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GIST(じすと)

更新・確認日:2015年03月16日 [ 履歴 ]
履歴
2015年03月16日 「1.検査 3)病理検査・病理診断」「2.病期(ステージ)と転移リスク分類」を更新しました。
2014年10月10日 「表2 GISTのリスク分類 2(Miettinenの分類)」を更新しました。
2012年10月26日 更新履歴を追加しました。
2012年10月02日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2012年10月02日 掲載しました。

1.検査

自覚症状は少ないのですが、下血や貧血、また腹部に腫瘤(腫れ)を触れることで発見されることもあります。出血のため貧血を認めることがあるので血液検査を行って確認します。内視鏡検査などで粘膜下腫瘍を指摘されることがきっかけで発見されることもあります。

1)胃X線検査(バリウム検査)

バリウムをのんで、X線で胃の形、壁の形状(しわ・ひだ)、粘膜の状態を観察することで、病変の有無を調べます。途中で発泡剤をのんで胃をふくらませます。
胃X線検査で胃の粘膜下腫瘤を発見することができますが、GISTであると診断することはできません。

2)内視鏡検査

内視鏡で胃や大腸の内部を直接見て、腫瘍が疑われる場所の状態を調べる検査です。胃がんなどと異なり、筋肉の層から発生する腫瘍であるため、表面の組織の一部を採取して細胞の性質を詳しく調べる病理検査を行っても、腫瘍の組織が採取できず正しい診断ができない場合も少なくありません。

施設によっては、超音波を発するプローブ(探触子[たんしょくし])を使って、腫瘍内部の構造を調べる超音波内視鏡検査を行うこと、さらに超音波内視鏡下における穿刺(せんし)生検(EUS-FNAB)を行うことで診断が可能な場合があります。大きさ、潰瘍形成や辺縁不整の所見の有無も重要となります。超音波内視鏡では、分類が不得意なものもありますが、消化管の壁構造のどの層から発生しているのかよくわかるので重要な検査となります。GISTは、固有筋層に形づくられている低エコー腫瘤の一種として認められます。悪性度の判断として、不均一な内部エコー、辺縁不整の所見にも注意を払う必要があります。
内視鏡検査の図

3)病理検査・病理診断

内視鏡検査や超音波内視鏡検査を行ったとき、あるいは手術で腫瘍を切除したときに細胞や組織を採取します。これを顕微鏡で詳しく観察することで、腫瘍の性質を調べる検査を病理検査といい、専門の病理医によってなされます(病理診断)。GISTの病理診断は、細胞や組織の形態や、KITという特徴的なタンパク質の有無などを調べることでなされます。

また、病理診断では、悪性度(組織標本上の単位視野あたりの核分裂像数[Mitotic Index])を調べることで、治療効果の予測や再発の危険性(再発リスク)の評価などがなされます。核分裂像数が大きいほど、腫瘍細胞の増殖が速い=悪性度が高いと判断されます。

保険適応のあるc-kit遺伝子変異検査により、治療効果の予測や再発リスクに極めて有用な情報(例:エクソン11変異は分子標的薬のイマチニブが効きやすい、術後の再発リスクが高いなど)を得ることができるため、実施することが推奨されます。

KIT陽性であればGISTと診断されますが、KIT陰性の場合でもDOG1あるいはCD34は陽性、もしくは、KIT、DOG1、CD34、desmin、s-100タンパクのすべてが陰性の腫瘍では、遺伝子解析が有用となります。また、c-kit、PDGFRα遺伝子の突然変異検索を行うことが、分子標的治療に対する反応性や耐性を評価することに役立ちます。

4)CT検査、MRI検査

CTはX線を、MRIは磁気を使った検査です。このCTやMRIによって体の内部を描き出し、腫瘍の位置と広がりを調べます。また、粘膜下腫瘍として捉えられたGISTの全体像をみるのに、マルチCTを用いた検査は、極めて有用な検査です。腫瘍の形態や性状、血管との関係もよくわかります。空気や水を注入しふくらませた消化管の多方向の断面の画像も重要視されています。MRIは、壊死部やのう胞部を検出するのに優れています。また、経過観察時には、肝転移や播種(はしゅ)の診断にはCTは必須検査とされています。

CTではヨード造影剤を用いますので、ヨードアレルギーのある人は医師に申し出てください。MRIではガドリニウムという造影剤が用いられますが、ぜんそくやアレルギー体質の人は副作用が起きる可能性が高くなりますので、医師に申し出てください。

2.病期(ステージ)と転移リスク分類

病期とは、腫瘍の進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてStage(ステージ)という言葉が使われることがあります。病期にはローマ数字が使われ、I期、II、III、IVに分類されています。
【病期について、さらに詳しく】
GISTの病期はI期(IA、IB)、II期、III期(IIIA、IIIB)、IV期に分類されます。胃や小腸など、発生する場所によって分類方法は異なりますが、腫瘍の大きさ、リンパ節や別の臓器への転移があるかどうかによって判断されます。
表1 胃GISTのステージ分類
  核分裂像数(個)
5個以下 5個を超える



(cm)
2cm以下 IA II
2cmを越え5cm以下 IA II
5cmを越え10cm以下 IB IIIA
10cmを越える II IIIB
腫瘍の大きさに関係なく
リンパ節転移がある
IV IV
腫瘍の大きさに関係なく
遠隔転移がある
IV IV
※ 核分裂像数の評価は強拡大(対物40倍)50視野(5mm2)で行う。UICC-TNM 7th ed、2009を改変
表2 小腸GISTのステージ分類
  核分裂像数(個)
5個以下 5個を超える



(cm)
2cm以下 I IIIA
2cmを越え5cm以下 I IIIB
5cmを越え10cm以下 II IIIB
10cmを越える IIIA IIIB
腫瘍の大きさに関係なく
リンパ節転移がある
IV IV
腫瘍の大きさに関係なく
遠隔転移がある
IV IV
※ 核分裂像数の評価は強拡大(対物40倍)50視野(5mm2)で行う。
注)小腸GISTのステージ分類は、食道、結腸、直腸、腸間膜などのまれな部位のGISTにも適用される。
UICC-TNM 7th ed、2009を改変
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GISTの場合は、転移リスクを考慮した分類が重要とされています。転移リスクは、病変の大きさと病理診断でわかる腫瘍細胞の性質(細胞が活発にふえているかどうか、など)から、評価されます。

GISTでは腫瘍の発生部位によって予後が異なることが報告されていることから、分類として、腫瘍径および核分裂像数とともに発生部位を考慮に入れたMiettinen分類(表3)が再発リスクを推定する基準として用いられています。

さらに、最近では、再発高リスク群のみを他のリスク群から効果的に選択する分類法として、Joensuu分類(表4)が有用であると報告されています。

これらの転移リスク評価によって、治療方針が検討されることになります。
表3 GISTのリスク分類 1(Miettinenの分類)
核分裂像数
(強拡大50視野あたり)
大きさ 小腸 大腸
空腸・回腸 十二指腸
5以下 2cm以下
2cm超 5cm以下 超低
5cm超 10cm以下 データ
不十分
データ
不十分
10cmを超える
5を超える 2cm以下
2cm超 5cm以下
5cm超 10cm以下 データ
不十分
データ
不十分
10cmを超える
Miettinen M et al: Semin Diagn Pathol 23: 70-83, 2006 より一部改変
表4 GISTのリスク分類 2(Modified Fletcher(いわゆるJoensuu)分類)
リスク分類 大きさ 核分裂像数
(強拡大50視野あたり)
原発部位
超低リスク 2cm以下 5以下 -
低リスク 2cm超 5cm以下 5以下 -
中リスク 5cm以下 6から10以下
5cm超 10cm以下 5以下
高リスク - - 腫瘍破裂あり
10cmを超える - -
- 10を超える
5cmを超える 5を超える
5cm以下 5を超える 胃以外
5cm超 10cm以下 5以下
Joensuu H: Hum Pathol 39:1411-1419, 2008 / Rutkowski P et al: Eur J Surg Oncol 37: 890-896, 2011より一部改変
【参考文献】
  1. 日本癌治療学会・日本胃癌学会・GIST研究会編:GIST診療ガイドライン 2014年4月改訂(第3版);金原出版
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