HOME > 診断・治療 > 治療を受けるとき注意したいこと > 創傷とスキンケア > 胃瘻(いろう)周囲のスキンケア

胃瘻(いろう)周囲のスキンケア

更新日:2006年10月01日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2006年10月01日 掲載しました。

1.胃瘻とは

胃瘻とは、内視鏡または手術で、お腹と胃の壁に穴を開け、そこからカテーテルを通じて直接胃のなかに食事(栄養剤)を入れたり、薬を入れたりする方法です。胃瘻は、口から必要な栄養を摂ることができなくなったものの、胃や大腸の消化管の機能が正常で、4週間以上続けて使用できる患者さんに適しています。患者さんに不快感や苦痛が少なく、消化機能が保たれ、管理がしやすいので在宅療養にも適しています。胃瘻があっても、口から食事を摂ることはできます。

2.胃瘻の管(カテーテル)の種類

胃瘻の管(カテーテル)は、1)胃内固定板、2)体外固定板、3)カテーテル本体の3つで構成されています。1)胃内固定板には、蒸留水を入れたバルーン(風船)型と、シリコン製などのバンパー型の2つのタイプがあります。2)体外固定板には、ボタン型とチューブ型の2つのタイプがあります。ボタン型はスナップボタンのように開閉でき、お腹に密着しているので目立ちにくい形をしています。チューブ型は、カテーテルがお腹から20cmくらい外に出ている形をしています。1)と2)で胃とお腹の壁を挟んでくっつけて、抜けないようにしています。カテーテルの種類は、それぞれの特徴と患者さんの個別性や家庭環境を考慮して選びます。
左:バルーン式胃婁カテーテル 右:ボタン式胃婁カテーテル
バルーン式胃婁カテーテルとボタン式胃婁カテーテルの図
バンパー式と似ているが、固定板が大きいのが特徴。胃壁側に接触するのがバルーンのため、圧迫がやわらいでいる。 逆流防止のための弁がついているのが特徴

3.胃瘻のスキンケア

1)胃瘻をつくってから1週間

  1. 胃瘻を作ってから3日目までは1日1回、体外固定板の下の皮膚をイソジン消毒します。また、固定板は1回転以上回し、毎日同じ場所に固定板が当たらないようにします。
  2. 消毒後、固定板の上にガーゼを当て、テープで固定します。(4日目からはガーゼを当てるのみ)

2)胃瘻をつくってから1週間目以降

  1. 4日目以降は発熱や皮膚の異常など問題がなければ、消毒の必要はありません。
  2. 1日1回、石鹸をよく泡立てて体外固定板の下や周囲の皮膚を指で洗い、ぬるま湯で湿らせた柔らかいガーゼで石鹸と汚れを優しく拭き取ります。1週間経過したら、シャワーまたは入浴時に優しく洗い流します。シャワー・入浴時は胃瘻を保護する必要はなく、お湯がかかっても問題ありません。湯船にもつかることができます。
  3. 乾いたガーゼで水気を押さえ拭きし、自然に乾燥させ、固定板を1回転以上回し、毎日同じ場所に固定板が当たらないようにします。
  4. 体外固定板や管(カテーテル)が、衣服に引っかからないようにします。衣服に引っかかる場合は、ガーゼを当て、テープで固定します。

4.起こりやすいトラブルと対処方法

1)胃瘻周囲の皮膚トラブルと対処方法

固定板と皮膚は直接接しているので、汗や栄養剤の漏れなどで汚れやすく、そのままにしておくと以下のような皮膚トラブルを起こします。
  • 瘻孔周囲炎:胃瘻の周りが赤くなったり、腫れたりします。
  • 瘻孔壊死:瘻孔周囲炎が悪化したり、胃内固定板と体外固定板がきつく、胃瘻を圧迫して血流が悪くなると、胃瘻の周囲が薄い黄色になります。さらに悪化すると、黒色になります。
  • 感染:胃瘻の周りが赤く腫れるだけでなく、痛くなり、熱がでます。
  • ふやけ:胃瘻周囲の皮膚がふやけた状態をいいます。原因としては、入浴時にフィルム材で長時間覆ったり、汗や栄養剤が漏れて湿った状態が続く場合などがあります。

対処方法

皮膚トラブルを起こさないためには、固定板を回転させ、同じ場所に当たらないようにすることと、いつもきれいにしておくことが大切です。ガーゼが湿っていたら適宜(てきぎ)交換しましょう。また、入浴後などは胃瘻周囲が湿った状態にならないよう、充分に水分をふき取ることも大切です。
スキンケアをするときは、胃瘻やその周囲が赤く腫れてないか、色が変わっていないか、痛くないか、皮膚を観察しましょう。熱があるときや体調に異常のあるときは、早く病院を受診してください。

2)管(カテーテル)のトラブルと対処方法

  • 管(カテーテル)が抜ける:管(カテーテル)が自然に抜けたり、管(カテーテル)を患者さんが抜いてしまったりします。その場合はお腹の穴をタオルやガーゼで覆い、抜けた管(カテーテル)を持って、早く病院を受診してください。穴は1日でふさがります。
  • 管(カテーテル)がお腹に潜り込む:胃内固定板と体外固定板がきつかったり、体重が増加すると潜り込みます。管(カテーテル)の位置や、長さが何cm入っているか覚えておきましょう。また、固定板は毎日回転させます。
  • 管(カテーテル)のつまり:栄養剤や薬が詰まって入らなくなります。栄養や薬を入れ終わった後は、必ずぬるま湯を流しましょう。詰まりが取れなければ管(カテーテル)を交換します。
  • 管(カテーテル)の変形やひび:栄養剤や薬が漏れ出てきて使用できなくなります。管(カテーテル)のつまりや感染を防ぐため、管(カテーテル)の種類によって1〜6ヵ月毎に交換します。変形やひびを見つけたら、早く病院を受診してください。
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
アンケートページへ
用語集
このページの先頭へ