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中皮腫(ちゅうひしゅ)

更新・確認日:2016年02月10日 [ 履歴 ]
履歴
2016年02月10日 「3.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2014年10月03日 「3.治療成績」の5年相対生存率データを更新しました。
2012年12月28日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1996年03月19日 掲載しました。

1.臨床病期と治療

胸膜中皮腫では、病期、手術で完全に取りきれるかどうか、アスベストによる肺の線維化(せんいか:線維組織がふえ硬く縮んでしまうこと)の有無、患者さんの年齢や健康状態などによって、治療法が決まります。

次に示すものは、胸膜中皮腫の病期と治療方法の関係を表した図です。がんの広がりが大きく切除が難しい場合には、患者さんの希望や全身状態により、抗がん剤による化学療法を行うか、症状を緩和する緩和医療(緩和ケア)を優先するかを選択することになります。
担当医と治療方針についてよく話し合う参考にしてください。
図2 胸膜中皮腫の臨床病期と治療
図2 胸膜中皮腫の臨床病期と治療の図
*手術前の抗がん剤治療や、手術後の放射線治療を行うことがあります。I期およびII期でも手術ができないことが多くあります。

2.病期(ステージ)別治療

1)I期およびII期

I期およびII期の場合には手術が行われることがあります。肺を含めてすべての病変を、胸膜、および場合によっては横隔膜や心膜ごと切除する胸膜肺全摘術が行われます。しかし、このような大きな手術でも、完全にとりきれないこともあり、胸膜のなるべく広い範囲を切除して胸水の貯留を防ぐような対症的な手術が放射線療法化学療法と併用して行われることもあります。また、多量に胸水が貯留して呼吸困難のあるような場合には、管(ドレーン)を胸の中に挿入して、胸水を体外へ排出し呼吸を楽にします。また、胸水の再貯留を防ぐため、この管を通して胸膜癒着(ゆちゃく)剤と呼ばれる薬などを胸腔内へ投与することもあります。

2)III期〜IV期

III期以上の病期で、手術によってすべての病変をとりきることが困難な場合には、放射線療法や化学療法が行われます。
がんが広範囲に進展し切除が困難な場合には、治癒は困難であり、患者さんの希望や全身状態により抗がん剤による化学療法を行うか、症状を緩和する対症療法(緩和ケア)を行うかを決定します。抗がん剤の中ではペメドレキセド(アリムタ)のみがシスプラチンとの併用で生存期間を延長することが確認されています。
しかし、確立された治療法は少ないため、放射線、種々の抗がん剤、手術のいずれか、あるいはこれらを組み合わせた新しい治療法が臨床試験として行われることもあります。

3.治療成績

がんの治療成績を示す指標の1つとして、生存率があります。生存率は通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。こうしたほかの要素の分布(頻度)が異なるため、用いるデータによって、生存率の値が異なる可能性があります。

以下に、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)が公表している院内がん登録から算出された5年相対生存率のデータを示します。このデータは、およそ10年前のがんの診断、治療に基づくものです。診断や治療の技術は進歩していますので、現在は下記の数字より治療成績は向上していると考えられます。

データは平均的なものであり、かつ確率として推測されるものですので、すべての患者さんに当てはまる値ではないことをご理解ください。
【中皮腫の生存率について、さらに詳しく】
このデータは、2005年から2007年の間に、中皮腫の診断や治療を受けた患者さんが対象となっています。治療については、外科治療だけではなく、放射線治療、化学療法、その他の何らかの治療を受けた患者さんが対象となっています。そのため、各施設で公表している、外科治療だけを受けた患者さんを対象とした生存率と、異なる場合があります。

臨床病期については「中皮腫 検査・診断-4.病期(ステージ)」をご参照ください。
表2 中皮腫がんの病期別生存率
病期 症例数(件) 5年相対生存率(%)
I 26 21.1
II 11 9.8
III 28 11.6
IV 38 5.6
全症例 114 10.7
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4.自分に合った治療法を考える

治療方法は、すべて担当医に任せたいという患者さんがいます。一方、自分の希望を伝えた上で一緒に治療方法を選びたいという患者さんもふえています。どちらが正しいというわけではなく、患者さん自身が満足できる方法がいちばんです。

まずは、病状を詳しく把握しましょう。あなたの体をいちばんよく知っているのは担当医です。わからないことは、何でも質問してみましょう。診断を聞くときには、病期(ステージ)を確認しましょう。治療法は、病期によって異なります。医療者とうまくコミュニケーションをとりながら、自分に合った治療法であることを確認してください。

診断や治療法を十分に納得したうえで、治療を始めましょう。最初にかかった担当医に何でも相談でき、治療方針に納得できればいうことはありません。 担当医以外の医師の意見(セカンドオピニオン )を聞くこともできます。そのときは、担当医に話してみましょう。多くの医師はセカンドオピニオンを聞くことは一般的なことと理解していますので、快く資料をつくってくれるはずです。
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