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悪性黒色腫(皮膚)

悪性黒色腫(皮膚)について

診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.皮膚について

皮膚は表面に近い部分から表皮、真皮、その深部の皮下組織の3つの部分に大きく分かれます(図1)。表皮はさらに表面側から順に、角質層、顆粒層かりゅうそう有棘層ゆうきょくそう基底層きていそうの4層に分けられます。表皮最下層である基底層は真皮と接しています。真皮には、血管、神経、毛嚢もうのう、脂腺、汗腺、立毛筋などの組織があります。

図1 皮膚の構造
図1 皮膚の構造の図
図2 表皮の構造と細胞
図2 表皮の構造と細胞の図

2.悪性黒色腫とは

皮膚がん(皮膚悪性腫瘍)は、このような皮膚を構成する細胞から発生するがんのことで、発生した場所やがん細胞の種類によって区分されます。

悪性黒色腫は皮膚がんの1つで、単に黒色腫またはメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞で、表皮の基底層に分布しているメラノサイト(図2)、あるいは母斑細胞ぼはんさいぼう(ほくろの細胞)が悪性化した腫瘍と考えられます。

3.症状

メラノサイトと呼ばれる色素をつくる細胞またはほくろの細胞(母斑細胞)が悪性化し、悪性黒色腫になる一歩手前の状態が存在し、悪性黒色腫前駆症と呼ばれています。この前駆症の状態ないしは早期の悪性黒色腫の状態で発見することが最も重要です。

皮膚は身体の表面にありますので、注意すれば自分もしくは家族により悪性黒色腫を早期に発見することが可能です。しかしながら、早期の場合には、普通のほくろと悪性黒色腫を区別することは非常に難しいのが実情です。そのため、少しでもおかしいと思われるほくろがあった場合は、自己判断せずに、まず皮膚科専門医を受診することが、早期発見、早期治療につながります。

悪性黒色腫の早期症状として、下記に示すABCDEの5つの特徴があるといわれています(表1)。この5つのポイントを示す場合、悪性黒色腫の可能性が高くなります。

表1 悪性黒色腫の早期の症状
symmetry 非対称性 形が左右非対称
order 輪郭が
ギザギザしている
皮膚とほくろの輪郭が
ギザギザして不整/
色のにじみ出しがある
olor 色むら 色調が均一でない/
色むらがある
iameter 大きさ 長径が6mm以上
volving 変化がある 大きさが拡大する、
色・形・症状が変化してくる

このほか、比較的短期間(約1~2年以内)に次のような変化があれば、要注意です。

1)色の変化

一般に薄い褐色が濃い黒色に変化する場合が多くあります。また、色調に濃淡が生じて相混じったり、一部色が抜けてまだらになることもあります。

2)大きさの変化

1~2年以内の経過で、直径2~3mm程度の色素斑しきそはんが5~6mm以上になった時は注意すべきです。短期間に目立って大きくなるものは要注意です。

3)形の変化

色素斑の辺縁が、ぎざぎざに不整になったり、しみ出しが出現したりすることがあります。色素斑の一部に硬結こうけつ腫瘤しゅりゅう(かたまりのできもの)が出現した場合は要注意です。

4)かたさの変化

一般に、ほくろは均一なかたさをしていますが、その一部または全体がかたくなってくることがあります。

5)爪の変化

爪にできる場合はほかの皮膚と違い、爪に黒褐色の色素線条(縦のすじ)が出現し、半年~1年くらいの短期間に色調が濃くなって、すじの幅が拡大してきます。進行すると爪が割れたり、色素のしみ出しが出現することがあります。

4.病型分類

悪性黒色腫の臨床症状は、大きく4つのグループ(病型)に分けられます。それぞれのタイプによって、症状のあらわれ方は異なります。

表2 悪性黒色腫の病型
病型 人種・年齢などの特徴 発生部位 症状のあらわれ方
(1)末端黒子型黒色 日本人に最も多い 足の裏や手のひら、
手足の爪などに発生する
  • はじめは褐色・黒褐色の
    シミができ、次第に色調が
    一部濃くなったり潰瘍かいよう
    ができたりする。
  • 爪に黒褐色の縦のスジが
    でき、次第に爪全体に
    広がって割れたり、爪周辺の
    皮膚に黒褐色のしみ出しが
    あらわれたりする。
(2)表在拡大型黒色腫 白人に多い病型だが、
近年日本人にも
増加している
ほくろの細胞から
発生すると考えられ、
体幹や手足に発生する
  • わずかに盛り上がった
    シミが見られ、輪郭は不整で、
    色調はまだら状である。
(3)結節型黒色腫   全身のどこにでも発生する
  • はじめから立体構造を
    していることが多く、
    色調は全体的に濃黒色となり、
    濃淡が混ざるようになる。
  • 早期に深部に進行したり、
    転移したりすることが多い。
(4)悪性黒子型黒色腫 高齢者に多い 顔面、首、手背しゅはい
など日光に照射されやすい
露出部位に発生する
  • はじめは褐色から黒褐色の
    色素斑しきそはんが出現し、
    やがて濃黒色が混ざって拡大し、
    さらに一部に硬結や腫瘤が出現する。
  • ゆるやかに成長することが多い。
更新・確認日:2017年07月24日 [ 履歴 ]
履歴
2017年07月24日 「5.統計」を更新しました。4タブ形式に変更しました。
2016年03月24日 タブ形式への移行と、「皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版(2010年)」「科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版(2015年)」より、内容の更新をしました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
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