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がん相談支援センター関連

九州・沖縄ブロック「がんになっても安心して暮らせる街づくり」当日の模様

がん相談支援センターを地域の支援の輪につなげる

開催日時:平成26年2月8日(土)10時30分〜12時30分
場所:公益財団法人福岡県中小企業振興センター大ホール

プログラム

  • 国立がん研究センターがん対策情報センター長あいさつ
  • 福岡県がん診療連携協議会/九州がんセンター院長あいさつ
  • 講演1「がんになっても安心して暮らせる街づくり:患者さん・ご家族の立場から」
  • 講演2「がんになっても安心して暮らせる街づくり:在宅支援診療医の立場から」
  • 講演3:「がんになっても安心して暮らせる街づくり:訪問看護師の立場から」
  • 講演4:「がんになっても安心して暮らせる街づくり:介護施設職員の立場から」
  • 講演5:「がんになっても安心して暮らせる街づくり:がん専門相談員の立場から」
  • パネルディスカッション
  • 閉会あいさつ

概要

平成26年2月8日(土)に行われた市民公開講座「『がんになっても安心して暮らせる街づくり』〜がん相談支援センターを地域の支援の輪につなげる〜」には福岡県内または近隣地域にお住いのがん患者さん、ご家族、がん患者の在宅療養生活を支える福祉・介護および訪問看護領域の関係者、そして九州・沖縄全域のがん相談支援センターの相談員、総勢約240名の方々にご参加いただきました。

患者さん・ご家族の立場から田鋤總子さんにご講演いただき、医療サービスにつながることや普段から死について話すことをタブーとはせず家族で話し合うことが看取りの時期を後悔なく過ごすうえでとても大切であるというお話をいただきました。さらに、在宅療養支援診療医の立場からは村岡聡一さん(医療法人あさかぜ薬院内科循環器クリニック)にご講演いただき、「寄り添う医療」である必要があること、地域でともに支えていく必要があることを語りかけていただきました。つづいて介護支援専門員の立場である末次香代子さん(医療法人安藤内科・循環器科医院介護支援センターふれあい)からはがん患者さんを看護する家族へのサポートがとても重要であることをご紹介いただき、介護施設職員の立場である松村貴裕さん(有料老人ホームメディケア癒やし)からは数々の選択肢が用意されることこそがQOLの向上に結びつくというご意見をいただきました。最後にがん専門相談員の立場である織田久美子さん(社会保険田川病院がん相談支援センター)からは、がん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターについて紹介していただきました。

その後、「がんになっても安心して暮らせるための情報を知る」「がん相談支援センターを活用する」の2つのテーマでフロアディスカッションが進められました。フロアディスカッションの中で、がん相談支援センターの利用についてはやはり敷居が高く感じられるという具体的な体験も寄せられ、より多くの人ががん相談支援センターを知り、また、気軽に利用できるように様々な努力をしていきたいという閉会の辞をもって市民公開講座は閉会しました。

開催記録

平成26年2月8日(土)10:30〜12:30に、市民公開講座「『がんになっても安心して暮らせる街づくり』〜がん相談支援センターを地域の支援の輪につなげる〜」が、福岡市内の公益財団法人福岡県中小企業振興センター大ホールにて開催されました。

この市民公開講座は、がん相談支援センターを地域の方々に知って活用していただけることで「がんになっても安心して暮らせる街づくり」をすすめようと、同日の午後に同会場で開催された相談員向け研修会である「九州・沖縄地域相談支援フォーラム」にあわせて行われたものです。福岡県内または近隣地域にお住いのがん患者さん、ご家族、がん患者の在宅療養生活を支える福祉・介護および訪問看護領域の関係者、そして九州・沖縄全域のがん相談支援センターの相談員、総勢約240名の方々にご参加いただき、会場を埋め尽くすほどの大盛況となりました。

会場風景写真

総合司会は矢野知子さん(九州がんセンター)が担当し、座長は地方独立行政法人大牟田市立病院地域医療連携室/がん相談支援センターに所属する北嶋晴彦さんおよび国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス事務局の上玉利由美子さんが共同で務めました。

本公開講座は、国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長と、福岡県保健医療介護部健康増進課の白石博昭課長による開会のあいさつで幕を開けました。

セミナー風景写真

その後、座長よりあいさつおよび本フォーラムの趣旨についての紹介が行われ、「がんになっても安心して暮らせるための情報を知る」「がん相談支援センターを活用する」の2つのテーマでディスカッションを進めていくことの説明がなされた後、パネリストによる講演へと移りました。

最初のパネリストは田鋤總子さんで、患者さん・ご家族の立場からご講演いただきました。
ご主人を肺がんで亡くした田鋤さんは約3カ月の看取りの中で、ご家族全員でがんと向き合った経験をご紹介くださいました。ご自宅に帰りたいというご主人の希望をかなえるにあたって、がん相談支援センターの調整で在宅生活に必要な訪問看護をはじめとする医療サービスや、在宅ボランティアの方たちの支えにつながることができたこと、その中でご家族の大切な時間を過ごすことができたことをお話いただきました。また、田鋤さんご家族が普段から死について話すことをタブーとはせず、どのように生きていきたいか、また亡くなるときにはどうしてほしいと思っているのかを話してこられたこと、そして、そのことが看取りの時期を後悔なく過ごすうえでとても大切であったと思うとのお話がありました。

セミナー風景写真

次のパネリストである村岡聡一さん(医療法人あさかぜ薬院内科循環器クリニック)には、在宅支援診療医の立場からご講演いただきました。
過去の調査の中から「死期が迫っている場合、療養生活をどこで迎えたいか」「最期まで自宅で療養できると考えるか」「在宅で最期を迎えることが出来ないと考える理由」「あなたは医療に対してどのようなことを望みますか?」といった質問に対して出された「一般」「医師」「看護職員」「介護職員」それぞれの回答から、一般の人の多くは自宅での看取りは家族に負担がかかるものであると考えられており、そのために自宅で最期を迎えることは困難だと感じていることをご紹介いただきました。しかし、実際には在宅での医療、看護、介護のサービスを使いながら最期の時期を過ごすことは可能であること、そのためには在宅医療は一人ひとりにあわせたもの(テーラーメイド)であり「寄り添う医療」である必要があること、地域でともに支えていく必要があることを語りかけていただきました。

セミナー風景写真

つづく3人目のパネリストは末次香代子さん(医療法人安藤内科・循環器科医院介護支援センターふれあい)で、介護支援専門員の立場からご講演いただきました。事例を通して、在宅で終末期のがん患者さんを看護する家族は強い不安やストレスを感じており、「いつでも電話していいよ」というサポートがとても重要であること、患者さんが家族と充実した日々を過ごせたという気持ちは患者さんが亡くなった後も家族を支えていることをご紹介いただきました。また、24時間の支援体制が確保されている病院とは異なる在宅での療養を家族が安心して支えていくためにはより緊密な支援者同士のつながりが必要であり、がんの患者さんを支える支援者にとってもがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターとのつながりは心強いものだと思うとのお話もいただきました。

そして、4人目のパネリストである松村貴裕さん(有料老人ホームメディケア癒やし)には介護施設職員の立場から「ケアネットワークいやし」で試みられているオペレーションセンターを用いた地域包括ケアシステムとしての新しい在宅支援のサービスをご紹介いただきました。従来の訪問介護サービスと定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違いおよび各々の強みと弱みについてご説明いただき、過ごす場を病院でも自宅でも選べるなどのように数々の選択肢が用意されることこそがQOLの向上に結びつくというご意見をいただきました。

セミナー風景写真

最後の5人目のパネリストである織田久美子さん(社会保険田川病院がん相談支援センター)からははがん専門相談員の立場から、がん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターを紹介していただきました。がん相談支援センターは、患者さんや家族、地域の方々が無料で相談できる窓口であること、指定された研修を受けたがん専門相談員は相談される方の気持ちや思いに耳を傾け、一緒に考え、担当医に直接話しにくいことも含めて必要な情報を一緒に探し説明することなどが紹介され、「お困りのときには、一人で悩まずにぜひお近くのがん相談支援センターをご利用ください」という呼びかけがありました。

その後のフロアディスカッションでは、参加者から多くの質問が寄せられ、パネリストがそれらに対し回答を行いました。

パネリスト写真

フロアディスカッションの中では、「ケアマネジャーは多職種から構成されるが、とりわけターミナルのケースなどは病気についての知識が豊富な医療系のケアマネジャーに集中しがちである」という現状に関し、介護サービスと、訪問看護や在宅医療との連携が今後ますます重要になっていくだろうという意見が出されました。
また、「がん相談支援センター」の名称が病院ごとにバラバラであるために分かりにくいというという指摘に関しては、今後は病院独自の名称との併記で「がん相談支援センター」の名称で統一していくことになったこと、がん相談支援センターの統一ロゴが決まり、今後は相談員がつけるバッジや相談支援センターを紹介するカードが活用できることになったという説明がなされました。
その他、がん相談支援センターの利用については、やはり敷居が高く感じられるという具体的な体験も寄せられ、それに対し織田久美子さんが、がん相談支援センターは病院でも目立たない場所にあるなどの理由で存在を知らない人も多いことや、利用には敷居が高く感じている人も多いという現状について述べ、自分から相談に来る人は勇気を出して相談に来ていると思うと回答しました。

フロアディスカッション終了後は、より多くの人ががん相談支援センターを知り、また、気軽に利用できるように様々な努力をしていきたいという若尾文彦センター長による閉会の辞をもって市民公開講座は閉会しました。

若尾文彦センター長写真

これからも国立がん研究センターがん対策情報センターは、患者さんやご家族が不安なく治療や療養に向き合える環境をより多くの地域で整備できるよう、さまざまな対策を講じてまいります。

資料

資料1「がんになっても安心して暮らせる街づくり」プログラム(PDF:151KB
資料2「がんになっても安心して暮らせる街づくり:在宅支援診療医の立場から」(PDF:3MB
資料3「がんになっても安心して暮らせる街づくり:訪問看護師の立場から」(PDF:165KB
資料4「がんになっても安心して暮らせる街づくり:介護施設職員の立場から」(PDF:1MB
資料5「がんになっても安心して暮らせる街づくり:がん専門相談員の立場から」(PDF:1MB
主催:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
福岡県がん診療連携協議会(順不同)
後援:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、福岡市(順不同)
協賛:アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
更新・確認日:2014年03月04日 [ 履歴 ]
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2014年03月04日 掲載しました。
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