎重な検討がされます。

  • 手術によって体の機能や見た目の変化が懸念される場合
  • 腫瘍が大きく十分な切除ができない場合
  • 再発を繰り返し手術が難しい場合

照射する放射線の種類や範囲、量、回数などは、腫瘍の範囲や深さによって検討されます。

4.薬物療法

基底細胞がんに対する薬物療法として、軟膏などによる局所化学療法が行われることがあります。手術ができない場合や局所進行例(転移がないが、がんが深く進行している場合)には、全身化学療法が行われることがあります。

1)フルオロウラシル(5-FU)軟膏

フルオロウラシル(5-FU)軟膏は、主に腫瘍内のDNAの合成を阻害することで腫瘍の増殖を抑えます。低リスク部位(体幹、四肢)の表在型基底細胞がんに対して使用されることがあります。1日2回、 少なくとも3〜6 週間は続けて塗布します。主な副作用には、塗った場所の痛み、熱っぽさ、浮腫、ただれ・潰瘍、感染しやすくなる、色素沈着などがあります。

2)イミキモド

イミキモドはウイルス増殖を抑制し、自然免疫を活性化する薬です。5%イミキモドクリームは、手術が難しい表在型基底細胞がんの場合に使用されることがあります。再発率はやや高いですが、効果がある人が多いとされています。主な副作用には、塗った場所が赤くなること、ただれ・潰瘍、刺激感、皮膚の色が薄くなることなどがあります。2018年2月現在、基底細胞がんに対して公的医療保険の対象外であるため、詳細は医師にご相談ください。

5.凍結療法

凍結療法は、液体窒素スプレーを用いてがん細胞を凍らせ、壊死えしさせる治療です。結節型、表在型の低リスクの基底細胞がんで、手術ができない場合に、凍結療法を数回繰り返し行うことがあります。再発率はやや高いですが、効果がある人が多いとされています。実施については慎重な検討を行います。

6.光線力学的療法(photo- dynamic therapy; PDT)

低リスクの基底細胞がんに対する非外科的治療として、光線力学的療法(PDT)が欧米を中心に導入されています。光線に感受性のある物質を投与してからレーザー光を照射します。しかし、日本人に多い色素性基底細胞がんを対象とした研究は少なく、国内で積極的に推奨される段階にはまだ至っていません。2018年2月現在、基底細胞がんに対して公的医療保険の対象外であるため、詳細は医師にご相談ください。

7.リハビリテーション

一般的に、治療の途中や終了後は、体を動かす機会が減り、身体機能が低下します。そこで、医師の指示の下、筋力トレーニングや有酸素運動、日常の身体活動などを、リハビリテーションとして行うことが大切だと考えられています。日常生活の中でできるトレーニングについて、医師に確認しましょう。

8.緩和ケア

緩和ケアとは、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を維持するために、がんに伴う体と心のさまざまな苦痛に対する症状を和らげ、自分らしく過ごせるようにする治療法です。がんが進行してからだけではなく、がんと診断されたときから必要に応じて行われ、希望に応じて幅広い対応をします。患者さん本人にしかわからないつらさについても、積極的に医療者へ伝えるようにしましょう。

9.転移・再発

転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れなどに乗って別の臓器に移動し、そこで成長することをいいます。再発とは、治療の効果によりがんがなくなったあと、再びがんが出現することをいいます。

1)転移

基底細胞がんでは、転移は非常にまれであるとされています。

2)再発

基底細胞がんが再発した場合は、外科的切除が勧められています。一度再発した基底細胞がんは、初回治療例よりも再発しやすいため、外科的切除後に、病理診断で断端陰性を確認してから再建手術を行う二期的手術が勧められています。

ただし、高齢であることや合併症があるなどの理由で手術が難しい場合には、放射線治療や凍結療法などが行われることがあります。

更新・確認日:2018年02月13日 [ 履歴 ]
履歴
2018年02月13日 「皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年)」「科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版(2015年)」より、内容の更新をして再掲載しました。4タブ形式に変更しました。
2017年08月21日 掲載準備中として、公開を中止しました。
2007年09月03日 内容を更新しました。
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