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軟部肉腫(成人)(なんぶにくしゅ(せいじん))

更新・確認日:2016年02月22日 [ 履歴 ]
履歴
2016年02月22日 タブ形式への移行と、日本整形外科学会診療ガイドライン委員会・軟部腫瘍診療ガイドライン策定委員会編「軟部腫瘍診療ガイドライン2012」「米国がん合同委員会(AJCC)による病期分類(第7版)」「国際対がん連合(UICC)による病期分類(第7版)」より、内容の更新をしました。
2007年10月30日 内容を更新しました。
1997年04月01日 掲載しました。

1.検査

検査は大きく3つに分けられます。1つ目は、腫瘍の性質を調べる生検です。2つ目は、腫瘍の位置や広がりを検査するX線検査CT検査MRI検査、PET検査、骨シンチグラフィなどの画像検査です。3つ目は、身体機能を調べるための、血液検査、尿検査、超音波(エコー)検査、心電図検査などです。

1)生検

悪性腫瘍が疑われると、確実な診断をするために、病変に針を刺して組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる針生検を行います。超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査をガイドに用いて、針を刺せる適切な場所を見定め、局所麻酔を行いながら処置を行うこともあります。また針生検では組織採取量が少なく、診断には至らない場合や、確実な診断のためには外科的手術によって生検を行います。

生検は、その後の治療内容に関わってくる非常に重要な検査です。軟部肉腫は種類が多く、確実な診断には専門施設での生検や診断が必要です。

2)X線検査、CT検査、MRI検査、PET検査、骨シンチグラフィなどの画像検査

腫瘍の位置や広がり、リンパ節や肺、肝臓などへ転移がないかどうかを調べるために、X線検査、CT検査、MRI検査、PET検査、骨シンチグラフィなどの画像検査を行います。

CT検査は、X線を使った検査で、体の内部を描き出して腫瘍の広がりを調べます(図2)。腫瘍と血管の位置関係や、腫瘍による血液浸潤の有無の評価に有用です。最も転移を生じやすい肺の評価に有用です。

MRI検査は、磁気を用いて体の臓器や血管を撮影する検査で、腫瘍とまわりの筋肉や神経、血管などとの位置関係や腫瘍の広がりなどを調べます。手術にはMRI検査が必要になり、造影剤を用いることで腫瘍の広がりを評価します。

PET検査は、放射性フッ素を付加したブドウ糖液を注射し、細胞への取り込みの分布を撮影することで全身のがん細胞を検出する検査です。一般的にはCT検査を併用したPET-CT検査を行います。リンパ節転移や遠隔転移の診断で補助的に活用することがあります。

骨シンチグラフィは骨への転移を調べるのに有用となることがあります。
図2 CT検査の様子
図2 CT検査の様子の図

3)血液検査、尿検査、超音波(エコー)検査、心電図検査など

軟部肉腫では、診断に有用とされる腫瘍マーカーはありまません。検査や治療に影響する腎臓の機能や肝臓の機能、貧血などの状態を血液検査、尿検査、超音波(エコー)検査で調べます。また心臓の機能を調べるために、心電図検査を行います。

2.病期(ステージ)

予後因子となる組織学的悪性度(腫瘍のたちの悪さ)、腫瘍の大きさ、腫瘍の発生深度(表在性、深在性)、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無により、病期(ステージ)が分類されます。American Joint committee on Cancer(AJCC:米国がん合同委員会)による第7版病期分類(表1)と、Union for International Cancer Control(UICC:国際対がん連合)による第7版病期分類(表2)では、組織学的悪性度の分類や腫瘍の発生深度の扱いが異なるのですが、この病期をもとに、年齢や全身状態を考慮して最も有効な治療法を決定します。
表1 AJCC system (7th ed.)※1
病期 腫瘍のサイズと深度※2 リンパ節転移※3 遠隔転移※4 組織学的悪性度
IA T1a、T1b N0 M0 Grade1
IB T2a、T2b N0 M0 Grade1
IIA T1a、T1b N0 M0 Grade2、3
IIB T2a、T2b N0 M0 Grade2
III T2a、T2b N0 M0 Grade3
Any T N1 M0 Any Grade※5
IV Any T Any N M1 Any Grade
※1 カポジ肉腫、デスモイド、先天性線維肉腫は除く
※2 T1:5cm以下、T2:5cmより大きい、a:浅在性、b:深在性、AnyT:サイズや深度に関わらない
※3 N0:所属リンパ節転移がない、N1:所属リンパ節転移がある、AnyN:リンパ節転移の有無に関わらない
※4 M0:遠隔転移がない、M1:遠隔転移がある
※5 悪性度に関わらない
Edge, S. B., et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual, 7th ed., 2010; 291-6, Springer.
表2 UICC system (7th ed.)※6
病期 腫瘍のサイズと深度※7 リンパ節転移※8 遠隔転移※9 組織学的悪性度
IA T1a、T1b N0 M0 低悪性度
IB T2a、T2b N0 M0 低悪性度
IIA T1a、T1b N0 M0 高悪性度
IIB T2a N0 M0 高悪性度
III T2b N0 M0 高悪性度
Any T N1 M0 Any Grade※10
IV Any T Any N M1 Any Grade
※6 カポジ肉腫、皮膚線維肉腫、線維腫症、血管肉腫、さらに硬膜、脳、管腔(かんくう)臓器、または実質臓器(乳腺肉腫を除く)から発生した肉腫は除く
※7 T1:5cm以下、T2:5cmより大きい、a:浅在性、b:深在性、AnyT:サイズや深度に関わらない
※8 N0:所属リンパ節転移がない、N1:所属リンパ節転移がある、AnyN:リンパ節転移の有無に関わらない
※9 M0:遠隔転移がない、M1:遠隔転移がある
※10 悪性度に関わらない
Sobin, L. H.,et al., eds.: International Union Against Cancer, "TNM Classification of Malignant Tumours", 7th ed., 2010; 157-61, WILEY-BLACKWELL.
【参考文献】
  • 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会・軟部腫瘍診療ガイドライン策定委員会編:軟部腫瘍診療ガイドライン2012;南江堂
  • Edge, S. B., Byrd, D. R., Compton, C. C., et al., eds.: AJCC Cancer Staging Manual, 7th ed., 2010; 291-6, Springer, New York.
  • Sobin, L. H., Gospodarowicz, M. K., Wittekind, Ch., eds.: International Union Against Cancer, "TNM Classification of Malignant Tumours", 7th ed., 2010; 157-61, WILEY-BLACKWELL, Inc., New York.
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